第6話 お尻に硬いモノが…………

「もう…………ゲームやりましょ」


 コントローラーを持ち、布団に座り込む俺。

 この怒りというか、ムラムラというか、複雑な感情をゲームにぶつけることにした。

 気分が紛れるし、奏をボコボコにしたらスッキリするだろう。


「そう来なくっちゃ!」


 そう言うと、唐突に奏は俺の膝の上に乗って来る。


「ちょ、何してんだよ!」


「え~、前はいついもこうやってゲームしてたから、久しぶりにしてみよーかなって」


「それいつの話だよ!」


「う~ん、小学校くらい?かな?」


「そんな昔の行動を今するな!」


「なんで?」


 キョトンと小首を傾げる。


「なんでって、俺達だって成長しただろ?色々と」


 この色々というのは精神面だけではない。もちろん肉体的にもだ。

 まぁ、奏の精神年齢。特に羞恥心と性知識に関しては今の小学生よりはるかに下だと思うけどな。推定3歳児くらい。


「成長したっていいじゃ~ん。昔とあんま変わらないよ?」


「変わるだろ……………それに恥ずかしくないのかよお前は」


「え?全然?逆になんで零二くんは恥ずかしいの?」


 お前のその可愛い顔と肉感溢れる胸とお尻のせいじゃないかよ。逆に胸がなくてチラ見えするとかも困るけどさ。

 大きい方が男子は目のやり場に困るんだよ。


「まーいいじゃん。今日くらい」


「いや、よくねーよ」


「ケチくさいんだから零二くんは~」


「これが普通の反応だ」


 ため息を吐き、体を少し後ろに倒す俺だったが、ここであることに気が付く。

 今、俺ガン勃ちしてるんだった。

 奏のお尻に挟まれているが、微かに見える最頂点。これはマズい。色々と。


 そんなモノがお尻に当たっているのを、奏は気づかないわけもなく、


「なんかお尻に硬いモノが……………」


 と、視線とテがコントローラーから俺の股へと移動する。

 そして、何食わぬ顔で俺のソレを触り出す奏。


「ちょ!お前……………触る………な」


 その手を抑えて抵抗する俺だったが、


「ん~、なんだろ~、この硬くておっきくて~、なんか変なの~」


 上下に動かし、手のひらで撫でたり手を止めない。


 ここで俺が平然としてなきゃ詰む。


「あ、いや。これは……………マッキーペン!ポケットに入れっぱなしになってたんだった~あはは」


 腹筋と顔に力を入れ、我慢しながら苦しい嘘を吐く。

 流石にバレたか、と思ったが、


「そっか~、そういうのはちゃんと片付けなきゃダメだよ零二くん」[


 クスクスと笑いながら、奏は俺の鼻を人差し指でつついた。


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