第3話 閻魔大王のエマ

「わかった、仮に俺がホントに死んでしまったということにしよう...つまりここはいわゆるあの世...天国ってことなのか?」


まだ夢であると言う可能性はあるがこいつの話を聞いといてやろうじゃないか。



「やっと理解してくれたかの?そう...あの世はあの世なんじゃがなー...ここは天国ではない。」


んん?天国じゃないだって?ああそうか俺たちが天国なんてあると思ってるだけで本当はないってことなのか。


「#地獄__じごく__#じゃ!がーはっはっは!驚いたか!?」


地獄?!!!


「なんで俺が地獄に!地獄って言えば人を殺したりとかした極悪人が来るとこじゃないのかよ!俺は今まで捕まったこともないし悪いことした覚えはないぞ!」


これは本当のことだ。神に誓って犯罪などしたことがない。あ、小学生の頃よく幼なじみとかのスカートめくりとか好きな奴のリコーダーをちょっとだけ舐めたりしたっけ...。い、いやでもそれくらいで地獄になんて!


「そうじゃな~地獄はお主の言う通り死ぬ前に悪事を働いた奴らが来るところじゃ。じゃが犯罪を犯したからと言って必ず地獄に送られるという訳ではない。天国へ行くか地獄へ行くかの審査があってのぉ。まぁ本来なら例え女のスカートめくりをしたりリコーダーをべろべろ舐めたところで地獄になんて送られん。」


こいつそんなことまで...しかもべろべろ舐めたのもバレてるーーー!!

いや、そんなことより...


「悪いこともしてない犯罪者でも無い俺がなんで地獄行きなんだよ!さっき審査があるとか言ってたな!審査ミスじゃないのか審査ミス!あの世の役人はどうなってんだ!訴えるぞ!」


「スカートめくりやらリコーダーべろべろやらは悪いことではないと思っとるようじゃの...まぁいいわい。ここにお前が来たのは審査ミスなどではない!ここの役人は優秀じゃからの、天国と地獄を間違えるなんてここ1000年は起こっておらんぞ。しっかり来るべくして来たのじゃ...そうワシがお前の人生履歴を改竄したからのぉ!ちょちょいのちょいっ!てな!“地獄に送られる程の罪を犯したことにした“からお前はちゃんと地獄に来たのじゃ!がーはっはっは!」


「っ...何してんだこのママぁああああああああ!!!!!あっ、アマぁああああああああ!!!改竄したって、何してくれとんじゃ!そもそもなんでそんなことが出来んだよ!」


くっ、勢いでママって叫んじゃった!この年になっても未だにママって言ってるのは内緒なのに!


「お主のママになった覚えはないのじゃが...まさかお主その年にもなって...ぐふふ...ワシはお主がだいだいだぁーい好きなママではない!そういえばまだ名乗ってなかったのぉ、ワシは閻魔大王のエマじゃ!閻魔大王だからちょちょいのちょいっ!って出来るんじゃ!がーはっはっは!...まぁ、閻魔大王だからといってそんなことしたらイカンのじゃがな。」


え、こいつ閻魔大王だったの...?よく見たら閻魔大王ぽいっちゃぽいかも...女だけど角あるし...。閻魔大王って完全にでっかい鬼みたいなオッサンをイメージしてたよ...。

それよりも改竄してまで俺を地獄に連れてきたってのはどういうことなんだろうか。









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