第2話

少し、昔話をしよう。


私には仲のいい友達が"いた"。休み時間も、ご飯の時間も、トイレだってずっと一緒だった。趣味も合ったなあ。一緒にたくさん話をした。それだけで、私は幸せだった。大事にしようと思った。大事にしていた。


ところが私たちは喧嘩をした。つまらないことだった。でも彼女にはそうではなかったのだろう。

話さなくなってしまった。目を合わせなくなってしまった。もう友達グループも固まっているから、ずっと二人でいた人見知りの私には一人ぼっちの選択しかない。

何度か和解は試みた。彼女の意見を尊重した。何も無かったかのように話しかけもした。しかし彼女は塞ぎ込んでしまった。こうなってしまっては私にすることはなにもない。

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死にたくても @YUKALI

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