第6話  スズカ

スズカ24歳 女性 占い師。


今朝は何やら物々しい。


ガンダーラの敷地内にパトカーが数台とまっている。


「誰か捕まったのか?」


「ちょっと占ってみよう。」


スズカの占いは必ず当たる


そしてどんなことでも占うことができるのだ。


「まずは、何が起きているのかを占う。」


お巡りさんがもうそこまで来ているのだからわざわざ占う必要もないのだが、スズカにはそんなことよりも、占うネタが欲しかった。



占うときはいつも、タロットカードを使う。


占いによると、ここガンダーラで殺人事件が起きたという結果が出た。


「ヒェ~・・・マジか~」


こうしてはいられない、外に出て結果を早く確認したい。


食堂のあたりで、ちょうど管理人が警察の人と話をしていたため、こっそり近づいて聞き耳を立てる。


いったい住人のだれが殺されたのか、もう気になって仕方がないのだ。



しばらく、話を聞いていたところ、今度はスズカのところにも、警察がやってきて事情を聴かれた。


どうも話を総合すると、殺されたのは・・・いや正確には死んでいたのは、アサガオだった。


どうも自殺らしい。


管理人がそれを見つけて、おたおたしているところにマッサンが現れて、自殺なんてするはずがない、殺されたんだと騒ぎだし、110番通報した。


スズカ自身は警察から何か最近変わったことはなかったのか、アサガオはどんな人だったのか、色々聞かれたけど、答えは全部同じだった。


「よくわかりません」


本当にわからなかったのだ。


警察が引き上げようとするとき、マッサンだけは最後まで警察に何やら訴えていたけど、おそらく自殺ということになりそうだ。



スズカはスズカで自分が占った結果が外れるはずがないから、やっぱり殺人の線で犯人を捜し始める。


そして、部屋に戻ったスズカは占いで犯人を見つけた。


「やっぱりあいつか・・・」


どうしよう、警察に言うべきか・・・。


まずは、奈々子さんに話してみようかな。


人見知りのスズカにとって、飲み会以外で普段会話をする相手は、奈々子しかいなかった。



といっても、お互いのことを話すといった関係などではなかったが、



奈々子がガンダーラの住人が食べる食事を、毎日全員分一人で作っていたため住人のなかでは、お母さんのような存在であった。



スズカと奈々子は年も少し離れていたこともあり、スズカにとっては頼れる人と認識されているようだ。


しかし今回ばかりは、やっぱり迷う。


今までここで暮らしてきて、というかスズカの人生において、もっとも大きな出来事が、今日起きたといってもいい。



人生初の殺人事件なのだ。




そして犯人は自分だけが知っている。




誰かに言いたい・・・。




誰に最初に言うべきなのかを占った結果、マッサンと出た。




でも、どうしてマッサンは、殺人だってわかったのだろう?


何か知っていることがあるに違いないから、やっぱりマッサンに話そう。


さすがにマッサンも犯人が誰なのかまでは、まだ知らないと思うから、私が教えてあげたらどうなっちゃうのか、ちょっと楽しみ・・・。


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