第2話
びっくりして後ろを振り返るとそこには陽キャ軍団の中のトップと呼んでも過言ではない大西龍斗(おおにしりゅうと)が立っていた。彼はクスクスと笑いながら
「そんなに驚くなよ(笑)」
と言った。驚いて固まってしまっている私の手をとり大西君はゆっくりと濡れた手をタオルで拭いてくれた。
我を取り戻した私は、慌てて
「ありがとう、大西君。でももう大丈夫だよ。」
そう言って大西君の手の中にあった私の手をすぐに自分のもとへと引き戻した。
そんな私に構わず大西君は体操服や足についた泥を払ってくれた。そして、最後に私の頭をなでながら
「おでこ大丈夫?保健室連れて行こうか?」
そういいながら私に顔を近づけた。
私は真っ赤にした顔を背けながら
「大丈夫!!私、石頭だから!」と、とっさに言った。
そんな私を見て笑いながら優しく
「そっか。」と言った。
この場の空気に耐えられなくなった私は
「私もう少し休んでから行くから大西君はさきにみんなのところに戻てて」とせかすように言ってしまった。
しかし、大西君は私の気持ちを察したように快く承諾してくれた。
私は、顔の熱を冷ますためにしばらく水道にいることにした。
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