第40話 隠し味

「ご飯、温っためるか」


「そ、そうだね」


 事後、お風呂上がりの俺達は、キッチンに置いてあるハンバーグを見ながら言う。

 あの後、3…………いや、数えられなくらいやったな。カートンであったゴムは半分以上無くなってたからな。


 おもちゃを使ったり、色んな体位をしてみたり、親がいたら到底出来ないことまでしたからな。

 いや~、最高の時間だった。唐突だったから精力剤も飲み忘れたが、案外雰囲気があれば何回もいけるものなんだな。


 これは奏の河可愛さパワーに圧巻だ。

 だがその代わり、すっかりご飯食べるのを忘れて時刻はもう10時半。

 いつもの奏ならもう寝ている時間だ。


 加えて事後だ。あんなに声出してイってたからイき疲れてもおかしくないのに、奏は元気であった。

 何故か俺も目が冴えている。

 余韻に浸ってるからか知らないが、今日は夜更かし確定コースだな。


「ハンバーグ。ラップかけて40秒くらいでいいと思うよ?」


「ん、りょうかい」


 奏は炊飯器からご飯をよそい、俺はハンバーグをレンジへ入れる。


「いや~流石にお腹減ったね~」


「まぁ、食べようとしてから4時間くらい経ってるからな」


「………動いたから更にお腹空くよね~」


「だな~」


 あんなに激しい運動したらそれはお腹が減るだろう。

 カロリー消費量が凄そう。多分この短時間で3ロくらい痩せてそうだ。

 再度、ご飯の支度を終えて食卓に着く俺達。


「さてと、いただいきますか」


「うん」


「それでは手を合わせて~」


「「いただきます~」」


 と、4時間遅れて夜ご飯を食べ始めた。


「ささ、私のハンバーグ早く食べて見て!」


 キラキラとした目で奏はこちらを見てくる。


「じゃあ先に食べるわ」


「どうぞどうぞ~」


 ソースの掛かったハンバーグを箸で一口大に切り、口に運ぶ。


「うわっ、うまっ」


 食べた瞬間に広がるデミグラスと肉の香り。この味、親のを軽く超えるぞ。


「ほんとぉ~!やったぁ~!」


 感想を聞いた奏は、わっと歓声を上げて小さくガッツポーズをする。


「いや、これマジで美味いわ。なんか大人なハンバーグって感じがする」


「お、よく気付いたね零二くん」


「なにか隠し味でも入れてるのか?」


「そうそう~、実はこれを入れてみたの~」


 と、ニコニコで机に置くのは、


「おい、これって……………」


「なんか零二くんのお母さんから貰ったんだけどね?すごじゅう?っていう体によくて美味しいくなるやつなんだってぇ~」


「精力剤じゃね~か!」


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