第4話 期待とは裏腹に
勝手に俺を地獄送りしやがった閻魔大王のエマ。すんげー理不尽で腹立つけどその理由を聞かないとな。
「閻魔大王の...エマだったか?人生履歴とやらを改竄してまで俺を地獄に連れてきたのには何か理由があるんじゃないのか?例えばだけど俺を使って何かしようと企んでる...とか。」
漫画やアニメの話になるがこういった展開は大体がそうと決まっている。エマが足を組み直して...うおっパンツ見えそう!俺に答えた。
「お主、どこを見ておる...。全く...人間の男というのはどうしようもないのぉ。いちいち気にしてたら話が進まん...さて、ワシがお主をここに呼んだのはとある世界を救う手助けをしてほしいからなのじゃ。」
え?やっぱそういう感じ?転生して勇者になって俺TUEEEEして魔王を倒すパターン?
そして可愛いお姫様とか仲間といちゃいちゃなんかしちゃって...ムフ。
「ふ、ふーん。まぁよくあるやつだな...ムフ。で、でもなんで俺なの?」
そう、そこなのだ。俺は喧嘩もしたことないし運動神経がいい訳でもない。運動音痴って訳ではないがそこらへんにいる一般人と変わりがない。頭もいいほうじゃないしな。
「彼女も出来たこともない対していい人生を歩んできた訳でもないお主が階段からコケて死ぬとか哀れじゃなぁ~あぁ可哀想!と思ったからワシがチャンスを与えることにしたというわけじゃ。決してお主に天才的な素質があったとか秘めたる力があるからとかそんなわけじゃないぞ?顔も対してよくないしの。」
くぅ~!くぅ~!もしかしたらすげー力があるとかちょっと期待した俺が馬鹿だった!それに最後の余計!やっぱムカつく!
「か、顔は良くないのは認めるが、どどど、童貞ちゃうわ!」
「そういう反応をするやつは童貞と相場が決まっておる。見栄をはるでない。まだ若いんじゃしこれからどうにでもなるじゃろ。顔は良くないから苦労するかもしれんがの!がーはっはっは!」
ぐぬぬ...、ムカつくけど確かに俺にとってはチャンスに違いない。女の子ともイチャコラできず童貞のまま無に還るなんて嫌だ!
「おい!エマ!チャンスを与えてくれたことには礼を言う。もし俺が世界を救った後はどうなる?俺は元の世界、日本に帰れるのか?救ったからってまた地獄とか天国に行くかなんてのは嫌だぞ!絶対嫌!女の子とイチャコラしたい!まだしたことないもん!」
「童貞丸出しじゃの...。ただ世界を救ってはいありがとうございましたじゃあのって言うほどワシは鬼ではない。鬼ではなくて閻魔大王じゃがのっ、がーはっはっは!やる気を出してもらわなければならんのじゃ、ちゃんと褒美はやるから安心せい。悪いようにはせん!一つだけ望むことを叶えてやるわい。」
「お?そうこなくっちゃな。その時になってあれは嘘でしたってのは無しだぞ!」
「ワシは閻魔大王じゃぞ?そんなことせんわ。約束は守る。まぁお主が世界を救わんことには望む物も叶わんがの。しっかり結果を出すことじゃ。もし死んでしまったらワシの力ではどうにもならん。気を付けることじゃな。」
......。そんなに甘くはないか、そうだよな、死んじゃったらおしまいか。頑張って強くなって魔王を倒すんだ!...っとそう言えば聞かなければならないことが。
「なぁ、俺は何にも力のないただの人間なんだぞ?そんな俺がいきなり知らない世界に放り込まれて世界を救ってくださいって言われてもすぐ死んじまうよ。なんかないの?すんげー特殊能力とかすんげー武器を持たせてくれるとかさ!」
そう、こういう場合は何かチートな能力や武器を持たされて乗り込むのが普通だろ!じゃないとやって行けない。何にも力のない俺でもそれさえあればなんとかなる!
「あー、えー、それなんじゃがの、えーと“ルール“でのそういうのはダメって決まっておるのじゃ。」
「はぁああ?!なんもないの?!何それ!無理だよ無理無理無理!死んだばっかりなのにすぐ死んじゃう!ケチ!ってかルールって何?」
「うるさいのぉー!ほら、そこからちょっと下がって静かにするんじゃ!全く...。」
俺は言われた通り後ろ歩きで少し下がる。閻魔大王が何やら呟くと俺を囲うように地面に魔法陣みたいな模様が浮かび上がり光を放った。
「なんだよ、やっぱり特殊能力くれるんじゃん!これはその儀式みたいなやつなんだろ?ビックリさせないでくれよ!んで、どんな特殊能力?なぁなぁ!教えてくれよ!時間を止める能力とか透明になる能力でもいいぞ!ムフ。」
使い方次第ではうっひょぉな能力を期待しているとエマがただ一言
「じゃあ行ってくるのじゃ!期待しておるぞ~!」
「へ??」
ブゥン!という音と魔法陣から放たれる光と共に俺はエマの前から消えた。
Hellpme!地獄に落ちた俺は何故か勇者達を倒すはめに いっちー @danton334
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