幕間6 発覚

 アルフが、東区に出現したドラゴンとの戦闘を始める少し前……


 王城前、そこには木材や石材の瓦礫でできた、全長百メートル超えの巨大な化物がいた。

 四足歩行の巨大で屈強な馬のような姿をした何かが、その質量で周囲の騎士を圧倒していた。

 木材と石材といえど、何かでコーティングされているのか燃えることはなく、衝撃にも強い。


 しかも化物は身体の一部である瓦礫を利用して、攻撃も行ってくる。

 ただの瓦礫と侮るなかれ、その攻撃はまるで嵐のようで、恐ろしい速度で投げつけられたり、巻き上げられたりする。

 もはやこの化物を相手に、近接でまともに立ち向かえる人物など、騎士でも一人もいなかった。


 ただ一人、カーリーを除いて。


「オラァァァァァアアアッッ!!」


 彼女だけは、高いステータスで瓦礫を避けて敵に接近し、その石材や木材でできた身体の上を走り、脆そうな部分に攻撃を与えていく。

 そうして少しずつ少しずつ、化物の身体を壊していく。


「チッ、ラチが明かねぇ……ノア、ティナ! 救助は進んでるか!?」

「まだです! もうちょい足止め頼みます!」


 だがそれも焼け石に水。

 敵が柔らかい肉の塊ではなく、石材や木材、場所によっては金属製の瓦礫も含まれているため、カーリーですら速攻で破壊し、倒すのは難しい。

 なのでカーリーの役割は、周囲の負傷した騎士や一般人の救助を行うまでの時間稼ぎだ。


 それに破壊したとしても、修復してくるのが厄介な点だ。

 そのせいで壊しても壊しても無意味で、ただ敵の侵攻を止めるくらいにしかならない。

 言ってしまえば、カーリーでは、この化物を倒すことができないと、周囲からそう判断されているのだ。


「カーリーさんまずいです! 魔法部隊もそろそろ……」

「チッ……!」


 遠距離攻撃を行う魔法部隊から声が届く。

 どうやら向こう側も、魔力が切れてきて限界が近づいてきているみたいだ。


 チマチマ攻撃しているだけでは、徐々に押されていく。

 だがカーリーでは、この敵に大打撃を与えることはできない。

 彼女のスキルは“身体強化”といい、文字通り肉体を強化する魔法を使えるようになるのだが……ステータスのある彼女には、そういった類の魔法は効果が無いから。

 もし効果があったら、この結果も変わっていたかもしれないが……。


「クッ……こんな時、アルフレッドがいてくれれば……」


 誰かの声が、カーリーの耳に届く。


 そして痛感する、自分の非力さを。


 かつてのアルフレッドであれば、この程度の敵は一秒で消し飛ばしていたはずだ。

 いやもっと言うと、その兄であるクリスハートだったとしても、一分でケリをつけることができたことだろう。

 騎士団最強と、No.2の二人が不在の今、最強であるのは紛れもなく自分。

 しかし自分では、アルフレッドはおろか、クリスハートの代わりにすら成れない。


 それは、現騎士団最強であるカーリーにとって、何よりも悔しく、そして恥ずべきことだった。


「クソッ……」


 最強の冒険者と呼ばれ、その強さを見込まれて国にスカウトされ、それにも関わらず、子どもにすら勝てない。

 その子どもがいなくなってNo.1になっても、それ相応の活躍すらできない。

 そして周囲の人々は「アルフレッドがいれば……」と、出てくるはずのない彼の登場を待ち望む。


 その声が、たまらなく悔しいのだ。


「……」


 カーリーは、セレイドから帰る際のことを思い出す。




◆◇◆◇




 キメラの百体斬りを終え、カーリーは森の中を歩いていた。

 するとアルフは、あるものを渡してきた。


「そうだカーリー。これを……」


 彼は、自らの手から炎を発し、それをこねるようにしていく。

 そして数秒の間に、炎は橙色の刀身へと成り、やがては巨大で鋭利な大剣となった。

 アルフの使っているものとは異なり、バスターソードのような重々しい形状のものだ。


「……なんだ、これは」

「俺の古代魔法から作り出した武器です。多分一回きりしか使えないと思いますが……俺がいない間に何かあったら、使ってください」


 俺がいない間に。

 その言葉に、カーリーは胸が痛んだ。

 それではまるで、自分が弱いみたいじゃないかと。


 しかし、アルフは完全な善意で渡そうとしている。

 冒険者としてそれなりに長く生きてきて、人生経験も長いので、そこは分かっていた。

 それに、自分がかつてのアルフレッドほど強くないことも、理解していた。

 そして何よりカーリーは、そういうモノを受け取らない選択肢を取れない人だった。


「……どうせ使わないだろうが、貰っとく」


 そうして受け取ると、大剣を握ると……カーリーの中に、アルフの想いが流れ込んできた。

 だがカーリーは、そういった脳内に流れてくるモノをノイズとして切り捨て、武器を虚空へと消した。

 アルフの持つ武器と、同じ性質を持っていたのだ。


「その武器を使おうと思えば、一時的にではありますが、俺のと同じ力が引き出せる……はずです」




◆◇◆◇




「……私は、弱い」


 カーリーは、呟く。

 自分の現在地が、アルフレッドにすら届かないことを改めて自覚する。

 そしてそんな弱者に、選択権など無いことも。


「弱者が無駄なプライド持ってても、仕方無いよなぁ……」


 そう言うと、カーリーは大きく息を吐き、近くにいたノアに対して叫ぶ。


「ノア!」

「はいっ!? どうしたんですか!?」

「しばらくこいつ持ってろ」


 そう言うと、カーリーは自らの使っていた棍棒のような大剣をノアへ投げ渡した。


 そして代わりのように、カーリーの右手に炎が集まる。

 それはみるみる内に緋色の大剣へと姿を変える。


 プライドを捨てる、覚悟は決めた。

 自分の弱さを受け入れる準備は出来た。


「今はNo.1として、やるべきことをやる」


 瞬間、空は赤くなり、街も赤く変わる。

 崩れた町並みではなく、代わりに綺麗な夕焼けに染まったような町並みへ、変貌を遂げる。

 この変化を、この場にいる中では唯一目撃したことのあるノアは、驚愕する。


「なっ、おま、これ……」

「アイツの力を借りるのは癪だが……!」


 これは、アルフが戦闘する時に現れる景色と全く同じもの。

 緋色の大剣は、一時的に彼の古代魔法と同じ力を引き出してくれる。

 その刀身は炎を纏い、熱を帯びる。


「らァァァアアッ!!」


 そして、カーリーの一振りで、紅蓮の斬撃が横に大きく薙ぐ。

 本家アルフと比べると劣る一撃ではあるものの、化物の脚を破壊するには充分足る威力。

 たったの一薙ぎで、左前脚と後脚を焼き斬り、真っ二つにしてしまう。


 そのまま今度は縦に降り下ろす。

 剣を中心に発生した炎と熱は、巨大な斬撃へと変わり、化物の石と木、金属でできた身体へと迫る。

 が、それはジュゥゥゥ、といった音を立てて、化物の表面を焼き切る程度で止まってしまった。


 ここで、カーリーの持ってた緋色の大剣は、灰のようにサラサラと崩れてしまう。

 同時に、世界も幻想のように崩れていき、瓦礫だらけの現実へと戻ってくる。


「クッ……」


 トドメを、刺せなかった。

 もし仮にこれが本家アルフの一撃であれば、一撃で縦真っ二つに化物を斬り裂き、倒せていたかもしれない。


 完璧に決めきれなかったことが、カーリーの尾を引いてしまう。

 しかも今回は、アルフと同じ攻撃を使用したのに、それでも尚、勝ち切ることはできなかった。

 アルフなら倒せた、アルフなら決めきれてた……そんな悔しさが滲む。


「やれッ! 近接も手の空いてる奴は総攻撃だ!」


 でも、致命打は与えた。


 魔法部隊の指揮官の声が響く。

 脚を奪って、動きを止めたことで、それまで動くことのできなかった近接部隊が動き出す。

 それだけじゃない、魔法部隊も、動かない相手に対して高威力の魔法を放つことができるようになった。

 数多の全力の攻撃が、化物の身体を削り取っていく。


「カーリーさん! あなたも!」

「……ああ」


 ノアから、愛用の大剣が投げ渡される。

 それを受け取ると、カーリーは再び急接近し、動けなくなった化物の頭部に渾身の一撃を与える。


 ガラガラと、音を立てて頭部は崩れていき、ただの瓦礫へと変わる。

 そしてカーリーは、化物の内部を見た。


「あ? こりゃ糸か……?」


 ……そこには、瓦礫の身体の内側には、金色の太い糸のようなモノが張り巡らされていた。


 ギチッ。


 そんな音と同時に、内部に神経のように張り巡らされた糸は勢い良く伸び、動き出す。


「うわぁぁぁあ!?」

「まずい逃げろっ……ぎゃぁぁぁああっ!!」


 そして周囲の落ちた瓦礫を絡め取ると、無差別に振り回し、身体へと取り込んでいく。

 尖った瓦礫は鈍器や刃物へと変わり、周囲の騎士達へと襲いかかる。


 瓦礫の嵐から何とか逃げ切ったカーリーだったが、先程の隙に、化物は切断した左脚を縫合して修復してしまったみたいだ。


「なるほど、そういうことか……」


 しかし先程ので、化物が何をしてきているのか、どのような原理で動いているのかは理解できた。

 おそらく、今見えている瓦礫の化物は、ただの鎧に過ぎない。

 本体は鎧の内側の内側に、隠れている。


 まぁ、どうやってその内側に到達するかという問題ではあるのだが。

 カーリーもこれ以上の大打撃を与えるような攻撃はできないし、魔法部隊もこれで力尽きたと言ってもいい。

 このまま戦ってもジリ貧になるのは、騎士であれば誰にでも理解できることだった。


 そんな時だった、援軍がやってきたのは。


「……まさかあのカーリーさんが苦戦してるとは」


 弟の鮮やかな青髪とは対比的な、藍色の髪の勇者。

 魔王討伐隊のリーダーにして、騎士団No.2の実力者、クリスハート・レクトールが、悠々と戦場に現れた。


「クリス、ハート……!」

「まさかこんな場所で、本気を出すことになるとは……」


 クリスハートは、基本的に本気を出さない。

 なぜなら、彼が本気を出せば、それからしばらくは戦えなくなるから。

 彼をNo.2たらしめる魔法である“ブレイヴ”。

 これを使用することで、一時的に爆発的な力を得ることができるのだ。


 しかし、効果が切れればまともに身動きすらできなくなるし、数週間魔法が使えなくなってしまう。

 途中で能動的に効果を解除すれば、反動はある程度なら小さくできるが、しばらく魔法が使えなくなるのは変わらない。


 だから普段は本気を出さないのだが……カーリーですら苦戦を強いられている相手だ、クリスハートも危機感を持ったらしい。


「潰す……!」


 “ブレイヴ”を発動したその瞬間、周囲一帯は熱波に襲われ、世界が塗り替わる。

 まるでカーリーがあの大剣を使用した時のように、しかしそれとは全く別の世界が、一瞬で広がる。


 そこは、広大な大洞窟。

 深い深い大洞窟の中、その地面を、壁を、天井を、真っ赤に濁った溶岩が流れている、おどろおそろしい空間だ。

 そしてクリスハート自身も、禍々しくも豪華な装飾が施された青黒い鎧を身につけ、大剣を担いでいた。


「死ね、化物が」


 その言葉と同時に、クリスハートは地面に大剣を勢い良く突き刺す。

 そのコンマ数秒後、化物の真下から爆発的に熱線が噴き出す。

 それはあっという間に化物を飲み込み、そして……熱線が消えた頃には、完全に化物は消え去っていた。


「……ふぅ」


 この間、たったの十五秒。

 戦闘を終えたクリスハートは、“ブレイヴ”を解除し、それにより無理矢理発生させていた装備を消す。

 カーリーですら勝てなかった相手を、彼はたったの数十秒で、あっさりとその場から消したのだ。


「この感覚だと四日くらいか……数十秒だから反動も小さくて済んだな……」

「おいクリスハート……!」


 だが、そんな彼に低い唸り声を上げながら、カーリーは近づく。

 そして彼の胸ぐらを掴むと、乱暴に近くの壁に勢い良く投げつけた。


「ぐはっ……!?」


 ベキベキッという音とともに、クリスハートは壁にめり込む。


「なっ……!」

「ちょっ、カーリーさん!?」


 周囲の騎士達はざわつき出す。

 それもそのはず、端から見たらこれは、ただのカーリーの乱心にしか見えないのだから。

 だがカーリーのステータスを知っている騎士団の人達は、誰一人として止めようとはしなかった、止められる気がしないから。


 止められなかった彼女は、壁にめり込んだクリスハートの前まで来ると、ドスの聞いた声で聞く。


「おいテメェ……アルフレッドに何をした……!」

「えっ、はっ、はぁ?」

「アルフレッドに何をしたって聞いてんだよ! さっさと答えやがれッ!」

「ッ!?」


 カーリーが大剣を振るう。

 それにより、クリスハートのすぐ真横の壁が一瞬にして消し飛ばされた。


 クリスハートだけじゃない、カーリーの怒声を聞き、怒りの一撃を見た周囲の騎士達は、誰もが同時に震え上がる。


 戦闘時以外、彼女はあまり感情を表に出さない。

 ましてや怒りを表に出すことなど、戦闘時にすら基本的には無い。

 そんな人物が、まさしく鬼のような形相で、殺意すら滲むような声色で、クリスハートを責め立てている。


「答えろ……!」

「ヒッ……」

「さっさと答えろッッ!!」

「ピャァッ!?」


 首元を押さえつけられ、間近でその表情を見続けるクリスハートは、恐怖で支配されていた。

 それこそ、何を言えばいいか分からないくらいに、混乱していた。


「なっ……」

「あぁ?」

「なにも、して、ない……です……」


 それでも、アルフレッドに、弟に何をしたのか、それを隠し通そうという意思はあった。

 証拠は無い、消した、だからバレないはずだと、そう思って何とか紛らわそうとする。


「ぶへぇっ!」


 だが、そこへやって来たのは、カーリーの拳による直接的な暴力だった。


「ウソをつくなッッ!!」


 彼女の高いステータスと、それによる膂力から繰り出されるパンチは、頭に食らったのであれば、常人なら一撃で首がもげる一撃だ。

 クリスハートだから何とか耐えきっていたが、それにより発生する激痛は本物。

 彼の中に、さらなる恐怖を沸き立たせる。


 そして、余計なことを、言ってしまった。


「なっ……オレは何もしてねぇ! っ……するわけないに決まってんだろ!?」

「……あぁ?」


 その言葉に、カーリーは反応する。


 クリスハートを壁の中から取り出し、首根っこを掴んで、再び尋ねる。


「今、なんつった? 聞き間違いじゃなけりゃあ……確か『アルフを奴隷にするはずがない』って、言ってたよなぁ……?」


 周囲が沈黙する中、カーリーの声はよく響いた。


 一呼吸置いた後に、周囲はざわつき始める。

 そして、取り返しのつかないことを言ってしまったと、クリスハートの顔からは血の気が引いていく。


「なんでテメェがそのこと知ってんだぁ? このことを知ってるのはなぁ……アルフレッドと直接あった私とノアと! あとノアから話を聞いてるティナの三人しかいねぇんだよ! 魔王討伐から帰ったばっかのテメェが、何で知ってやがる!」


 そう叫びながら、カーリーはクリスハートを地面に叩きつける。


 事実上の犯行自供のせいで気を動転させていた彼は、地面に叩きつけられても、痛みすら感じることができなかった。

 それ以上に、言葉では表現できないような、底知れぬ恐怖が、脳と身体を支配していた。


「ハァ〜…………」


 カーリーは、気づかぬ間にその場に落としてしまっていた愛用の大剣を、ため息を吐きながら拾う。

 そして軽く何度か素振りをすると、感情の抜け落ちたような、あるいは心底侮蔑したかのような表情をクリスハートへ向けて、言った。


「死ね」


 渾身の一撃を、クリスハートの寸前の虚空へ向けて放つ。

 直接殴るのではなく、空気を殴り、その余波で発生する衝撃で肉を粉砕して殺す、それがカーリー最強の一撃。

 生身の人間が食らえば、間違いなく肉は吹き飛び、赤い血煙と化すような、あまりに残酷な攻撃。


 それを、彼は回避した。

 彼女ガ気づいた時にはもう、クリスハートはどこにもいない。


「いねぇ! いや……」


 しかしカーリーは、あの怯えきったクリスハートが回避できるわけがないと踏んでいた。

 となれば、誰かが攻撃を防いだか、あるいは……


「ワープか、逃さん!」


 即座にそれを判断したカーリーは、その場から風を残して消え去ってしまった。


「……」


 そこから数秒間の沈黙が続いたが、状況をようやく理解し始めたところで、騎士達は慌て始める。


「ま、まずい! と、とにかく今はカーリーさんを止めろ!」

「うっ、動ける奴はカーリーさんを捕まえろ!」


 多くの騎士は、人を殺そうとしているカーリーを止めるために、動き始める。


「わ、私達も……」

「まて、俺達は別だ。さっさと逃げるぞ」

「えっ?」


 しかし、先程カーリーが口にした二人は違う。

 アルフ……アルフレッドが奴隷になっていることを知っているノアとティナは、他の人とは別の動きをするらしい。


「アルフレッドの居場所を教えたくないからな」

「あー、そういう……」

「いいから行くぞ」


 彼らは、騎士団時代のアルフの数少ない友人だ。

 こんな時でも彼らはアルフのことを考え、彼に迷惑をかけないようにと、その場をひっそりと去るのであった。




◆◇◆◇




 そんな現場を、王城がある北区から遠く離れた西区のある建物の屋根の上から盗み聴いている二人がいた。


「きーいちゃった、きいちゃった♪ ふふっ……シャルル、聞いた?」

「そりゃ当たり前でしょ」


 そこにいたのは、カトリエルとシャルル。

 “ネクロア”襲撃の際に色々あった二人だが、性格的にも能力的にも相性が良かったからか、なんだかんだで一緒に行動するようになっていた。


 シャルルとしても、記者としての仕事が合っていたのか、カトリエルの仕事を積極的に手伝っていたりもした。

 それに彼のスキル的にも、記者として働くにはかなり都合が良いというか、ドンピシャだった。

 王都全域の音を聞き分け、重要な情報を逃さず確保することができる彼が、記者として向いていないはずがなかった。


「にしてもカーリー、いい感じにアルフの存在を明かしたねぇ」

「うんうん。これは良い記事になりそう! さっ、号外準備するよぉシャルル!」

「はいはい。記事のクオリティはあまり期待しないでよ? というかこれ、デニスさんからサリエリ借りて手伝わせたら?」

「おっそれいいねぇ!」


 そんな軽口をたたきながら、二人は屋根から降り、そのままカトリエルの実家であるアルベルト邸へと入っていくのであった。

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