52 避難

 アルフは、デニスの家へと向かう。

 といっても、そのスピードは凄まじく、西区の高い建物の屋上にいたとはいえ、十秒程度で到着した。

 一応、門を守る兵以外には、周囲に人はいない。


「すみません! アルフですが……」

「アルフ……ああ、話は聞いている!」


 その兵に声をかけると、状況をちゃんと伝えられていたのか、奴隷であるアルフとミルを門の内側へ入れた。

 そして家の扉を軽くノックすると、しばらくは何も反応が無かったが、一分ほどしてやっと開いた。


「……やっぱり君達か! さ、急いで入って!」


 出てきたのは、家の主であるデニス本人だった。

 おそらくは、二人がやって来たことをなんとなく察し、本来なら使用人に任せるところを、自らやって来たのだろう。


 家の中へ入り、人目を気にする必要が無くなったところで、デニスは歩きながら話し出す。


「今回は災難でしたね。襲われたり、しませんでしたか?」


 少々心配した様子の、低く弱い声で尋ねてくる。


「ちょうど襲われた所を逃げてた感じです。騎士時代の友人が教えてくれなかったら、もしかしたら危なかったかも……」

「それは……」


 その言葉を聞いて、デニスは足を止める。

 そしてアルフとミルの方を向くと、彼は深々と頭を下げてきた。


「本当に、妹が申し訳無いことをした。すまない……。妹……カトリエルがあの記事を出さなければ、こんなことにはならなかったはず……」

「ちょっ、そんなに謝らなくても!」


 ここまで深刻そうに謝罪をされて、逆に申し訳なく思ったのか、アルフは慌ててデニスを元の体勢へ戻した。

 自分達は傷ついていないのに、ここまで謝られる筋合いは無い、アルフはそう思っていた。


「いえ、妻を助けてくれた恩人に……」

「いや大丈夫ですから! というかそもそも……」


 アルフは持論を展開する。


「カトリエルさんが記事を出さなくても、遅かれ早かれ同じようなことになってたと思います。俺が奴隷になったって情報は、昨日の間に多くの騎士に知れ渡っていたらしいので」


 ノアとティナから聞いた話によると、カーリーは犯人に目掛けて大声で畳み掛けるように叫んでいた。

 それにより、アルフが奴隷になったという事実は、多くの人々、特に騎士の間に広まることとなった。

 こうなってしまえば、どこかで情報が広まり、同じようなことが起きていたと、アルフは考えていた。


「……というかそもそも、号外記事って今日の朝に出たものですよね?」

「え、ええ」

「実を言うと、家に襲ってきたのは騎士だったんです」

「騎士……ですか?」


 それを聞くと、デニスは軽く驚きを露わにし、わずかに目を大きくする。


「はい。国の騎士団なのか、貴族の私兵なのか、そこまでは分からないですけど……こんなに早くに来たということは、明らかに記事が出る前に情報が漏れている」


 記事が出たのは朝。

 となれば、国や貴族が動き出すにしても、早くて昼頃になる。

 それよりもかなり早い動き出しとなると、記事が出る前から、情報を掴んでいたと言わざるを得ない。


「だからまぁ、デニスさんの責任は何もないですよ。遅かれ早かれ、同じことは起きていたはずですから。むしろこうして匿ってくれて、本当に助かりました」

「……そう、ですか」


 少し複雑な表情で、デニスはそう言った。


 そこから少し屋敷を歩き、アルフ達はある部屋の前まで案内された。


「ここがアルフさんの部屋です。ミルさんの部屋は隣に用意してあります」

「……いいんですか? こんなにしてもらって」

「仕事柄、時折遠方なら人が訪れることもありまして……使っていない部屋のいつくかは、客室として使っているんですよ」


 あくまで客室だから、好きに使ってもらって構わないと、デニスは続けて言った。


「何から何までありがとうございます」

「いえいえ。では私はここで」


 そうして一通りの案内を終えると、デニスは去っていった。




◆◇◆◇




 それとほぼ同時刻。

 王都の中央区、人通りの多い商店街を手を繋いで歩くダニエルとリリー。

 いつものほとんど変わらない様子ではあるが、普段と比べると武装した人達がかなり多い印象がある。

 加えて、二人のことを密かに監視するような、そんな嫌な視線を、リリーは感じ取っていた。


「……誰かに、見られてる?」

「うん、そんな気が……」


 人通りの多い場所なので、パッと見は一般人の親子のようにしか見えない彼らを、表立って襲う者はいない。

 が、その代わりと言うかのように、監視の目がある。


 最初は走って振り切ろうとも考えたが、ダニエルが止めたことで、そうすることはなかった。

 今はとりあえず、何もしない方がいいとのことだ。

 何かしてしまえば、アルフとの関係性を確定させられるかもしれないから。


 そんな中、ダニエルとリリーの前から人が急にいなくなった。

 というよりかは、前を歩いていた人達がはけて、横にそれたとでも言うべきか。

 その理由が、二人の目の前にいる人物だった。


「やぁ、探したよ」

「シャルルさん……ですか。あの時は本当に助かりました」


 ダニエルは、リリーをわずかに後ろに下げて、急に現れたシャルルの応対をする。


「うーん……僕の評判を考えたら妥当な反応だけどさ、ちょっと悲しいなぁ。一応君達に危害を加える気は無いからね? ほら――」


 警戒されていることを少しだけ残念がるシャルルだったが、ふと笑みを消し、鋭い目で言う。


「そこいらに隠れてる雑魚とは違ってさ」


 その声はやけに大きく、まるで誰かに聞かせるために言ったかのようだった。


「やっぱり僕とリリーは……」

「うん、なんか狙われてるね。でも二人が襲われそうになったら、こっちで何とかするよ」

「……出来るのか?」

「もちろん。僕のスキルは”音響“ってのなんだけど、これを鍛えに鍛えたおかげで……王都内ならほぼ全域の音を聴けるんだよねぇ」


 これも、妙に声が大きい。

 ダニエルに自分のスキルを説明しているだけだが、まるでこの場にいない誰かに向けても話しているようだった。


「だからもし僕がその場にいなかったとしても、君達に何かあったらすぐに気付ける。襲う素振りを見せた奴らは……首が飛んじゃうかもねぇ」

「それはまた……というかその言い方からして、攻撃ももしかして……」

「もちろん、攻撃も王都全域に届くよ。東区の端にいても、西区の端を狙って攻撃することくらいなら容易いものだよ」


 つまり、シャルルの索敵範囲は王都全域ということになる。

 加えて攻撃範囲も王都全域なので、もし下手なことをする人が出てきたら、死角から斬撃が飛んできて、何が起きたのか理解する前に、首を斬られて死ぬ。


 それを理解した者達は、音もなく退散していった。

 このことに唯一気付くことのできるシャルルは、満足な結果だったのか、笑顔で何度か頷いていた。


「うんうん。とりあえず、僕についてきてくれるかい? 一応安全な場所を知っててさ」

「……一応聞いとくけど、その場所は?」

「カトリエルっていう、今朝の号外を書いた記者の家だよ」




◆◇◆◇




 そうしてシャルルに案内されたのは、中央区の大通りから少し離れた住宅地。

 西区のような豪華で広い家というのは少ないが、一般層の家族が暮らすには充分な、綺麗な家が建ち並んでいる。

 シャルルはその中の、何の変哲もない家の玄関扉をノックすると、少しして扉が開く。


「おっ、シャルル……とリリーちゃんと、そっちの方は……」


 出てきたのはカトリエル。

 彼女はまだ面識の無いダニエルの方を向くが、それに反応して彼はすぐに自己紹介をする。


「はじめまして、リリーの父のダニエルです」

「父親……へぇ〜見つかったんだ。リリーちゃん、よかったね!」

「はい!」


 そんなやり取りをしつつ、家の中へ入る。

 とはいえ、そこまで大したものではない。

 一人暮らし用の家のため、部屋はそこまで大きくはなく、四人だとリビングも少々手狭だ。


 そこで話されたのは、今回の騒動に関する様々な話だ。

 カトリエルが号外記事を書いたことや、シャルルが王都のいたる場所から探ってきた情報まで、様々なことが話された。

 もちろんシャルルとカトリエルは、迷惑をかけたことを二人に謝罪したりもした。


 その中には、証拠不充分で記事には載せることのなかった、あるいは載っていない情報も含まれていた。

 例えば、カーリーがアルフを奴隷にした犯人を追い詰めたことや、その犯人が、アルフの兄であるクリスハートである可能性が高いことも。

 他だと、単純に時間的に書くことのできなかった、王族や貴族の動向についてなども、色々と説明してくれた。


「……なるほど。つまりアルフさんを奴隷にしたのは、その兄のクリスハートってことですか」

「物的証拠は無いんだけどね。だから記事にはしなかったけど……正直私は、ほぼ黒だと思ってる」

「まさかお兄さんに、奴隷にされただなんて……」


 特に純粋なリリーは、このことを聞いてひどく動揺し、ショックを受けていた。

 肉親に裏切られるだなんて、考えすらしないことが、身近な人に起きていたのだから。


「……ああそうだ。分かってると思うけど、アルフやミルには言わないでよ?」


 そんな彼らに向けて、一応シャルルはそう念押しする。


「分かってる。リリーも、気をつけるようにね」

「うん、わかった」


 そうして四人の間で、様々な情報が共有されていった。

 ダニエルやリリーの方からも、実はダニエルが今は無き”ネクロア“のリーダーだったことや、現在の状況を説明した。


「……なるほどなるほど。つまり枢機卿の一人と協力して、研究組織の一つである”キマイラ“を潰そうとしてるってことね?」

「簡潔に言うならそうです」

「しかも話からして、枢機卿のバックには、別の研究組織がいるんだよね? 確か”レプリカ“だっけ?」

「そうですね」

「……信用できないなぁ」

「僕も同じです」


 カトリエルとダニエルは、互いの認識の摺り合わせをしながら、情報をまとめていく。

 現在教会は、突然姿を消した”キマイラ“という組織のリーダーを捜索中。

 機密情報を持ち逃げされたり、その技術で何か大きな事件を起こされては困るという名目はある。

 だが職業上色々知っているダニエルとカトリエルには、何一つとして協会を信用できなかった。


「……えっと、シャルルさんはどう思いますか?」


 そんな中、ずっと二人の話を黙って聞いていたリリーが、シャルルに尋ねる。

 すると二人も話し合いを止め、シャルルの方を向く。


「……教会は普通に、言葉通りに動いてると思うよ」

「えっ、本当に言ってる?」


 カトリエルは驚き、聞き返す。


「多分”キマイラ“とやらを潰すことが、教会にとって……というより、確かアイゼン枢機卿だっけ? そいつの利益になるんじゃないかな? あるいは、残しておくこと自体が不利益になるから潰すとか……」

「……結局何も分かってないじゃない!」

「そこは仕方無い。その枢機卿、なんか僕の魔法の範囲外にいるっぽくてね……多分、普段は魔法を無力化する結界か何かの中にいるのかもね」


 アイゼンの情報は、恐るべき情報網を持つシャルルでさえも掴めていない。

 彼の情報収集能力は、あくまで魔法頼りなので、魔法が使えない、あるいは封じられる状況になると、とたんにダメになってしまうのだ。

 実際、シャルルはアイゼンについての情報をほとんど探れずにいる。


 結局、教会の目的などは分からずじまいだった。

 他に何を話そうかと考えていたら、アイゼンはふと、あることを思い出した。


「……そういえば。シャルルさん、一つ頼み事をしてもいいですか?」


 彼はシャルルに、あることを頼む。


「何だい?」

「シャルルさんは、クロードって人を知ってます?」

「ああ、アルフの友人でしょ? その人がどうかした?」

「いえ。彼ももしかしたら狙われているんじゃないかと思いまして……ほら、アルフの友人ですし」

「ああ、なるほど……」


 シャルルは話を理解し、立ち上がる。


「じゃあ、ちょっとクロードのことを探してきますね」


 そう言って、彼は家を出ていった。




◆◇◆◇




 そして昼過ぎ、カーリーを探すようにと言われたノアとティナは、東区の奥の方にある小さな家へとやってきた。


 コンコンコン。


 ノアが玄関扉をたたいてみるが、反応は無い。

 なのでドアノブをひねってみると、しっかりと動き、ちゃんと扉を開けることができた。


「……入りますよ?」

「お邪魔します……」


 そう言いながら、部屋の中に入る。

 家は街の中でも奥の方にあり、日当たりもあまり良くないからか、少し薄暗い。

 短い廊下を歩き、リビングに行くと、そこは非常に簡素な造りになっていた。

 物はほとんどなく、ベッドと小さなテーブル程度しかない。

 併設されているキッチンにも、最低限の料理道具と食器があるくらいで、他には何もないっぽいのが分かる。


 そしてカーリーは、ベッドに仰向けになって転がっていた。

 彼女はゆっくりと、家に入ってきたノアとティナの方に顔を向ける。


「……まぁ、来ると思ったよ」


 ここはいわば、カーリーの隠れ家のような場所だ。

 苛立った時とか、大切な仕事の前にはここで過ごし、心を落ち着けるのだ。

 ちょうど今の彼女も、心を落ち着けている最中なのだろう。


「言っとくけど、しばらく私は戻らない。いくらお前らに言われてもな」

「……それは、国が信用できないからですか?」

「ああ、そうだ」


 カーリーはティナの質問にそう答えると、ゆっくりと身体を起こし、テーブル上に置いてある新聞の号外記事を握る。


「コイツの記事のせいで、アルフ達が国に狙われてるらしいな?」

「えっ、ああ」

「情報屋から聞いた話だと、あいつが連れてるミルって子を、貴族や国王が狙ってるんだって? そのせいで、あいつらは安心して眠ることすらできないだろうな」


 パシンと、記事をテーブルに叩きつけるように置く。


「そんな奴等の所に戻る気はない。だから帰れ」


 カーリーは意外にも気まぐれで、感情的な側面がある。

 普段は冷静なのだが、他人からすれば大したことのないことで、心が揺らぐことがある。

 騎士になってからは、その度に騎士団から消えてここへやって来て、心を落ち着けていた。

 そして落ち着いた頃に見計らったかのように、ノアやティナ、あるいは当時まだ騎士だったアルフが迎えに来て、戻ることを決めていた。


 だが今回は違う。

 今のカーリーは、完全にクールダウンしており、感情的とは程遠い状態だ。

 その上で、彼女は騎士団に戻らないことを決めた。

 なぜなら、騎士団を操る国が、国王が、信用できないから。

 だから、やって来たノアとティナに帰るように言うが、


「帰りません」

「私もです」


 彼らは、真剣な面持ちでそう言い切った。

 カーリーは、そんな二人をじっと見る。


「……別に俺達は、カーリーさんを連れ戻す気で来たわけじゃありません。なぁティナ?」

「うん。私達も……カーリーさんと同じで、国のことが信用できない。だから、戻らない」


 その二人は、カーリーと同じことを考えていた。

 奴隷になったかつての友人を、私利私欲のために狙う国王と、それが操る国と騎士団、そこに所属したくないと思っているのだ。


「……本当にいいのか? お前達は私とは違って、家があるだろう?」


 だがノアとティナの実家は、代々騎士として国に仕えてきた家だ。

 当然ながら、影響力もそれなりにあり、無視することはできない。

 変なことをしてしまえば、勘当されて家を追い出されてしまう可能性がある。

 カーリーは、それを危惧していた。


「知りませんよそんなこと」


 だが、ノアは即座にそう返す。

 歴史の長い家の生まれではあるが、それでも、彼は友人の方を選んだ。


「私も。というか私、元々アストリア家の生まれじゃないし」

「えっ」

「養子として入ったんだよね、実は。だからあんまり気にしてないのよね」


 そしてティナの家も、長く国に仕えてきた家ではあるのだが……実は彼女は、直系の子ではない。

 書類上は、ティナ・アストリアという名前ではあるが、元々は一般階級出身だ。

 高いステータスを見込まれた彼女は、優秀なステータスを持つ跡継ぎを産めずにいたアストリア家に、養子として引き取られたという過去がある。

 そのためなのか、彼女は家のことをそこまで重要とは思っていないのだ。


「……本当にいいんだな?」


 二人の覚悟を聞き、カーリーはもう一度問う。


「ああ!」

「私達には、やるべきことがある……!」

「そうか……なら、しばらくここにいるといい」


 そう言うと、カーリーは立ち上がり、キッチンに立つ。


「さて、軽い食事にでもするか。しばらく待ってろ」


 そう、彼女は二人を受け入れたのだ。




◆◇◆◇




 その後、早めの昼食をとりながら、三人は情報共有を行った。

 とはいえ、新たにカーリーに伝えた情報は”キマイラ“の襲撃が起こるかもしれない、ということだけだ。

 カーリー側からの情報は、既にノアもティナも知っている内容ばかりで、互いの情報の摺り合わせという意味はあったが、新たな情報は無かった。


「なるほどな。王都に敵が来る可能性があると」

「はい。それに備えるためには、カーリーさんの力が必要なんです。俺達はそのサポートをします」

「分かった。襲ってくる敵がキメラみたいなのだとすれば、私やアルフ以外が倒すのはほぼ不可能だろうしな。ティナなら倒せはするけど……」

「私の”爆破“のスキルじゃ、倒すのに時間がかかり過ぎますね」


 アイゼンから貰った情報を信じるのなら、襲ってくる敵はキメラという魔物となる。

 この魔物については、これまでに何度も王都に襲撃に来ていたので、騎士団内である程度の情報が集まっている。


 キメラには複数の種類があるが、その全てに共通しているのは、非常に高い再生能力を持つ点だ。

 具体的に言うなら、魔物の首を斬ろうが、四肢を切断しようが、数秒で元通りになるくらいの再生力を持つ。

 完全に殺すのなら、一瞬で血肉を吹き飛ばしたり、燃やし尽くしたりするしかない。

 故に、キメラを殺せる人物はかなり限られてくる。

 その中でも、複数体を一気に倒せる人物となると、おそらく現状ではアルフとリリー、カーリー、あとクリスハートの四人だけだろう。

 しかもクリスハートについては時間制限があるので、常に戦えるのは三人となる。


「……それで、アルフ達もこの情報は知っているのか?」

「確実に知ってます。というか俺達と一緒に枢機卿から話を聞いたから、知らないわけがない」

「じゃあ居場所は?」

「それは分かりません。騎士に追われてるので……でも東区にはいない気がします。私のカンですけど……」

「そうか。確かにあいつの家は東区だからな。普通は離れるか。案外、西区とかにいるかもな」


 とりあえずカーリー達の中では、アルフ達は東区にはいないと考え、話を進めていった。

 そして状況をまとめあげ、結論を出した。


「……私達は東区の防衛を行おう。西区とか北区、あと中央とかはアルフ達に任せる。ノアとティナは、私のサポートを頼む」

「分かりました」

「はい!」


 東区以外の場所は、きっとアルフ達が守ってくれる。

 だから自分達は、今いる東区を、何をしてでも守り抜こうと、決めたのであった。

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