第12話 ごんどーむって言うんだ

「ちょっと調べてみるね~?」


 と、スマホを取り出しゴムをスマホに移しこむ奏。


「何してるんだ?お前」


「ん~?画像検索しようと思って~」


「画像検索!?」


 画像検索。それは現代社会において非常に便利な機能。

 調べたい物や画像を取ったり張り付けたりすると、それと同じもの、または似たものを検索してくれる優れものだ。


 でもそれでゴムを調べるか!?

 いや本来の使い方なんですけどね!?


 ゴムを布団の上に置き、カメラを向ける。

 カシャリと写真を撮ると、検索欄に予想通りの物が表示される。

 そして、


「これ、こんどーむ?って言うの?」


 はぇ~と歓声を上げながらゴムを見上げる奏。

 続けて奏は、


「なにこれ?『初めてでも分かるコンドームの使い方?行為のやり方収録!』これ読めばコンドーム?の使いかた分かるのかな?」


 使用方法についてのページ見つけてタップする。


「なぁ、これ以上は調べるのやめない?」


 冷や汗を流しなら止めようとする俺。

 言い出しっぺの俺だが、ゴムの正体が分かったら俺は幼馴染からただの変態にジョブチェンジしてしまう。


 ただ反応を見たかっただけなのに……………いや、それ以上のことも望んでいたが、ここまで来て何故か気が引けてくる。

 ただのチキンじゃないか俺。


 そんな事露知らず、まじまじとスマホで記事を読み進めていく奏。

 最初は内容が全く理解していなかった奏だったが、こいつでも分かるように丁寧に書いてあったか、徐々に顔が茹で上がっていく。


「ねぇ、零二くん」


「な、なんだ」


 全て読み終わると、スマホを置きこちらを見てくる。


「今さ、これの使い方とか色々見たんだけどさ………その…………零二くんは、私とエッチなことがしたい………の?」


 恥ずかしそうに体をもじもじとさせながら言う奏。


「あ、えっと………その」


 いや、めちゃくちゃしたい。今にでもベッドに倒し込みたい。

 だけど、このままだとただの性犯罪になってしまうので自粛する。

 言葉に詰まる俺に、


「私はね?…………零二くんのことが大好きだしさ、こうやってイチャイチャ?してるのもすごく楽しいの。でも、零二くんが……………えっちなこと、シたいなら………私全然やり方とか、どうやったら零二くんが喜ぶか分からないけど…………いい、よ?」


 ゴムをぎゅっと握りしめ、上目遣いをする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る