2次元に恋してるはずなのに?!
赤猫
立体物に恋することはないのに
「乙女ゲー最高〜」
とゲーム片手に呟く。
私?私は
電車に乗って、携帯ゲーム機に電源入れて、乙女ゲームをやる。うん至福の時間。
高校入学前の春休みに何となく好きな声優さんがいるからという理由でやり始めたのがきっかけ。
「おはよう漣さん」
げぇ来おったよ至福の時間が···こいつは、葉山優 《はやま ゆう》優しいし気遣いもできる人気者。
「おはよう葉山くん」
私の向かいの席に葉山くんは座った。嘘だろ、ゲームが出来ないじゃないか。
「あのさずっと気になってたんだけど、漣さんってどんなゲームするの?」
毎日ゲーム電車でしてる所に君来るもんね〜そりゃ気になるか。
でも言えない乙女ゲームしてますなんて、いつも学校で読書してて真面目な雰囲気出してるし……何とかして誤魔化さないと。そんな事を考えてる時に、ガタンと大きく揺れ葉山くんの手にゲーム機が奇跡的な着地をしたのだ。
「こ、これは違うの!その……えっと」
焦ってる私に葉山くんは
「漣さんこれ、俺の姉貴もやってるんだ。」
(え?引かないの?この人普通ならもう少し引くと思うけど?)
「え?何も思はないの?」
「漣さんがこういうやつやるんだって少し驚いたけど、皆の知らない漣さんを知れて嬉しかったって気持ちが強いけど」
(この人なんで簡単にそんなこと言えるの。何なの?優男なの?)
2人だけの秘密ができたと嬉しそうに言う葉山くん
恥ずかしくてどんどん私の顔は赤くなる。
「あっ駅着いたよ。漣さん」
やっと解放されたと安心してたら葉山くんは私の手を掴んで歩き出した。
「あの……葉山くん?」
「あっ!ごめんね嫌だったかな……」
しゅんとする葉山くんを見ると
(犬なのねぇ!犬なの君は?)
「全然い、嫌ではないけど……その恥ずかしくて」
(なんで!そういうこと言うかな私?!)
自分の言ったことが恥ずかしくて脳内でのたうち回っている。
こんなこと言うのはヒロインとかかわいい女の子だろうに。
「よっしゃ!いつか手を繋ぐ以上のことも出来たらいいなって思ってるから覚悟しといてね漣さん?」
私は絶対に3次元の男なんて好きになるはずないのに……私の生活どうなっちゃうの?!
2次元に恋してるはずなのに?! 赤猫 @akaneko3779
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます