付録
連邦からの招待
マイナ・メッサーラ殿
次世代の育成は国家の要です。これまでのわが国は父祖の築き上げた業績のお陰でその繁栄を辛うじて維持してきましたが、それも限界に近づいていると言ってよいでしょう。連邦の1000年の歴史を子孫につなぐためにも、我々には新しい道が必要なのです。
そのためにも政府はこの度、中等学校の学制を全国で統一して在学に要する金銭負担も公費助成することで、就学率を底上げする方針を新たにしました。とは言え、今までのやり方を一新する全く新しい試みを広大な国土全てにいきなり適用することは現実的ではありません。
そこで新制度の評価と改善のためにひな形となる学校をいくつか設置して、全国から生徒を集めて教育しながらの検証を行う事を決めました。あなたが対象の女子教育に関しては、2千名が1校に集められて実施される予定です。
制度検証の目的に沿うよう、候補者は全国の適齢期の者から身分を問わず無作為に選ばれました。検証生への参加はあくまで候補者本人の意思によりますが、学費を含めた諸々の費用については一部の高額納税者以外全て国費で賄われます。
この政策への参加は国益への貢献はもとより、候補者本人にとってもまたとない機会だと思われます。是非振るって入学ください。
元老院と連邦市民諸君に
911年
文明のいきさつ K TANABE @tanabe82006
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