第62話「肉への架け橋」

【同日 15時00分 渚輪ニュータウン 垓三陸橋】



   「よし、この陸橋を超えればいよいよ榎林ヶ丘だ」

アド 「うぉぉぉぉ肉だぁぁぁ久方ぶりの肉を狩るぞぉぉぉ!」

  「ちょ、アド?! 橋にもゾンビが……って……くそ、走って行きやがったちくしょう!」

栗子 「ったく、ちょっくら私とやちるでサポートしてくるわ」

   「頼む」

栗子 「なぁに、今日のあたしゃ機嫌がいいんだよ」



■■─────────バトル────────■■



   「なぁ、来栖崎」

ひさぎ 「……なによ。会話はしないはずじゃないの?」

  「いや、会話じゃなくて情報伝達だよ。あんまり僕の側から離れるなよ」

ひさぎ 「……はぁ? あんたは、私のなんなの? ケツパが人間様に命令するとかきいたことないんだけど」

  「ケツパ?」

ひさぎ 「血液パックの略よ」


由来を教えてはくれるのか。


   「いや……。発作がいきなり置きても、外だと直ぐに対応できないかもしれないし」

ひさぎ 「いつ飲むかは、私が、考えるの。これで論議終了はいわかりましたか? ケツパが偉そうに囀らないでよ」

   「……なら、必ず飲むときは言ってくれよ」

ひさぎ 「くどい」


姫片さんと豹藤ちゃんが切り開いた橋を、ひさぎは歩き出す。

僕は寄り添うでもなく、ただその後ろを付いていくだけだった。

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