第7話 ロイヤルな方々
先日、エリザベス女王の国葬へ天皇皇后両陛下が参列した。
エリザベス女王もそうだが、天皇陛下も幼き頃より一挙一動を国民からみられてきたお立場である。
環境が人を作るのか、天皇陛下の堂々たる姿はご即位してから本当に感心した。
各国首脳陣や各国の王族に比べるとお体は小柄であると思う。
だがあの大きな体の元トランプ大統領も来日時の晩餐会はとても緊張していた中、陛下は堂々たるお姿であった。
なんというかどっしりと構えていて、本当に帝王学を学ばれてきた方なのだと思った。
皇后様も皇太子妃の時よりもとても輝いてみえる。
民間からとは言っても外交官のお嬢様で、自身も外交官でキャリアを積まれていた方だ。
そんな方でも皇太子妃というお立場になると、さぞ大変だったことだろう。
適応障害という病になり、懸命に公務をこなしている。
皆、税金で暮らしてというが、その人の立場になってみないとどんなに大変かわからない。
私なんかくさくさする日は一人呑みをするような自由な身である。
それが人から常に注目され、スケジュールも決められ、生きること自体が仕事になるのだ。
多額な税金をもらってもご遠慮したいご身分である。
その前に選ばれはしないので安心なのではあるが(笑)
皇后陛下となられ、雅子様の良いところが際立ち、外交面でもとても良い影響をもたらしてくれてると思う。
その先の皇后陛下であった上皇后陛下美智子様も素晴らしい方であったと思っている。
私の想像を遥か超えた辛きこともあったと思う。
退位が決定した際は、平成の皇后として立派に努めあげられた美智子様にはゆっくり過ごして頂きたいと思っていた。
が、令和になると出しゃばるなとか引っ越しについてもあれこれ言われるようになり、世間の手のひらを返したような反応に唖然としたものである。
元より皇族にいられた方より遥かに苦労されてきた初めての民間からの皇太子妃である。
生きてくる事自体が神経をすり減らす様な毎日であったと思う。
幸せな老後を差し上げても良いではないかと思ってしまう。
確かに税金を納めながら働く私達は大変だ。
子供を大学に入れるために、自分にかけるお金はなるべく使わなかった。
その時は美容室ではなく千円カットに行っていた。
それも髪型がどうしようもなくなってきてからだ。
今こそ一人呑みをしているが、子供が受験をしている時は遊びに行かなかった。
子供が一生懸命勉強しているのに、親が遊んでいたらしめしがつかないと思ったのだ。
自身もそうやって子供を育て税金を納めていた。
子供が扶養から外れるとおったまげる位税金が高くなった。
それでも美智子さまや雅子様が叩かれている記事を見るととても悲しくなる。
ほんの少し優しさと理解をもてば非難しなくてもいいのではないかと、私個人はそう思っている。
そういう文化のない米国人はロイヤルにとても憧れがあるらしい。
王家や皇帝などがいない国であるからであろうか、トランプ元大統領が天皇陛下と並び写真撮影に応じる姿は満面の笑みであった。
天皇陛下は政治には介入しないが、外交面から云うととても良い影響を与える存在だと思う。
エリザベス女王もそうであった。
政治には介入できないが、女王の影響で、英国が難を逃れたことがあるだろう。
21歳のとき、自分の人生は英国に捧げると言った有言実行の人生であった。
彼女のドキュメンタリー映画を初夏に観に行った。
彼女も普通の人間なのだ。
キュートでとても好感が持てたドキュメンタリーだった。
ネットフリックスでザ・クラウンというドラマがある。
私は大好きで何回も観てしまう。
エリザベス女王も日曜日の夜には観ていたそうだ。
ある程度実話に基づいているのであろう。
若きエリザベス女王は君主になって、時代の移り変わりとともに、その役割をよく考え、日々精進していた方だった。
だから英国人は皆女王を尊敬し、亡くなった時は多くの方が悲しんだのである。
今はきっと天国でただのエリザベスとして夫のフィリップさんと仲良く話をしていることだろう。
昔は全く天皇陛下の良いところなど分からなかった。
母が皇室アルバムが好きでよく子供の頃テレビで観ていた。
確かまだ天皇陛下が英国に留学したりしている頃だと思う。
不敬にも私は「全然かっこよくないじゃん、もっとかっこいい人の方がいいよ」と母に言った。
母は「人間顔じゃないのよ、中身なのよ。この方達は教養と知識をもっている素晴らしい方なのよ。歳をとったらわかるわよ」と。
今、とってもよくわかる!
あの時は何も知らない小娘であった為、不敬をお許しいただきたい。
今は天皇陛下が格好良く素晴らしいと心の底から思う。
そして両陛下のご活躍と健康を陰ながら願っている私である。
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