第60話「講釈」

【同日 14時30分 渚輪ニュータウン 北部垓三町】


   「──そう! そうなんだよ。みんな動物性タンパク質の重要性を理解していない」

綴   「わーそうなんですのー(棒)」

  「フェニルアラニン、トレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、これら全部の必須アミノ酸は動物性蛋白質にしか殆ど含まれない。必須アミノ酸が欠如しては、ゆくゆくは新陳代謝も低下して──」

綴   「わー博識ですわー(棒)」

栗子 「あれだな、サンが徐々に本性を露わにしてきやがったな」

アド 「ふっふふー、馴染んできた証拠だぜー?」

栗子 「まぁ、始めっから理屈っぽいインテリ坊主ってのは知ってたけどな」

アド 「細かいこといちいち気にするウジウジくんとも言う」

  「聞こえてるよ」

アド 「ゾンビ襲来ぞー! 襲来ぞ~!」

  「話を逸らすな」



■■─────────バトル────────■■



綴   「ほにゃぁ……」

礼音 「おや、どうしたんだ甘噛くん。もうサンくんの腕に絡みつかなくて良いのか?」

綴  「ええ……わたくしのような知性も品性も欠片もない脳筋田舎娘が……サン様の隣にいても酸素の無駄使いですわ……一から真面目な勉学に励み……学問の門戸に跪きおしたほうが良いんですの……」

礼音 「はは、それはそれは、容易な男じゃなかったようだな」

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