第40話 ヨゼフはモニカに甘やかされる

「ひひっ、いひひひひいひひひひひひっ。あれを見るとか、終わってるよぅ。甘いっ、久しぶりに見た。承認になって出て行った兄さんが見たくなかった、おっさんとおばさんのラブラブ光景。ううう、無理や。わいには無理なんや。死ぬんや。何であんな光景を衆目の前でぇ、いやいあいやあああ」



「ピーピー(お察しいたします)」

 火の鳥が慰めている。

 

 そんなフェニの後継を見ながら、モニカはドキドキしていた。


(ヨゼフ様はあれをしたら喜ぶのかしら)

 

【12歳の少年、歳の差あるけど大丈夫なの??】

【かの有名なショタジュリアになってしまうのですけど、よいのですか???】

【駄目よ。駄目駄目。いけないわ。見た目がいけても、12歳の少年を甘やかして、ああ、あなたなら、ショタになるショタになっちゃう】


 モニカの中の天使が騒いでいる。


(でも、そういえば)


【いいんだよぉ。君の歳は17歳だ】

【かの異世界の勇者、ショウタロウ少年10歳と姿を消したエルフ、タリアは120歳。見た目は同じくらいだったというから問題は無かった】

【問題は無かったんだよ。ショウタロウとタリアから取られた、ショタ。あなたはなってみないかな????】


(いやああああああああああああああああああ。らめえええええええええええええ。えっちなのはいけないんですですですですですですうううううう)


 頭がショタ天使と悪魔の戦いが。


「どうしたの。モニカ?」


「はいいいいいいいいい。なんでもありませんよおおおおおおおおお」


 そこに現れたのは何故か、また給仕服を着せられたショタ――ではなく、ヨゼフ。

 

「どうして、また、これを着せられるの? フェニさん。しかも、ちょっと炊事をして濡れて冷たい」

「服が少ないんだ。親父の服は小さすぎて無理。兄貴は荷物も売るって言って、服も持って行ったから無いし」


(どういうことなの。どういうことなの。どういうことなの? 変だわ。わたし。どうして、ヨゼフ様を見てドキドキしているの。そして、この胸の高鳴りは)


「だ、大丈夫です。わたしが洗って乾かすのを早くしましょう。でも、まずは抱いて、温めてあげましょう」

 モニカの悪魔が誘惑する。


【いけっ、そこだっ】

 天使も邪魔をするが、なぜか弱い。


【駄目ですっきゃああああっ】

 吹き飛ばされる。



「あなた、姉にならない? エルフのお姉ちゃんヨ。お姉ちゃん」


 ああっ、そこに狂った姉と名乗る狂った精霊が窓からふわりと金髪を揺らしながら現れる。


「アウロラさんっ? どうして、気づいて、えっあっぁつ」

「アウロラさんがいるの? 見えないあれっ、どうして、モニカ、僕を抱くの。気持ちいい。じゃなくて、あああああっ。どうして? どうしてなの? 気持ちいい」


「ど、どうしたんだ? モニカ。お前らしくない。しかも、顔が赤い」

「わ、わからないんです。どうしても、ヨゼフ様を守らないといけない気がして。甘やかさないといけない気がして」


「うーん。これまた、アウロラ様のいたずらが出てますけど、いいですね。まあ、ストレスがたまったのでしょう。許してあげてください。さっきのあまあまがもう耐えきれなかったようです」

 そこに執事服の少女型精霊が現れる。


(どういうことなのおおおおおおおおおおおお?)


 モニカは感情がぐちゃぐちゃになり、叫びたくなるのを我慢しているのか、顔を真っ赤にしていた。


「ピーピー(やれやれ)」


 と火の鳥だけが嘆くだけだった。



「たすけてええええええええええええええええええ! 僕の僕の僕の大切なものが大変になっちゃうううう」

 ヨゼフはもみくちゃにされ、顔を真っ赤にして、何故か、ほわほわ言いながらもも、羞恥と幸せな気分を耐えて、変な顔にになっていたのをモニカは忘れない。


(あと、大切なものは何もなっていないことを確認しておりますので安心ください)

 本当に、下半身の大切なものは大丈夫なのだろうかとモニカはその後、すぐに思うのだったが。

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