第35話 停滞 〜根拠のない介護〜
「
ウミは、
「ウミは、介護をやっていれば介護技術は上がる、と思っているんだね?」
「はい。同じことをやり続けるのですから、
そう言いながらハテナを
「それが……そうでもないんです……」
ぼくは、スワオンさんの目を見て
「スワオンさんの言う通り、それがそうでもないんだと思う。この事業所は、ご利用者が少ない関係で、介護サービスをする
少し
その反応を見て、ぼくは続ける。
「ぼくがいた日本という国では、
「介護
ウミが
この子、得意げな
……おっと。ウミの可愛さは
ぼくは、ウミのバトンを確かに受け取る。
「そうだね、
ぼくがそれとなく問うと、スワオンさんは「それなら」と言って、一度席を立つ。
デスクの方へ
「私……介護のことを全然知りませんでした。リクさんから
「そんなの、ぼくだってわからないことだらけさ」
「……え?」
「もちろん、ぼくの考えが非合理とまでは思わないよ? そりゃぼくだって、それなりに
ぼくの瞳をじーっと
……そんなに見つめられると、ときめくよ?! いやいや、もうときめいてるか。
胸の
「ま……
と黒くなった窓を見ながら
しかし。ウミはまだ、ぼくを見つめていた。そして、
「いいえ。私の心には
「ウミ……。うんっ! 勝とうっ!」
もっと自信を持て、ぼくっ!
ぼくには、ウミがいる。
ウミには、ぼくがいる。
二人なら、勝てる……!
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