第47話 復線 〜ミーティングのために集まったでしょ〜

 ——あれからどれくらい経過けいかしただろうか。


 ぼくとウミは、じーっとたがいを見つめる。見つめすぎて、途中とちゅう、ココム・ツィツラ教育大臣きょういくだいじんから「惚気のろけるだけなら帰るよー、あー、うぜー」とブーイングがんでいたっけか。それでも、ぼくらはニッコニコして、一向いっこうにその場をうごこうとしなかった。


 退屈たいくつそうに黒いかみをくるくるといじっていた魔女ウィッチさんも、流石さすが我慢がまん限界げんかいおとずれたのか、

「もー、マジで帰る! さよなら、バイバイ、もう引退いんたいしまーす」

 と言って、らかしたアイテムを回収かいしゅうはじめた。


「ちょっと待ってください!」


 先にましたウミが、パーを出して、魔女さんをめる。

 ウミが正気しょうきを取りもどしたおかげで、ドミノたおしみたく、ぼくもわれかえった。

「そうです、ココム・教育大臣! まだ話はわったませんっ!」


 にがすまい、という意思いし半分はんぶんくらいは伝わったのか、

茶番ちゃばんが長すぎるのよ……」

 と不満ふまんらしながら着席ちゃくせきするココム教育大臣。


 思いとどまってくれたことに安堵あんどすると同時どうじに、ぼくは気をめた。


 今は、ウミが魔王様まおうさまのことが好きだとか、好きだったとか、そんなことはどうでも良い。……いや、どうでも良いは言い過ぎたけれど、でも、介護のほう優先ゆうせんだ。


 閑話休題かんわきゅうだい洒落込しゃれこんで……。


 ぼくは、思わぬ脱線だっせんから、待望たいぼう復線ふくせんげた。

「ココム教育大臣。ローレライ王国の介護に、魔法まほうを取り入れることはできないでしょうか? それができれば、介護の様々さまざま業務ぎょうむ効率化こうりつか劇的げきてきすすむと思うのです」


 ぼくの言葉に、ココム教育大臣は、ふふっと笑って、断言だんげんした。

「介護に魔法を取り入れるのは、不可能ふかのうね」


「……」

 すぐに言葉にならなかった。ぼくが期待きたいしていたさくは……魔法は……使えないのか……?

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