バタフライ効果と對馬・大方予想

N氏は大の金好きであった。


そのため、大きく稼げることならいくらでも金を払い、財産を増やしていった。


その中の一つとして、N氏は前々から大きく稼ぐために、技術者達に金を払いタイムマシンを作らせていた。


タイムマシンを使って、金を稼ぐ方法はいくらでもあるが、N氏はその中でも株を使って大きく儲けようと考えていた。


そして今日、タイムマシンが完成したという報告が秘書から伝わり、完成したタイムマシンがある倉庫へ向かった。


「これが、開発したタイムマシンか。現金はどのくらい輸送することができるんだ?」


「そうですね。このタイムマシンは質量関係なく一定の体積さえ超えなければいくらでも運ぶことが出来ます」


「ほう、それは便利だな。では、現金を積み込んでくれ」


そう言うと、作業員たちは現金をタイムマシンに詰め込み始めた。


作業が終わった後、N氏はタイムマシンに乗り込み、過去へ旅立った。


N氏は、その時代で、未来では大企業となる会社の株をあるだけの現金で買い取り、未来へと戻っていった。


「ふふふ、これで私はより大金持ちになれるだろう」


しかし、その会社はあまりの大金を持て余し、挙句の果てに事業に失敗して、多額の借金を背負い込み倒産してしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る