第3話

大西君はなぜ私に優しくしてくれるのだろうか。

水道でぼんやりと空を見上げながらそう思った。


大西君は、だれがどう見ても陽キャで一軍のトップクラスといってもいい人だ。少し喧嘩っ早いけどすごくモテる。


なぜならそう、彼はアイドル並みのイケメンだからだ。

彼に5秒見つめられたら一般の人なら恋に落ちてしまうほど、、、


だからこそ浮かぶ疑問。どうして大西君は私に構うのだろうか。

私はだれがどう見ても根っからの陰キャ。

友達と呼べる人なんてほとんどいないし、学校ではいつも勉強をしているか本を読んでいるかのどっちか。恋なんてしたこともない。


なので、私は思った。きっと大西君のような陽キャにしかわからないなにかがあるんだろうと。


突然の予鈴の音に私は、急いでみんなの元に戻り挨拶を済ませ教室へと戻った。

着替えをしている最中、

「さっきは大丈夫だった?」

と心配して声をかけてくれる子がいた。私は、些細な気遣いをされてうれしくなった。

「ありがとう。全然大丈夫だよ。へっちゃらへっちゃら(笑)」

といいながら笑って見せたらその女の子は

「ならよかった。」

と言って、友達の元へと戻って行ってしまった。私はいつも思う。どうしたらもっとクラスの子と仲良くなれるのだろうかと。


私はクラスで特別嫌われているわけでもなければ、好かれているわけでもないだからほんとの陰キャなのだ。

そんな事実を自分で再認識しながら次の授業の準備をした。

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