Side.??

目を覚ますと、知らない殺風景な部屋にいた。


部屋は真っ暗で目の前にあるモニターが唯一の光源だ。

モニターにはここと同じくらい殺風景な部屋が映し出されている。


向かいあわせで椅子に座らせられ、拘束されている男女。


二人とも頭にVRゴーグルを装着していた。


しばらくすると、その男女は各々話し出した。しかしどうも会話がかみ合っていない。どちらも相手に同じようなことを話しかけているくせに、どちらもそれに答えようとしない。

男は少し粘っていたが、とうとう二人とも黙り込んでしまった。



身の回りを確認すると目の前には二つのボタンが並んでいた。


『ヒトツハ爆発、ヒトツハVRスイッチオフ』

というごく簡単な説明が書いてあった。


振り返ると扉があるが、その上の部分には

『出れば爆発』

というシールが貼られている。


そっと自分の首にふれると人工的な冷たさを感じた。


もう一度モニターを振り返る。僕は彼らを救出できる力を持っている。


しかし間違えれば死だ。



さて、彼らが僕のことを知らないように、僕にもまた僕の知らない救世主がいるだろうか?

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夢かうつつか 藤間伊織 @idks

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