第六章 人魔戦争

番外編 キャラ紹介

■アルフレッド(アルフ)

性別∶男

年齢∶15歳

身長∶173センチ


 この作品の主人公。

 元々は規格外なほどに高いステータスを持ち、世界最強とも呼ばれる存在だった。

 しかし“状態異常無効化”のスキルを得たことで、彼の強さそのものとも言えるステータスが消えてしまい、弱体化してしまった上、実の兄の手で奴隷にされてしまった。


 だがステータスが消えたことで、隠された効果である魔法の制限も解除された。

 それにより古代魔法というものを得た。

 最初は不完全ではあったが、今では完全なものとなった。

 その効果は以下の通り。


①自分や他人の怪我を治癒できる炎が使える(身体の欠損以外なら大体なんとかなる)

②古代魔法により作り出した領域内限定で、自由にワープ可能。他人や物をワープさせることもできる。

③一定以下の強さの敵対存在が領域内に入ると、灰になって即死する。人間で言うと、全てのステータスが5000に満たない人は問答無用で死ぬ。

④炎を物質化させることができる。

⑤その他、炎や熱を利用した魔法が使用可能。

⑥全体的な身体強化、脳の活性化など。


 ちなみに第五章の最後では、ミルの古代魔法によって、上記の能力が大幅に強化されていた。

 具体例を挙げると、②のワープ能力を、強化されたアルフは、領域を形成せずに行使していました。


 性格は、ステータスがあった頃はとても大人しく、感情をほとんど表に出さなかった。

 だがステータスを失ってからは、古代魔法の影響もあり、少々感情的な面が見られるようになった。

 特にミルが関わる事件が起こると、ひどく心配したりだとか、怒ったりだとか、感情の起伏が激しくなる傾向がある。


 青髪で、爽やかな雰囲気の顔立ちをしている。

 体格も、騎士ではあったものの、ガッチリとした感じではなく、引き締まったシュッとした体つきとなっている。




■ミル

性別∶女

年齢∶14歳

身長∶146センチ


 アルフが檻の中で出会った少女。

 物心がついた頃から奴隷で、酷い世界を見続けてきた。

 そのせいで半ば絶望していたが、アルフと出会ったことをきっかけに、少しずつ変わっていった。

 当時は肌が紫に変色しており、とても醜い状態だった。


 当然ながら戦闘経験も無いわけだが、第五章の最後では古代魔法を発現した。

 ちなみにこの古代魔法は、この作品の中で最も扱いにくい能力です。

 今後出てくる予定のものを合わせても、使いにくさで一位は揺らぐことはないでしょう。

 そんな能力がこちら。


①アルフを強化する(他の存在に対しては一切の効果を及ぼさない)


 なんとこの古代魔法、アルフ以外には効きません。

 さらに言うと、自分のことを守るための防御能力や、外敵を排除するための攻撃能力すらありません。

 つまり本当に、アルフを強化することしかできないわけです。

 その代わりに、強化率についてはとんでもなく高いのですが……完全発動には77秒必要と、これまた扱いにくい。

 第五章では、能力を発動しようとしましたが、不完全な形になっていました。


 これは古代魔法が不完全だったというわけではなく、ミルの身体が弱かったことが原因です。

 ミルは戦闘も未経験ですし、かといって家事や買物以外で身体を大きく動かすこともなく、魔法もほとんど使ったことがありません。

 そんな彼女が、急に古代魔法という異次元の強さの魔法を使ってしまった。

 それ故にミルには耐えられず、能力発動中に、古代魔法が強制解除されてしまったのです。


 性格は非常に大人しく、人見知りが激しい。

 態度にはあまり出てこないが、見ず知らずの人にはかなり警戒する傾向がある。

 だがアルフと出会って、色々助けられたということもあって、かなり心を開いている。

 それどころか最近は、どこかアルフに依存している節があり、彼の言うことなら何でも聞くし、長い間離れ離れになると、不安で眠れなくなったりもする。


 そんな彼女の容姿だが、とてつもない美少女で、男声ならほぼ全員が見惚れてしまうことだろう。

 加えて奴隷という立場もあり、多くの人が彼女を我が物にしようと狙っている。

 ショートの銀髪に、儚げで可愛らしい顔立ちは、庇護欲をそそることだろう。

 身体も、奴隷だった時期が長いこともあり、折れてしまいそうなほどに華奢で、透き通るような白肌をしている。

 服については、アルフに買ってもらったメイド風のドレスを好んで着ている。




■リリー

性別∶無し(女)

年齢∶不明(8歳)

身長∶不明(133センチ)


 ログレスの教会跡で出会った少女……の皮を被った異形の化物。

 本人はリリーという少女を演じており、普段は人間の姿になっている。

 しかし緊急時になると、肉体の一部を変形させ、隠された正体を見せることもある。


 彼女は生い立ちが少々特殊で、元々は、教会の研究組織である“ネクロア”によって生み出された異形の化物である。

 リリーという少女の死体を元にして作られたため、その少女の生前の記憶を持っており、特に父親であるダニエルに対する気持ちは、生前よりも強くなっている。

 それによる影響なのか、彼女は古代魔法を発現し、体内に埋め込まれていたアインコアを破壊し、アインの支配から抜け出した。

 その古代魔法の効果は以下の通り。


①捕食・吸収能力。生物であれば何でも飲み込み、吸収することができる。

②模倣能力。肉体を変形させることにより、これまでに吸収してきた生物の姿になり、その能力を得ることができる。


 そして古代魔法の力を利用して、リリーの姿になった。

 実は、アルフと出会った時点で、古代魔法を使用できてきたのである。

 ちなみに、音速の捕食については、別に特殊な能力でやっているわけではなく、超高速で肉体を変形させ、捕食しているだけです。

 つまり言ってしまえば、①と②の能力を極限まで高速化した結果がアレです。


 加えてもう一つ説明するなら、彼女の古代魔法によって作り出される領域は少々特殊で、形成された場合、領域の壁や床、天井を攻撃すると、リリー本体にもダメージが入ります。

 まぁリリーの領域が形成された時点で基本的には死が確定するので、この程度のデメリットはデメリットに入らないかもしれません。


 性格は、生前のリリーをほぼ再現しているため、明るく元気。

 だが元が異形の化物であるためか、知能などがかなり高いため、見た目以上に賢く、緊急時ほと冷静になり、色々と考えてくれる。

 とはいえ、人間社会の生活はまだ長くないため、常識が欠如している部分がある。


 普段は8歳の女の子の姿をしている。

 髪は長めの赤茶色。

 戦闘になると、状況に応じて肉体を変形させる。




■クロード

性別∶男

年齢∶19歳

身長∶188センチ


 奴隷になったアルフを助けてくれた、表向きは冒険者に見える男性。

 だが本職は薬師で、教会から隠れながらコソコソやっている。


 一度死を経験したため、生き返った今はステータスが消えてしまっている。

 が、ステータスがなくなったため、どんな魔法でも扱えるようになった。

 現在は身体強化を施しながら、レイピアを利用して戦っている。

 自分で作り出した毒を鞘の中に入れることで、最低限の攻撃で敵の毒殺を狙う戦闘スタイルだ。


 細身の長身で、黒髪に細めと、中々に胡散臭い見た目をしているが、性格はかなりのお人好し。

 奴隷であるアルフやミルに対しても、そこまで嫌悪感を持たずに平等に接していた。

 薬師という希少な職に就いているにも関わらず、貧乏人からはあまりお金を取らずに薬を作っている。

 その代わりに、時折やって来るお金持ちの人からはたくさんもらっていたりもする。




■セシリア

性別∶女

年齢∶19歳

身長∶165センチ


 教会に所属する修道女。

 見た目もよく、茶髪の長く綺麗な髪をしており、全体的に女性の中では大きい方。

 元々はそこそこ良い家の出身で、教養もあるのだが、ちょっと感情的な面が災いして、教会に送られた。


 クロードと同じく、彼女も死を経験したため、ステータスが消えている。

 そのため様々な魔法を扱えるようにはなったが、慣れている光属性の魔法以外はあまり使わない。

 それ以前に、そもそも彼女が戦闘することは基本的にはなく、怪我人の治療に使う光属性の回復魔法があれば充分だったりするのだ。


 性格はとてもまっすぐで、心優しい。

 そして何より、自分の信念を曲げない意思の強さを持っている。

 教会に入り、人々を助けることが増えたことで、その心はさらに強くなり、困っている人を助けるためなら、教会の規則を破ることもある。




■シャルル

性別∶男

年齢∶20歳

身長∶182センチ


 冒険者の中でも片手で数えるほどしかいない、特級の位を持つ男性。

 とある理由から、周りからは“死神”と呼ばれて恐れられている。

 ログレスに滞在していた時に、偶然ある情報を耳にしたため、王都にやって来た。


 ステータスも高く、単純な戦闘力も高い他、搦め手なども非常に豊富。

 彼のスキルは“音響”で、風属性の魔法を数多く扱えるようになる。

 その中でも彼は、音に関連する魔法の練度を鍛え上げ、恐ろしいほどの索敵能力と攻撃能力を得た。

 具体的には、彼が王都にいるなら、何らかの魔法で妨害されない限りは、王都全域の音を聞き取ることが可能で、加えて王都全域に魔法を利用した攻撃が可能。

 一対一の戦いにおいては、無類の強さを発揮する。


 元々の性格は比較的陽気な方なのだが、人混みにいるとストレスが溜まるらしく、そういう時は張り付いたような笑顔になる。

 というのも、彼はスキルの影響でかなり耳が良く、人混みのざわめきが鮮明に聞こえすぎて、それが嫌になっているのだ。

 時折偉い人の依頼を受け、密かにその人の不正を暴いて破滅させたりもしているが、それはストレス解消でやっている。

 逆に好きなのは自然音で、人気のない場所に家を建てたいと、密かに思っていたりする。


 絶世の、とまではいかないにしろ、顔立ちはかなり良く、クールな印象を受ける。

 女性のような長い銀髪に加え、まるで貴族のような黒を基調としたゴシックな服装をしている。

 そこに普段は武器である白い大鎌を背負っている。




■カーリー

性別∶女

年齢∶32歳

身長∶189センチ


 元冒険者で、現在は騎士をしている女性。

 冒険者時代は、シャルルと同じく特級の位を持っており、その戦闘力は、アルフが騎士になるまでは世界最強と評されていた。


 ステータスは、特に筋力と敏捷が飛び抜けて高い。

 だがスキルは実質使い物にならないので、そのステータス一つだけで戦っているといえる。

 武器としては、まるで棍棒のような大剣を使用する。

 彼女の暴力的なステータスから放たれる大剣の一撃は、凄まじい威力となり、衝撃波が放たれる。

 そしてそれに当たると、ほとんどの敵は血肉が弾け、血煙と化す。


 あまり自分から喋らない、寡黙な性格をしている。

 加えて元特級冒険者という立場もあり、騎士団内では、嫌われてはいないが、近付きがたい存在であった。

 ただ、なんだかんだで面倒見はいいので、関わりを持つ一部の人からは慕われている。


 かなり大柄で筋肉質な赤髪の女性。

 右目付近には古傷があり、大きく斬れたような痕が残っている。

 その戦闘スタイルの都合上、返り血がとてつもないことになることが多いため、黒いコートのような服を好んで着用するようになった。




■ダニエル

性別∶男

年齢∶37歳

身長∶173センチ


 元々は、教会の下にある“ネクロア”という研究組織の研究所長だった。

 家族を失ったことをきっかけで教会の研究組織に入り、アインの力を用いた死者蘇生の研究を行ってきた。

 一番は家族を、特に娘(リリー)を蘇らせるために頑張っていたが、大切な人を失い絶望した人達の救いになりたいと、そう思っていたりもした。


 研究により得た知識もあり、人体にはかなり詳しい。

 具体的な外科手術などは流石にできないが、道具があれば、ちょっとした検査程度ならできる。


 リリーと出会う前は、研究に力を注ぎながらも、内心蘇生は不可能だと諦めかけていた節があった。

 態度こそ丁寧なものではあるが、その端々に疲れや諦念のようなものが見られていた。

 リリーと再会してからは、心労が完全に消え、穏やかな父親に戻った。




■クリスハート

性別∶男

年齢∶19歳

身長∶179センチ


 アルフの兄であり、魔王討伐隊のリーダー。

 その強さは本物なのだが、弟であるアルフが異次元の強さをしているため、過小評価されている。

 溜まりに溜まった嫉妬心で、弟であるアルフを奴隷にした。


 スキルは“勇者”で、一時的に古代魔法を引き出す特殊な魔法が使える。

 本気を出した時は、ステータス的に圧倒的格上なカーリーすら余裕で倒せるほど。

 ただし本気を出そうが、アルフには勝てない。


 優秀過ぎる弟と比べられて生きてきたせいか、コンプレックスを抱えている。

 基本的には真面目で寡黙なのだが、アルフに関することを言われると内心ブチ切れる。

 兄として、弟のアルフを超えたいと、常日頃から願っている。




■ジェナ

性別∶女

年齢∶????歳

身長∶160センチ


 魔人族、その中でも魔王直属の部下である四天王の一人。

 魔人族の中では最も強く、それどころか今のアルフでさえ、彼女に勝てるかどうかは怪しい。

 様々な秘密があるらしく、年齢は不明で、本性すら分からない。

 分かるのは、長い年月を生きていて、様々な経験をしてきたことくらいだ。


 以前に、アルフとは別の“状態異常無効化”のスキルを持つ人にその効果を付与してもらったらしく、ステータスは持たない。

 だが彼女の“次元魔法”のスキルがあまりにも強過ぎるため、ステータスを持っていた頃のアルフでさえ、傷一つ付けられなかった。


 真っ黒なショートヘアーで、常に黒いローブを羽織っている。

 その目は暗く淀んでおり、遠くの何かを見ているような印象を受ける。

 そして最大の特徴はその耳で、横に尖ったそれは、大昔に滅んだ種族であるエルフの特徴に類似している。




■ノア

性別∶男

年齢∶18歳

身長∶178センチ


 騎士で、フルネームはノア・ブレスト。

 騎士団時代のアルフとは友人関係で、彼が奴隷になった今でも、態度を変えること無く接してくれている。

 顔が良く、騎士でありながら、しばしば良い家の令嬢から求婚されることもある、らしい。

 スキルのこともあり、直接戦闘よりかは、斥候のような隠密行動が得意。




■ティナ

性別∶女

年齢∶16歳

身長∶153センチ


 騎士で、フルネームはティナ・アストリア。

 元々は一般家庭の生まれだったが、そのステータスの優秀さから、跡継ぎに苦労しているとある騎士の家の養子に入った。

 騎士団時代のアルフとは仲が良く、よく遊びに行くようになったからか、ミルもある程度は心を開いている。




■デニス

性別∶男

年齢∶41歳

身長∶176センチ


 商家の長で、フルネームはデニス・アルベルト。

 アルフ達には、病気の妻を助けてもらったこともあるので、とにかく感謝している。

 そのためなのか、彼らにはとても親切に接し、色々と良くしていたりする。




■カトリエル

性別∶女

年齢∶35歳

身長∶159センチ


 デニスの妹で、記者をしている。

 潜入調査が得意で、危険な場所に忍び込んで情報収集を行うことが多い。

 最近ではスキルの兼ね合いもあり、シャルルと手を組んで色々やっている。




■アイゼン

性別∶男

年齢∶28歳

身長∶178センチ


 教会の枢機卿の一人で、フルネームはアイゼン・フォートレス。

 枢機卿らしく、様々な情報を握っており、多くの権限を持っている。

 特に教会の研究組織である“レプリカ”とは密接に関わっており、何かを行おうとしている様子。




■ヴィヴィアン

性別∶女

年齢∶74歳

身長∶145センチ


 魔人族の王、すなわち魔王と呼ばれている人物。

 人間がイメージする魔王とは異なり、かなり子どもっぽい容姿をしている。

 スキルは“聖女”といい、攻撃能力は低いが、仲間のサポート能力や治癒力は飛び抜けている。


 アインの封印術式は魔王一族の命と紐付けされており、魔王の血を引く者の中でも最も強い者に……つまりは魔王に代々継承される。

 その封印術式が紐付けされた人物を殺せば、アインは復活する。




■ヴィンセント

性別∶男

年齢∶74歳

身長∶146センチ


 魔王であるヴィヴィアンの弟で、副王という地位についている。

 ちなみに、彼視点だとヴィヴィアンは、双子の姉である。

 外に出る時は必ず、ジェナが護衛につく。

 だが弱いわけではなく、むしろ彼の持つ“破壊”のスキルは非常に強力。

 物質だけでなく、概念的なモノですらも破壊するそれを利用すれば、外敵は彼に近づいた瞬間に死ぬといったことにもなる。

 直接的な戦闘能力は、スキル的にもステータス的にも、彼は魔王であるヴィヴィアンより圧倒的に強い。




■ガディウス

性別∶男

年齢∶92歳

身長∶185センチ


 熱苦しい性格の、魔王直属の四天王の一人。

 青い肌に軽く尖った耳という、多くの人間が想像するようなステレオタイプの姿をしている。

 戦闘時は、炎を用いた強力な魔法で制圧してくる。




■グローザ

性別∶女

年齢∶86歳

身長∶173センチ


 落ち着いた性格の、魔王直属の四天王の一人。

 薄い翼と細い尻尾を持ち、見えにくいが彼女の犬歯は、人と比べて鋭い。

 戦闘時は風属性の魔法を用いて、高速移動しながら敵を撹乱する。




■アブラム

性別∶男

年齢∶98歳

身長∶175センチ


 まるで執事のような、魔王直属の四天王の一人。

 浅黒い肌をしている以外は、人間にかなり近い。

 基本的には魔王であるヴィヴィアンの護衛に徹しており、戦闘にはあまり出てこない。

 出てきた時は、土魔法で周囲の地形を変えて敵の妨害を行ってくる。

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