第75話「阿呆の種類」
「……」
礼音 「おや? 急に立ち止まって、どうかしたのか?」
「あ、いや、あのコンビニ……『不穏』だなと思っただけです」
礼音 「不穏? すまない、私の眼にはただの『ヘブンイレブン』にしか見えないのだが」
「いえ大したことじゃないんですけど……店頭の商品、全然減ってないんですよ」
アド 「嘘ッ?! お菓子とか残ってるげ??」
「あ、ちょアド?! 違ッ、行くなってアドッ?!」
アド 「ぎゃー!! 鼠ゾンビが大量ぞ! ヘルプミー!」
「あの脊髄反射っ娘が……」
■■─────────バトル────────■■
アド 「ふぅ……始まりの街で死ぬかとおもたぜ……マジに」
百喰 「阿呆です。ドジです。貴方は間抜けです。助ける身にもなってください……」
アド 「てへぺろ、以後気をつけるぞい」
栗子 「おい……」
アド 「およ、リっちゃんも助けてくれてありが──」
栗子 「──姫さまよ、」
がちゃり、と。姫片は小型拳銃をアドの眉間につきつけた。
アド 「ちょ、リっちゃ……」
栗子 「阿呆には二種類あってな、眉間で残弾数え始めりゃ上の口を漏らしだす阿呆と、下の口を漏らしだす阿呆だよ」
アド 「がくがくぶるぶる……」
栗子 「前者は部下にゃしたくねぇし、後者は主には据えたくねぇ。後学のために知っておいたほうが良いよな?」
撃鉄が跳ね起き、空砲がなる。
アド 「ぅひぃッ……ちょちょリッちゃ」
次いで、二発目も空砲。
アド 「……ご……ごご……ごめ……」
栗子 「おら」
アド 「(アド汁ぷしゃー)」
あいつキレる怖いな、と。
僕は他人ごとながら遠巻きに思った。
礼音 「サンくん、君はどうしてコンビニ内に大量の鼠ゾンビがいると……」
「え、ああ簡単ですよ。商品が盗まれてないのなら、予想だにしない邪魔者がいるに決まってます」
礼音 「言われてみればそうか」
しかし、鼠だろうとゾンビ化すれば食料を食べないのか。
人間しか襲わなくなるゾンビ化、不思議なことだらけだ。
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