第5話 ヤる流れ?

「やっぱ零二くんのお家のお布団はフカフカだね」


「あんま変わらないだろ」


 一ヶ月ほど前、とある事情で奏の家に泊まったのだが、家の布団と柔らかさは大差なかった。


「しかもいい匂いするし~、やっぱお泊りって最高だね~」


「特に変わったこともしないだろ」


 いつも雑談して、11時ごろには奏が先に爆睡している。

 こいつが寝た後、俺は一人で夜中までゲームをしてる。

 なにせあまり寝付けないからな。香ってくる甘い匂いが脳を刺激していつも目が覚めてしまう。


「零二くん」


「ん?」


 返事をすると、途端に、俺の横に座ってくる。


「零二くんはシたいの?…………変わったこと」


 グンと顔を近づけてくる奏に、俺は少し顔を背ける。


「………ま、まぁ?」


 これはまさかの展開なのでは?もしかしたらそうゆう展開なのでは!?


「でもさ、こんな事したら怒られちゃうかもよ?」


「だ、大丈夫だろ。もう高校生にもなるんだし普通じゃないのか?」


「そ、そう。なら良かった」


「でも、私初めてだから先に疲れちゃうかもよ?」


「俺も初めてだし」


「じゃぁ……………シよっか」


 この言い方、この仕草………………完全にスる流れだ。

 何度も夢にまで見た光景。

 幼馴染との夜展開。


 絶対にありえないと思った光景が目に広がっている。

 奏のやつ、これまで知らないフリをしてたのか。まぁ今更そんなのどうでもいい。


 全部今からの行為で水に流そう。

 俺の作戦は決行できなかった。だけど、展開的には大成功。

 最高すぎるぞ幼馴染。


「よろしくお願いします」


 赤面した顔で奏を見る。

 すると、同じく顔を赤く染めていた奏は後ろに手を伸ばし、ブラを外すと思ったが、


「夜更かししてゲーム!」


 刹那、俺の目の前に出されるコントローラー。その横には奏の笑顔。


「はぇ?」


 俺はアホな声が出る。


「やっぱ初めてで緊張するよね~、こんなのバレたら怒られちゃうよ~」


 四つん這いでテレビ台の下にあるゲーム機にカセットを入れながら言う奏。


「……………はぁ」


 期待した俺がバカだった。

 あの言い方、完全にヤる流れだったのに。


 流石に期待してしまった。その証拠に俺の息子もギンギンだ。

 お尻を振りながら、ゲームをセットする奏、マジでいっそのことパジャマずらして犯してやろうかな。


 こんな期待させられて、どう下半身を収めればいいんだ。

 トイレで一人でしてても、どうせ奏に「零二くん大丈夫!?」とか言われて邪魔されそうだし。

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