第65話「鹿狩作戦1」

【同日 15時40分 渚輪ニュータウン 榎林ヶ丘林内】

ブザー 「ビィー、ビィー」

   「うし、豹藤ちゃんから鹿発見の合図が上がった!」

僕のホイッスル 『フィー、フィッ』


ひさぎ 「あーもう、うっさいわね。 吹くなら吹きますって言えよグズ」

  「会話したくないんじゃなかったのか」

ひさぎ 「最低限の情報伝達よ」

遠くのブザー 『ビィー、ビ、ビッ!』


   「っと、なら情報伝達だ来栖崎!」

ひさぎ 「はいはい、吹くなら吹けば」

   「違う、鹿が来るぞ!」



■■─────────バトル────────■■



   「はぁ……はぁ……はぁ……鹿め……やりおる……」

ひさぎ 「……あんた。ちょっと走っただけじゃない……」

   「はぁ……はぁ……」

ひさぎ 「どんだけ運動神経ないの……。情けなさすぎ、マジ逝ってよし」

  「うるさい……適材……てきざゲホっ……ゲホッ」

ひさぎ 「ねぇ、唾飛んだでしょ変態ッ」

  「げふっ……?! 痛ぅ。おま、咳き込んでる人間の……鳩尾は蹴るなって……」

ひさぎ 「知らない。てか、笛吹かなくていいのかしら。指揮、官、さん」

  「……鬼だ」

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