27 死神と副王
地面から突き出る肉や骨の根を、アルフはミルを抱えながら回避していく。
地中とはいえ、勢い良く根が蠢いているからか、音が非常に分かりやすく、最初の数発以外は、一切当たることなく回避し続けている。
「なんだこいつ……? こんな大層な空間を作ったのに、何も無いのか?」
だが、アルフからしてみれば違和感しかなかった。
古代魔法を発動している以上、その影響で作り出された領域にいれば、何らかの悪影響を受けそうなもの。
だというのに、アルフもミルも、特に妙な影響は受けず、空間は何の影響も及ぼしていないように見えるのだ。
これでは相手はただ死角から攻撃してきたり、たまに死体から配下の化物を作り出したりするだけの、大したことない化物でしかない。
ミルを庇いながらなので、取り回しやすいレイピアで軽く受け流したり、隙を突いて軽く刺突するくらいしかできず、こちら側からも有効打は出せないが、今の所は何とかなっている。
相手の骨を砕いたり、肉を斬り裂いたりできればいいのだが、流石にミルを抱えながらだと、そういった攻撃は難しい。
『アルフレッド……アルフレッドォォォォオ!!』
化物の叫びが轟くと同時に、地響きが鳴る。
地面がヒビ割れ、周囲の建物が崩れ、そしてその下から、かつて人間だったであろう化物が現れる。
この目の前の化物は、周囲の生物を殺し、それを何らかの力で配下へと変える能力を持っている。
その配下と共にやって来る、化物本体の肉と骨の触手による多角的攻撃が最も厄介なのだ。
本体を倒したいところだが、手数が多い上、ミルを守りながら戦わなければならないので、アルフ一人ではまず倒せない。
「ぐ、ゲェェェェェエエエエエ!!」
「ギヒヒィィィィィィイイイイイ!!」
皮膚は爛れ、肉は溶け、身体の一部の骨は剥き出しになった、グールよりもおぞましい姿をした化物。
「クソっ、数が多い本体を叩けない……!」
触手は発生させた炎で焼き切り、配下の化物はレイピアで一発突いて無力化する。
レイピアの力は、攻撃を当てると、その対象に凄まじい苦痛を与えるというもの。
それこそ、一発攻撃を当てることさえできれば、敵を完全に無力化できるほどに悶え苦しむのだ。
今回の場合、化物となったエリヤに対しては効かないっぽいが、とはいえその配下の化物には効くので、まだ戦いようはあった。
が、相手の手数が多すぎて、本体に攻撃を当てて倒すことはできない。
そんな時。
ズガがガガガガ……!
遠くで、建物が崩れる音がする。
その方角は、アルフの家の方面。
「なっ……まさか! ミル!」
「ひゃっ!?」
アルフは化物との交戦を中止し、家の方へと向かう。
このままでは、家にいるクロードとセシリア、リリーが危ない。
「まずい! 別の部隊が家を狙ってきやがったか!」
◆◇◆◇
崩れ落ちたアルフの家。
完全にぺしゃんこになり、常人ならまず死んでいることだろう。
だがそこには人外が一人、いた。
「くっ、うぅ……」
不協和音のような声が響く。
だがクロードとセシリアは、即座にその声がリリーのものだと察した。
「おっ、おいリリー、大丈夫なのか!?」
「それよりこれは……“フレイム”!」
二人はリリーに守られることで、なんとか生存していた。
真っ暗闇なので、簡単な魔法で火を灯すと、そこは臙脂色の肉塊によって、ドーム状に覆われた空間だった。
その肉塊を作り出した者こそが、リリーだった。
彼女は全身を大きく変形させ、クロードとセシリアを包み込めるほどに薄く身体を伸ばした後に、ドーム状になって二人を包み込んだのだ。
そしてリリー本人も、人外としての肉体の頑強さによって、なんとか生き残っていた。
「これは……リリー、だよな?」
「うん。守るためには、こうするしかなかったから」
「戻るの……ですのよね?」
「二十秒くらいあれば。それよりも……」
「ああ。ひとまず外に出るか。リリー、何とかなるか?」
「うん。ちょっと待ってて」
しばらくすると、瓦礫がさらにベキベキと砕かれていく音がする。
そしてその音が止むと、二人を覆っていた肉塊は小さくなり、元のリリーへと戻った。
「抜け穴を作ったから、出よう」
リリーの指さした先には、小さな隙間ができている。
暗くて見にくくはあるが、這って進めば、なんとか全員出られそうな感じではある。
まずはクロードがゆっくりと進み、瓦礫の山から脱出する。
「おいおいおい、やべぇよこれは……」
そこには、二十体以上の魔物を引き連れた男がいた。
その魔物は、様々な魔物の部位を繋ぎ合わせてつくり出されたものであり、クロードも見たことがある。
時折王都を襲撃してくる、魔人族が作り出した魔物、その名も“キメラ”。
それを引き連れているのは、魔人族ではなく、柄の悪そうな人間だったのだ。
「……あん? まさか生きているとはなぁ」
クロードを見て、男は少し驚いた表情を見せる。
だがそれもすぐに消え、男は大きく息を吐く。
「確かお前は……クロードだったか。お前にはそこそこ恨みはあるが、まぁ仕事を優先させるか」
「恨み?」
「お前があの二人の奴隷を庇わなければ、俺達は捕まらなかったって話だ」
「うん? ああ……お前ら、アルフを襲ってた奴らか」
どうやらこの男は、冒険者になりたてのアルフを襲っていた実行犯の男らしい。
だが今は仕事中だからと言い、セシリアとリリーも出てきたためか、個人的な話を止めて本題に入る。
「ちょうど全員出てきたし、話すか。とりあえずお前ら、リリーとやらを引き渡せ。そうすれば命だけは助けてやる」
「は? いや、リリーを捕まえて何をするつもりなんだよ?」
「俺も詳しくは知らねぇが、なんか上の奴らが、リリーは危険だから殺さなければならないって言っててな」
男はそれだけしか言わない。
だがクロードとセシリアには、依頼人はなんとなく分かっていた。
十中八九、教会の上層部だ。
そもそもリリーが危険とか、化物とか、そんなことを知り得ることができる者などほとんどいない。
いるとすれば、リリーを作り出した教会のみ。
「俺としては、面倒事は避けたいからなぁ。渡してくれると助かるが――」
「断る」
「断固拒否いたしますわ」
それはそれとして、クロードとセシリアは、リリーの受け渡しを拒否した。
裏にどれだけ大きな組織がいようが、目の前の人を助ける、二人はそういう性格だ。
「断ると言うのであれば、このキメラを襲わせる。言っとくが、こいつを殺せたのは、今まででアルフレッドだけ。それ以外の奴らは、キメラを一時的に無力化することはできても、殺すことには成功していない。そんな化物に――」
「知るかよ」
キメラをダシにした男の脅迫を、クロードは突っぱねる。
「目の前に殺されそうな奴がいたら、守るってもんだろ。それにこいつはなぁ……俺達の恩人なんだ。尚更だろ」
「あっそ、じゃあ死ね!」
男の横で臨戦体勢を取っていたワイバーン型のキメラが、一瞬にしてクロードの目の前へ接近し、牙を剥く。
その速さはあまりのもので、クロードすら反応が遅れ、ギョっと目を見開く。
足を動かす間もなく死ぬ、その時だった。
ブォォン!
風を切る音、それと共に斬り裂かれていくキメラ達。
いや化物だけじゃない、それを操っているであろう男も、一瞬にして四等分に斬られていた。
「ぐっ……!? コの斬撃、まさか……!」
「ああ、そのまさかさ」
斬られた男の声に反応するように、爽やかな雰囲気の男性の声が響く。
その声に、クロードは聞き覚えがある。
かつてミルを攫った者の、そして最強の冒険者の一人に数えられる人物の声。
「本来なら、助けるつもりはなかったけど……」
そんな彼は、気付いたときには瓦礫の山に立っていた。
「彼女のためにも、僕も全力を尽くそうじゃないか」
「おっ、お前……!」
「とりあえず、三人は最低限、自衛できるようにだけしておいて。魔物はこっちで何とかするから」
最強の位である“特級”の冒険者、シャルルが、大鎌を構えて立っていた。
「ぐ、ふふ……流石は特級冒険者……でも、その程度じゃあ俺やこのキメラ達を殺すことはできない!」
「……これは驚いたな。バラバラにしたのに生きてるだなんて」
魔物も、それに指示を出す男の身体も、シャルルは全てバラバラにしたはず。
それなのに肉は脈動し、変形し、斬り落とされた肉体と結合し、元の状態へと戻っていく。
クロードやセシリアにとっては、ログレス郊外の教会跡で見た、肉塊の化物のような能力に感じたことだろう。
「いくら特級だろうが、俺達を殺すのは不可能だ。いずれお前は体力が尽きて、死――」
「いやぁ、体力なら有り余ってるんだよねぇ」
シャルルは大鎌を全方位に振り続ける。
その速度はあまりにも速く、大鎌の残像が複数見えるほど。
おぞましい速度の斬撃は空気を伝播し、恐ろしく鋭い鎌鼬となり、いとも簡単に敵を斬り裂いていく。
「結局の所、攻撃をさせなければいいわけだ。再生しかできないって状態にすれば、そっちは攻撃なんてする暇無いんじゃないかな?」
「ぐォっ、く、ソォガ……! もっド……もっトダ……!」
バラバラになった男は、それでもまだ生きている。
肉片となってなお、肉体を変形させ、天に腕のようなモノを伸ばそうとするが、シャルルが不審な動きを見逃すはずもなく、斬り落とされる。
「モッどまもノをヨコせぇぇぇぇエエエエエ!!」
血を吐きながら、肉が千切れるような醜い叫び声を男は発する。
その瞬間、空間が割れる。
空が、地がヒビ割れていき、真っ黒な何も無い空間が広がる。
そしてそこから、とめどなく現れるキメラ。
十、二十、三十、その数はあっという間に増えていき、やがて……百を超える。
そんなおびただしい数の魔物が、地と空を支配し、シャルル達を取り囲む。
「ぐ、ヒヒ……さすがにこの数は無理だろ……なぁ、特級!! さっさとどっかに行ったらどうだ!?」
再生しきった男の声に、流石にシャルルも何も言えなかった。
何よりも、守るというのが難しいのだ。
それに人間である以上、シャルルにも限界というものが存在する。
この数の不死身の魔物を相手にするとなると、流石に分が悪いと言わざるを得ないというものだ。
「まぁ、かなりキツいのは事実だろうけど……ここで逃げるわけにはいかない」
「は……?」
「これは彼女への贖罪だ。僕のような奴には、償うしか道は残されていない」
据わった目で言うシャルル。
別に諦めたというわけではない、これは彼なりの覚悟なのだろう。
「ならやれッ! 数で押し潰せ!」
男の号令で、キメラが同時に動き出す。
まるで雷のように動く狼型の魔物を避けつつ、落ちてくる雷撃や業火球をノールックで回避していくシャルル。
その間もクロード達には気を遣い、攻撃が来ないように、来ても対応できるように動いている。
だが、百を超える魔物が相手だと、それにも限界がある。
いくらシャルルのステータスが高く、強くても、回避できないほどの密度で攻撃を放てば、確実に当たる。
全てにおいて十万超えのステータスを持っていた頃のアルフレッドなら、攻撃を受けても無傷で耐えられるのだろうが、シャルルはそこまでのステータスを持たない。
それなりに強い攻撃に当たれば、傷が付く、怪我をする、血を流す、痛みを感じる、そして何より……精神的に擦り減っていく。
「ほらほらぁ、どんどん当たってくよぉ。頑張って躱さないと死ぬぞぉ?」
安全な場所から煽る男の声も含めて、シャルルの内に苛立ちと焦燥感が積もっていく。
相手を可能な限りを無力化していかなければならないというのに、斬っても斬っても魔物は出てくるばかり。
「くっ……」
だんだんと、シャルルは押され始めていく。
いくら一人が強くとも、敵の数があまりにも多すぎて、対処しきれていない。
攻撃も受け始め、もう限界といったところで、それはやって来た。
「かなり苦戦しているみたいだね?」
一人の男の子が、魔物の間を縫うようにして現れる。
「あん……魔人族……? しかも子ども……?」
現れたのは、十二、三歳程度にしか見えない金髪の少年だった。
だが彼の頭からは、人間にはあるはずのない、四本の短めの黒紫の角が生えていた。
これは紛れもなく、一部の魔人族に存在する特徴の一つである。
「とりあえず……僕はヴィンセント、魔人族の副王だ。訳あって、クロード達の助太刀に来た」
「副王……王!? 何でそんな奴がここに!?」
「僕ならこのキメラを殺せるからだよ。ほら、かかってくるといい。最も、お前達は僕に指一本触れられないだろうけど」
「あぁ……? なら、まずはお前から殺らせてもらおうじゃねぇか!」
男は、ヴィンセントに向けて魔物をけしかける。
まずは地上の狼型のキメラを五体ほどけしかけ、連撃を仕掛けさせる、つもりだった。
「は……?」
だがそれは敵わない。
なぜなら、ヴィンセントに近づいた魔物は、まるで分解されるかのように肉体を崩壊させたのだから。
これには思わず、キメラを操る男も驚き、固まってしまう。
「どういうことだ!? もっとだ! 物量で押せ!!」
「無理だよ」
ムキになって、男はさらに多くの魔物をけしかける。
空中からは、ワイバーン型のキメラによる弾幕の嵐、地上からはさらに多くの狼型キメラによる面制圧。
それらもヴィンセントの前では意味をなさず、弾幕はかき消され、彼に近づいた魔物は塵となって消えてしまう。
「なんで……なんでだ! キメラは……コアは壊れなかったはずだろ!! なんで、なんで壊れてやがる!!」
「……僕のスキルは“破壊”だ。物質だろうが概念だろうが、何でも破壊することができる。たとえアインの力が含まれたコアであろうが、物質である以上、破壊するのは容易だ」
ヴィンセントのスキルは“破壊”というものだ。
このスキルを利用して、彼は自分の周囲に能力を利用した領域を作り出したのだ。
そこに入ってきたモノは、たとえどれだけ丈夫な物だとしても、全てが一瞬にして粒子に分解され、結果的に破壊される。
遠距離からの攻撃も、ヴィンセントの付近に近づくと、炎は風にかき消されるかのように、氷は砕けるように、雷は消滅して無効化されてしまう。
「ついでだ」
ヴィンセントは上空、キメラが飛んでいる空に向けて腕を軽く振る。
すると破壊は空気中を伝播していき、まるで砂の城が崩れるかのように、肉体を崩壊させてしまった。
「これはまた……とんでもない強さだ……」
あっという間に、とんでもない強さを持つキメラを殺したヴィンセントを見て、シャルルは思わず呟く。
特級である彼からしても、ヴィンセントの強さはあまりに異常だった。
とはいえ、とりあえずの敵はいなくなり、残るはキメラ数体と、それらに指示を出していた男だけとなった。
それに対して、自分達には何も危害を加えようとしない点もあり、クロードもセシリアもシャルルも、ヴィンセントに手を出そうとはしなかった。
そのヴィンセントは、四人の方を一瞥してから、敵の男の方を向く。
「さて、お前も殺しとくべきなんだけろうけど、その前に質問だ。お前は――」
その瞬間、空気が一気に重苦しくなる。
いや、単に重苦しくなるだけではない、身体すらもが重くなる。
「うォ……ッ、げ、ボォッ!?」
そして、最初にキメラに指示を出していた男が、血を吐いて崩れ落ちる。
それだけでなく、肉体は痙攣し、骨と肉はあり得ない方向へ曲がり、皮膚は一気に黒くなり、まるでグールのような存在へと変わっていく。
「っ!」
「これは、毒……まずい!」
霞む視界、揺れる世界に気づいたシャルルは、即座に目を閉じ、息を止める。
ヴィンセントの方は、目から血を流し崩れるクロードとセシリアの元へ向かい、彼らの体内に入った毒素と思われる何かをピンポイントに破壊していく。
ステータスの高いシャルルとヴィンセントはまだマシだが、そうでないクロードとセシリアは、空気中を漂う毒のような何かに、あっという間に肉体を侵されてしまったのだ。
大地はヒビ割れ、空は曇り、建物は崩れ、毒沼のようなものが現れ……やがて、人の住めないような領域が形成される。
「おいみんな! だいじょう、ぶ……」
それから十秒ほど遅れてアルフとミルが到着する頃には、無事なのは彼らと、シャルルとヴィンセント、それとリリーだけとなっていた。
シャルルについても、膝を付き、目をギュッと閉じ、鼻と口を抑えて必死に何か悪いモノを取り込まないように頑張っている。
だがそんなものよりも、アルフの目に映ったのは、全身の穴という穴から血を流すクロードとセシリアの姿だった。
そんな二人に対して、おそらくは魔人族と思わしき人が、何かをしている。
それを見た彼は一瞬呆然としてしまうが、
『アルフレッドォォォォオ!!』
奇しくも後ろからの叫びにより、現実へと引き戻される。
「アルフ! お前があのアルフだな! 攻撃を躱しながら聞いてくれ!」
そして、後ろからヴィンセントの――アルフの知らない声がする。
「可能な限り早くその目の前の化物を殺せ! そいつの作り出してる毒のせいで、こいつら二人が死にかけている! だからとにかく早く!」
化物の作り出す領域には、恐ろしく強い毒素が充満している。
アルフとミルは“状態異常無効化”の効果によって、その毒の影響を完全無効化しているので気が付かず、それ故にこの最悪な状況を作り出してしまった。
『殺す……ゼッタイニ!!』
それに気づいてしまい、一瞬足を止めてしまったアルフだが、運が悪いことに、化物の方も大量の触手で彼とミルを取り囲み、一気に襲いかかる。
「まずっ……」
終わったと思ったその時、
「させるかッ!!」
触手は一瞬にして斬り裂かれて、地面に落ちて溶けていく。
「……アルフ、何をやっている。早くあの化物を殺さないと、クロードとセシリアが死ぬぞ……?」
「シャルル……というか身体の方は……」
それをしたのはシャルルだった。
だが隣に現れた彼は目を閉じ、可能な限り呼吸を抑えているかのように見える。
そのような状態でどうやって的確に攻撃を相手だけに当てたのか。
「僕のスキルは“音響”だ。目が閉じてても、風の流れで音を察知して戦える」
「……!」
それは、彼の持つスキルによるものだ。
シャルルの持つ“音響”と呼ばれるスキルは、風属性魔法の応用により、音を操る能力だ。
これにより、目が見えない状態であろうと、周囲の状況を確認したり、遠くの音を聞いて情報収集したりできるのだ。
「三分間なら援護できる。その間に死ぬ気でその化物……エリヤなんだってな? そいつを殺せ。ミルは僕が守っとく」
「ああ、悪い頼んだ」
アルフは軽くミルの背中を押してシャルルに渡すと、左手に禍々しいレイピアを、右手に黒剣を構え、化物へ向けて突撃する。
タイムリミットは、残り三分。
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