第2話 何こいつムカつく

「さて...お主の名前はなんじゃったかー、あーそうじゃそうじゃ“西川洸太“!にしかわこうたじゃったな!」


ふぇ?!ななな、なんでこいつ初対面のくせに俺の名前をおおお?!


「がっはっは!お主今なんでこいつ初対面のくせに俺の名前知ってんの?って顔しとるのぉ!あーおもろ!名前だけでは無いぞ?誕生日は4月22日、年齢は20歳、血液型はB型、趣味は漫画にアニメにゲームにたまにギャンブル、大学中退して今はフリーター、そして今朝バイトに行こうとしてオンボロアパートの階段を降りる時にコケて頭の打ち所が悪くて死んだのじゃ!んー、可哀想だがお主運がないのぉ。」


へ?おいおい、ちょっと待て、途中から変なこと言ってるぞこいつ。アニメ好きだし大学中退したし就職も出来ずフリーターやってるけどよ...階段からコケて?死んだ?!んなアホな!

俺ここにいるし、考えれるし、喋れるし、てゆーかこれは夢なんだろ。どこだよここそしてお前誰?夢なら早く覚めてくれよ。こいつは可愛いしエロい格好してっけどなんかムカつくから文句言ったる!


「おいおいおいちょっと待て。角が生えてておっぱい大きいエロい格好したお姉さん。確かに俺の名前やら年やらフリーターやってるやら当ててんのはすげぇし驚いたけども、最後の何?!階段からコケて俺が死んだって?そんなわけねーし!ほらお前と喋ってるし!ピンピンしてるし!生きてるじゃん!てゆーかこれは夢なんだろ?コケて死ぬとそんなアホな死に方しねーし、こんな場所知らねーし、お前が誰かもわかんねーし...夢としか思えねーよ。」


とりあえず言いたいこと言ったし俺の夢なんだからこの角生えたお姉さんを好きなように出来るんじゃないか?とムフフなけしからん企みを考えていると角生えたお姉さんがぐふふふ...と笑っていた。


「ぐふふふ...がーはっはっは!そうじゃよなぁ、いきなり死んだと言われてもわからんよな!ぐふふ...しかもコケて転がり落ちて..ぐふ...だっせぇのぉ!

おい西川洸太よ、自分の頭の上に手を伸ばしてみよ!」


むむむ、ホント何こいつ!ムカつく!ぐふふふガハハハうるせぇ!ホントにエロい事してやろーか!

それでなんだって?頭の上に手を伸ばせ?なんでそんなことを...と思いつつ俺は頭の上に手を伸ばすと何か硬いものに手が当たった。


「ちょっと!何これ!なんか硬いものあるんだけど!引っ張っても動かないんですけど?動かないんですけど!よく見えないけど、輪っかみたい!」


「そーそー、それはあれじゃお主も漫画やアニメで見たことあるじゃろ?死んだキャラの頭の上に出てくる輪っかじゃ。それがあるっつーことは死んだ者の証ってことじゃな。一応言っとくけどな、それはどうやってもそれは取れんぞ。」


へ?マジ?確かに漫画とかで見たことあるけど...俺ホントに死んだの?



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