第33話 体に悪いのはどっちだ?
「そしたら、零二くんちょっと待ってて」
「お、おう」
ハッとした顔をした奏はどこかに小走りで行ってしまう。トイレだろうか、それとも何か買い忘れとか?
いや、何もないよな。具材だって買ったし、付け合わせのポテトとか、ソースもデミグラスとオニオンソースまで買ったし。
その他日用品も買いそろえた。
その場で、奏を待つこと約1分。
「零二くんお待たせ~」
と、笑顔で空のカゴを2個持ってくる奏。
「これは何のカゴ?」
「んふふ~、これはね~お菓子とジュース専用のカゴで~す」
堪えきれない笑みをこぼしながら、奏は空のカゴを小さく振る。
「このカゴ満杯に買うつもりなのか?」
「当り前だよ~、だって、ちょっとしか買わないとすぐなくなっちゃうし、ストックは大切」
「にしても買おうとしすぎじゃないか?」
「大丈夫だよ~、お金はあるし、ちゃんとセーブしてるから~」
「これでセーブしてるのか…………」
好きなだけ買っていいぞとか言ったら、「ここからここまで!」とお菓子とジュースの陳列棚ごと買うなこれ。
そうなったら完全に破産だ。
それに比べたら、可愛いものだろう。
「ま、今日くらいはいいか」
持ち帰ることを考えると、ちょっと思いやられるが、お菓子とかは奏が持ってくれるだろうし、そこまで心配はいらなそうか。
「よ~し!零二くんの許可も貰ったからいっぱい買おう~」
と、カゴを持ち上げながら、お菓子コーナーへと足を運ぶ。
「まずは~、グミと飴は絶対いるでしょ~。あとポテチも欠かせない!あ、クッキーもチョコも!せんべいもおいしそ~」
値段を見ずに、どんどんカゴにお菓子を放り込んでいく。
「零二くんはなにか食べたいものないの~?」
「そうだな、ガムは欲しいかな。あとラムネとか」
「ラムネもガムもいいね~!そしたらチューインキャンディーも買わないと~」
せっせとカゴに入れていくと、ものの数十秒で一つ目のカゴが満杯になった。
「これでお菓子はおっけ~かな?零二くん何か他に欲しいものある?」
「いや、もう十分だ」
これ、一般人のペースで食べたら2か月は持つぞ。
まぁ奏の事だから2週間ですべて食べつくすだろうが。
「じゃ~次はジュースだね」
よいしょとお菓子で溢れているカゴを持ち上げると、隣にある飲料コーナーへと向かう。
「コーラにサイダー、ミルクティーにカフェオレ――――イチゴミルクとオレンジジュース!」
「あ、俺もエナジードリンク」
「あ~、零二くんそれ体に悪いんじゃないの~?」
「お前だけに言われたくないな」
たかが数本のエナジードリンクより、そのお菓子やジュースの山の方がよっぽど体に悪い。
砂糖のオンパレードだ。
こんなに糖分を摂取しても太らない奏は本当にすごい。それも胸だけが成長するというなんともエコかつ最高の体質をお持ちだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます