仲良し4人組

結局、夏希の予定と私の予定を擦り合わせていたら、中学でよく一緒にいた2人とも予定を合わせることが出来て、かつて仲良しだった4人で会うことができることになった。


中学で知り合った真帆と柚葉とは、部活が一緒でとても仲良くなった。休み時間には廊下で4人で話をしたし、よく遊びに行った。


高校が4人とも違うから、高校になってからはほとんど会えなくなったけど、未だに仲良しだと私は思っている。


会うのは1年ぶりだった。


「真帆〜!柚葉〜!久しぶりー!!!」


私と夏希は待ち合わせをして一緒にカラオケに向かっていたが、真帆と柚葉とは現地集合だった。夏希が、語尾にハートがついてそうなくらいキャピキャピした声で2人に駆け寄っていく。


「夏希!久しぶりー!実玖も久しぶり」


「2人とも久しぶりー!」


カラオケに入って、L字型の椅子に私、夏希、真帆、柚葉の順に座る。


「ほんと柚葉オシャレすぎてやばい!」


座って、飲み物が来るまでの間の談笑タイムが始まる。夏希は体ごと2人の方を向いて笑っている。話に加わる話題を探していたら洋服に目が止まった。


「え、なんか今日うちら服似てない?!」


偶然にも、全員チェックのミニスカートだった。


「はぁ?お前だけスカート黒やん!」


私以外のみんなのスカートはベージュだった。


「いやいやいやいや、それ言ったらお前だけトップス白やん!」


夏希以外のトップスは黒だった。


「はぁー?」


「はぁー?」


2人でめちゃくちゃ大きな声で張り合う。別に本気で喧嘩してるとかそういう訳じゃない。日常というか、私たちの会話のテンプレみたいなものだ。


4人が揃うと、夏希は私を部外者にする。

真帆と柚葉を独占しようとする。


多分夏希も私を除け者にしようと思ってる訳じゃなくて、それが日常だからそれに従ってるだけなはずだから、私も日常に従って、塩対応されるのを気にもとめない振りをして間に割り込んでいく。


この3人は、きっと私が欠けたとしても楽しくやっていくんだろう。

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