第42話 余談 〜何じゃこりゃっ?!〜

 前回までのあらすじっ!


 初めての介護事業所かいごじぎょうしょ見学けんがくをした青年の”リク”と王女の”ウミ”は、まさかまさかの惨状さんじょうたりにした。

 一行いっこうは、管理者かんりしゃである人狼じんろうの”スワオン”に、介護事業所の現状げんじょうたずねようとすると……。

 突然とつぜん、スワオンがウミになぐりかかってきた……がしかし、その奇襲きしゅうは、空手経験者からてけいけんしゃのリクにいなされてしまう。

 観念かんねんしたスワオンが事業所のことを話し始め、そして、お国の二人は、介護保険制度かいごほけんせいどについて説明した——。


 ……ちょっと待って。あらすじ……? 今まで書いてましたっけ……?


 そう思ったそこの読者様どくしゃさまするどいですね。そうです、あらすじなんて今まで書いたことありましぇーん! ダンケシェーンッ!




「……おっといけない。茶番ちゃばんはこれくらいにしましょう。

 ……ん? あ、そうなんですか……はいはい、了解りょうかいです。

 はい、読者様、速報そくほうが入りました。リクさんとウミ王女がしろ到着とうちゃくしたみたいです。中継ちゅうけいつながっているようなので、少しだけのぞいてみましょう。

 中継ちゅうけいの水本さーんっ!」


『……はーい、水本です!』


「水本さん、現在、二人はどんな状況じょうきょうでしょうか?」


『……はい、二人はですね、つい数分前に入城にゅうじょうして、すぐにウミ王女の部屋へやかいました。今はリラックスした表情で会話かいわをしているようですね』


「なるほど。この後の二人のスケジュールはわかりますか?」


『……はい、二人のスケジュールは関係者かんけいしゃから聞くことができました。どうやらですね、一度休憩きゅうけいをしてから、一時間後に教育大臣きょういくだいじんとのミーティングがあるようです』


「ちなみにそのミーティングの内容はわかりますか?」


『……はい、すみません、機密事項きみつじこうということで、内容までは教えてもらえませんでした。ですが、専門家せんもんかのシオン先生から意見いけんをいただきました。先生は「先ほど介護事業所におとずれていたので、ミーティングの内容は介護がらみではないか」と考えているようです』


「その先生めっちゃ当たり前のことを言いますね」


同感どうかんです』


「もう一つだけすみません。この介護転移かいごてんいという作品は確か、ジャンルが『異世界〔恋愛〕』だったと思うのですが、いつまでっても恋愛れんあい要素ようそうすいどころか、介護の話を深くまでり下げている感じがするので、どこかで軌道修正きどうしゅうせい必須ひっすだと思うのですが……。そこのところ、シオン先生は何かおっしゃってましたか?」


『……はい、そこに関しましては……』


 ビビビッ……シャー……。


「あ、あれ?! 急に映像えいぞうみだれましたが……」


 ババンッ!


「が、画面に、リクさんとウミ王女がうつし出されたっ!? 何故っ?!」


 メラメラメラメラッ!!!!


勝手かってに中継するんじゃない!』『勝手に中継しないでください!』


「大変失礼しました! では、今回はここまでとして、次回はリクさんとウミ王女のデートを——」


『中継するんじゃない!!!』『中継しないでください!!!』



 放送後ほうそうご、このアナウンサーさんは、著者ちょしゃにこっぴどくしかられましたとさ。おしまいおしまい。




 読者様っ! いかがでしたでしょうか?!


 はい……はい……はい……かしこまりました。


 次回からこれまでのように書きなさい、ということですね。


 もっともなご意見いけんです……。


 以後いご、このようなことがないよう気を付けます……。


 あ、ちなみに次話はっ! 手には竹ぼうきを持ち、頭にはとんがり帽子ぼうしかぶった魔女ウィッチ——ココム・ツィツラ教育大臣きょういくだいじん登場とうじょうします! ぜひお見逃みのがしなくっ!!!

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