第7話 夏は風流なのです?
時期は夏。
まさしくレジャーを含めたイベント盛り沢山の時期。
熱気は暑さも伴ってまさしく日々上昇の真っ只中。
世間的にも一番諸々に熱い時期と云えるだろう。
ユウキ・セカイの専属メイドであるイカイ・マオウは
そんな暑い夏の日々でも変わらず、メイドとしての
充実な毎日を送っていた。
マオウ「セカイさーん、お昼ご飯出来ましたよ~」
食卓に出来立てホカホカの料理を並べながら
主人であるセカイに声を掛ける。
しばらくして自室で作業していたセカイが
リビングへとその姿を現す。
セカイ「マオウさん、お待たせ~」
マオウ「あ、セカイさん。ご飯出来ました~」
セカイ「今日のお昼は――――炒飯とそうめんだね」
マオウ「ハイ。そうめんだけでは物足りないと思いましたので
今回のは大葉と梅干しを混ぜたサッパリとした感じの夏バテ解消
炒飯です!!」
それは楽しみ~とイスに座るセカイと続く様に席に着くマオウ。
2人は手を揃えて同時に声を出す。
2人「「いただきます」」
2人はそれぞれ炒飯とそうめんに口に入れる。
マオウはそうめんをちゅるちゅるとめんつゆに漬けたそうめんを
滑らせながら口に入れていき、セカイもレンゲに炒飯を載せて
口にへと運んでいく。
刻んだ梅干しと大葉の酸味と苦味が口の中でフレーバーとなって
暑さに疲れた身体に刺激を与えていく。
セカイ「美味しい~♪マオウさん、また腕を上げたみたいだね
毎日美味しくて楽しみになってるんだよね~」
マオウ「お褒めの言葉、ありがとうございます。既存の料理だけでなく
創意工夫しながらその料理から更なるアレンジとか楽しみになってますね」
セカイの嬉しい言葉を聞きながらマオウも笑みを浮かべる。
部屋の中は冷房が効いており、ひんやりとした空気が
快適な空間を形成しており、更にそこを扇風機を首振りさせながら風を送り、
冷たい風を全体的に拡散させていた。
セカイ「―――外はだいぶ暑そうだね」
セカイは視線を窓越しの外へと向ける。
外はサンサンとした陽の光が明るく、雲も少ない快晴とも云える天候。
冷房の効いている部屋でもわかるぐらい、外はジリジリとした暑さを
感じさせる正しく灼熱空間だ。
セカイ「――――キツそう」
マオウ「ですねぇ、ニュースでも熱中症アラートが発令するぐらいの暑さに
なるそうで冷房の効いた部屋でも水分・塩分補給は忘れない様にと
言われてますね」
そうめんをすすりながらウーンと唸るセカイ。
あからさまにげんなりしているのがわかるぐらいのリアクションであった。
マオウ「セカイさんは夏はお嫌いですか?」
セカイ「嫌い、とは言わないけども暑さは嫌だなぁ~」
マオウ「なるほどです。夏は色々と風情や風流があると聞きますよね。
浴衣や風鈴やお祭りなど色々ありますよね。確か水着も」
セカイ「水着はここ最近はゲームの中ぐらいの要素になりつつあるけどね」
セカイの話を聞いてマオウは少し、転生前の自分の世界のことを思い返していた。
かつての世界は今の世界とは色々と違いはあり、それらの情報を収集することの
折に色々と刺激を与えられたと思った。
魔王という立場もあり、侍女らは居たとしても水着の様な娯楽としての
露出の少ない衣装で出歩くなどは当時は考えられなかった。
それ故か、少しというかかなりの水着などにも興味を抱いているのは確かだ。
マオウ「セカイさん、水着着ましょう!!」
セカイ「え、なに!?唐突に!?」
マオウ「そうだツカイさんにも連絡を入れて、プールでもいいですよね!
そうしましょう!!」
セカイ「ちょ、ちょっとまって!!話が急すぎて・・・!!あと、今水着は」
マオウ「そうと決まれば善は急げ、有言実行です!セカイさん、お昼食べたら
いきましょう!買い物に!!」
もはや止まりそうにない金髪メイドの眼鏡の奥で燦々と輝いた眼に
若干の諦めを抱くことになったセカイ。
そしてほんの少し、こう思った。
セカイ(―――ダイエットして可能な限り、絞ろう・・・無理かもだけども)
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