第5話 ご新規さんは異世界転生者!?(中篇)

???『ラリホ~(呪文じゃないよ)♪Vワールドの天才美少女魔法使い“ツカイ・

マホ”デース!!!今回プレイするゲームは本日発売されたゲームの初回プレイをしていきまーす!』


仕事がひと段落したユウキ・セカイはとある動画配信者の配信動画のアーカイブを

視聴していた。

彼女が見ている配信者はここ最近デビューしたばかりのヴァーチャル配信者である

ツカイ・マホ。

美少女系ヴァーチャル配信者というジャンルとしてはポピュラーではあるがどこか

不思議な魅力を醸し出しており、

デビューしてから1週間経たずに登録者数が1万人を超えるという今注目株の1人である。

個人勢ではあるがそれ故のフットワークの軽さなどもあってか数多くの配信者とも

共演やコラボをするなど精力的に活動している。

セカイも当初は気分転換を兼ねて単なる視聴程度の感覚であったが今では彼女の

リスナーとして暇な時はライブ配信に張り付ているぐらいには彼女のファンとなっている。


マオウ「セカイさん、今日もマホさんを見ているんですね」

セカイ「うん、面白いんだよね~どこか魅力?があるんだよね」


そう言いながらディスプレイの配信サイトの画面へと視線を戻すセカイ。

画面でプレイしている配信者さんがプレイしているのはアクション系のゲームで身体は軽快なトークとリアクションを挟みながら奮闘しているプレイスタイルに配信コメントなども盛り上がっていてるほどの盛況だ。

そんな中、セカイは画面に映る配信者の“とある部分”を特に注目していた。


セカイ「―――――大きいな・・・・・・」


ボソっと呟いたセカイの言葉に反応すしたマオウはディスプレイのツカイ・マホへと視線を向ける。

画面で実況している実況者さんがプレイに伴う動きを見せていた。

特にセカイが凝視していた部分が“たゆん、たゆん”と揺れて動いている。

それに気づいたマオウはセカイの後ろで納得する様に言いながらフォローをしようと言葉を口にした。


マオウ「セカイさんは普通にあると思うんですけども」

セカイ「マオウさんは“持っている”からこそそう思うんですよ―――!!」


地雷でしたか・・・、と思ったマオウ。

今にも血の涙を流しそうな形相のセカイに言葉を詰まらせていたがそこへ救世主かの様にインターホンが鳴る。

天の助けとばかりにマオウは対応に出る。


マオウ「ハーイ!どなた様でしょうかー?」

????『―――あの、今度こちらに越してきた者なんですが・・・』


インターフォンの画像の方に視線を向けるマオウ。

そこに写っているいるのはメガネを掛けた女性だった。

見た目はどこか地味目な20代ぐらいと云った感じのおとなしめの人物が扉前に立っている。


セカイ「誰?」

マオウ「どうやら新しく引っ越してきた方らしいです」

セカイ「待たせるのもアレだから応対しようか」

マオウ「そうですね。――――少々お待ちください。すぐ向かいますので」


マオウの言葉に短くハイ、と応えた女性に逢いに玄関先へと向かうマオウとその後を付いていくセカイ。

チェーンやカギを外し、扉を開けると先ほどの女性が立っていた。

インターフォンの画面ではよく見れてなかった女性の容姿だがメガネを掛けている以外にも前髪がメガネに掛かるかどうかの長さに全体の黒髪もセミロングとも云える長さであり、身体付きも全体的にいわゆるムッチリといった感じで背丈も女性として長身とも云えた。

また、胸もマオウに匹敵するほどでシャツでよりそれを強調している。

気のせいかどうか不明だがセカイの恨めしい視線がマオウ共々妙に刺さっている様な感覚を2人は抱く。


????(困惑している)

マオウ「――――あの、お名前を聞きそびれていたのですが・・・」

????「あ、すみません」


そう言うと同時に女性は深くお辞儀をしながら挨拶をする。


????「改めてご挨拶を。私は本日このマンションに引っ越してきましたマギ・

ツカイです」

マオウ「私はイカイ・マオウ、セカイ様御付きのメイドでございます。こちらはご主人様のユウキ・セカイ様です」

セカイ「(我に返り)ハッ!?ど、どうもユウキ・セカイです。ご挨拶が遅れて申し訳ありません!!」


マオウからの紹介で我に返り、即座に謝罪と挨拶するセカイ。

マギの方もお気になさらずと物腰柔らかく接する。


マギ「やはり、お噂通りだったんですね」

セカイ「噂?」

マギ「ハイ。このマンションに金髪巨乳!!のナイスバディーなメイドさん(本格的なメイドスタイル)がいると聞いてたんですよね」

セカイ「―――そんな噂が・・・知らなかった(汗)」

マオウ「そういえばご近所との会話でそんな話を聞いた憶えがあるようなないような」


自分は全然知らなかったと軽くショックを受けるセカイ。

そんな彼女を見て、どうにか立ち直らそうとした時、訪問した理由を思い出したマギは手に持っていた物を思い出す。


マギ「そうでした。引っ越しきたこともあってこれを渡すのが通例ということで持ってきたんですよ」

マオウ「お蕎麦、ですか?」

セカイ「引っ越し蕎麦だね。マオウさんは知らないんですか?」

マオウ「はい。知識としては記憶にあるんですが実際は初めてですね」

マギ「ご挨拶も兼ねてなんで手持ち無沙汰もどうかと思ったんです」


そう云うとと同時にセカイのお腹が鳴るのであった。


セカイ「そう云えばお昼の時間も近いね」

マオウ「それじゃ今日は天ぷらも少し添えたお蕎麦にしましょうか」

セカイ「そうだね。マギ、さんもどうです?」

マギ「え!?そんな、お逢いしたばかりなのに」

セカイ「親睦も深めて、ということで」

マギ「じゃあ、お言葉に甘えます」


深々とお辞儀するマギに上がって、と促すセカイ。

マオウは蕎麦の準備の為にキッチンへと一足先に移動していく。

そんな中、マオウをジッと真摯に見つめるマギであった。


マギ(どういう因果かな―――――まさか“この世界”で再び出会うことになるなんてね―――)

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