第3話 技術は世界問わず変わらないんですね!

転生して魔王からメイドへと華麗?な転身を遂げたイカイ・マオウがユウキ・セカイの

専属メイドとなってからそれなりの日数が経った。

セカイの性格や生活の仕方なども一緒に暮らす様になってから把握も大体できたと思う。

無論、プライベートなことに関してはまだまだ知らないこともあるが

セカイの好きな食べ物、嫌いな食べ物、睡眠時間や作業時間などは知ることができたのでそれに伴う彼女へのサポート及びアシストもこなせるようになったのも大きい。

またこの数日間で料理のレパートリーもそれなりに増えた。

今日は何の料理を作ろうかと思案するのもまた楽しい。


マオウ(転生前は料理とかは給仕の人たちに任せっきりだったから一度もしたことがないんですよね)


転生前にしたことと言えば、とマオウはそれを思い出そうとする。

やったことと言えば――――


マオウ(魔物の創造や罠及び配下の武装や道具の開発や作成・・・・・―――――?)


ふと転生後の自分の仕事と転生前の自分の仕事を比べてみる。

やっていることこそ違うものの実際にはそんなに変わってないのでは?

そう思ってしまった。


マオウ(つまり、料理も基本は技術的な部分では一緒だと?)


一瞬、マオウの脳裏に電流が奔った。

今にして思えば料理も製作も形は違うだけで実際の“技術は同じ”なのだと気づいたのだ。


マオウ「―――そうか。そうだったのか・・・・・・・!!!」


ハッとしてつい周りを見渡すマオウ。

独り言が漏れ出してしまったがこの時はチッキンで独りだったのがノーカンです!(by後のマオウ)

等々1人でワチャワチャしていながらもテキパキと仕事を行い、部屋の清掃を終わらせてひと息付くのであった。


マオウ「午前のお仕事はこれで完了ですね。あとはセカイさんへの軽めの昼食を作ってその後、明日の献立決めと買い物をして」


セカイと一緒に休憩を取る為にのコーヒーとおやつの用意をしながら、買い物メモを取るマオウ。

本人はまだ気づいていないが実はこういう何かを考えて行動しているのは転生前からして無意識に楽しんでいることなのである。

技術という概念及び大系は世界を跨る形になっても根本的な部分は変わらないのだ。

それを知って魔王だった時よりもメイドとして技術を更に行使できる今の世界の活き方に新たな楽しみを見出しつつあった。

そしてその様子をマオウに気づかれない様に見ていた人影が“そこ”にいる。


セカイ(――――――――――)


セカイの視点から見るとマオウ自身は特にこれといった変な行動をしていないのだが喜んでいる彼女から何か何故かどこかしら邪な感じのオーラの様なモノが溢れ出ている様に感じていた。

目の錯覚かもしれないと思ったがどこか本当にそう“視えている”のかもしれない。

すると視線に気づいたのかマオウがこちらに向けて視線と顔を向けてきた。


マオウ「あらセカイさん。いつの間にそこへ?」

セカイ「えっと、ついさっきかな?――――ごめん、すぐに声掛けなくて・・・・・」

マオウ「いえ気付けないなんてそれこそメイドとして不覚の致す所でございます!場合によってはセップクも辞さない覚悟!」

セカイ「それは流石に・・・というか時代劇とかの影響それ?」


マオウのボケに若干苦笑気味で答えるセカイにマオウもつられて笑みを漏らす。

そうこうしている内に2人はいつものペースとなり、いつもの様に日常を過ごしていく。

そんな中、マオウは心の中でこうも思う様にもなっていた。


マオウ(素敵な時間をありがとうございますセカイ様―――!!)


転生前には味わえなかったまた違った唯意義なひと時、そんな平穏な日常はマオウに新たな刺激をも運びもたらしていくのだろう。

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