第45話 存分に楽しむぞぉ~!
同棲生活も慣れた2週間後、
「零二くん~!走らなきゃ乗り物乗れなくなっちゃう~!」
俺達は東京という名の千葉にある夢の国に足を運んでいた。
この2週間で同棲生活も慣れ始めて、心の余裕が少しづつ出てきた。
最初のうちはジタバタと生活していたが、徐々に生活ペースが同じになり、健康的に過ごせるようになっていたが。
ちなみに夜の事情は留まることを知らずに、悪化していく一方なのは置いておこう。
同棲していることは学校の誰も知らず、友人にすら言ってない。
だって言ったら質問の雨あられだ。「毎日シテんの?」「エロハプニング満載か?」などと思春期男子が群がってくるからな。
そんな生活をしていると、「今度の休日、デートしない?」と、奏が誘ってきた。
もちろん答えはOK。行かないわけがない。
でも今更思ったんだが、休日の昼間に奏と一緒にいるのは珍しい。
同棲してから気づいた。
平日はほぼ一緒にいるものの、休日はあまり一緒には行動しない。
土曜に泊まりに来て、翌朝には別々に行動するのがいつものルーティーンだからな。
折角だし特別な場所に行きたいと奏が選んだ場所が、
「見て~、ミニーちゃん可愛い!」
ディズニーシーだったって訳だ。
「おい、人混みなんだしあんま離れるなよ~」
「分かってるってぇ~」
普段より一段とテンションが高い奏。久しぶりの遊園地だからだろうか。
にしても、今日の奏の服装…………可愛い。
オフショルダーの薄手ニットに、チェックのミニスカート。頭にはベージュのベレー帽。
またその上には我慢しきれずさっき買ったディズニーのカチューシャ。
普通だったら帽子を取って付けるものだが、これはこれで似合っている。
「ん?どうかしたの?」
奏の事を眺めていると、腰を曲げて聞いてくる。
「いや、なんでもない」
「もしかして~、零二くんもこのカチューシャ欲しかったの?」
「もう付けてるな俺」
「私と付けてるの違うからこっちも欲しいのかな~って」
「2個も付けないだろ」
「えぇ~絶対可愛いのに」
「そりゃー、似合う人が付ければな」
男子がカチューシャ付けた自分の事見て「かわい~」とか言ってるの普通に引くだろ。それもこんな凡人が。
もしそんなことしてたら、一軍だと思ってる2軍がインスタのストーリーであげてるやつになる。
我ながら分かりやすい例えだな。
「よぉ~し、零二くん!」
「なんですか?」
「今日は存分に楽しむぞぉ~!」
「既に楽しんでないか?」
「入った瞬間から楽しいに決まってるじゃ~ん」
「昨日からもう楽しそうだったけど」
「それは零二くんと一緒に行けることを考えるだけで眠れないくらい楽しみだったよ?」
「の割には昨日11時には爆睡してたけどな」
10時半くらいに「今日は眠れない~」とかくっ付いてきたくせに、その10分後にはもう可愛い顔して寝てたけどな。
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