第19話 招集 〜閣僚たちとのご対面〜

 セレブな朝食ブレイクファスト堪能たんのうしたぼくとウミの二人は、早速、仕事にとりかかることにした。その仕事とは、この国のおえらいさんたちとの話し合い——つまるところ、閣僚会議かくりょうかいぎだ。

 ご飯を食べて頭がシャキっとしたぼくは、ウミに「めっちゃ偉い人集めてくれる?」と頼んだのだ。


 そして、ものの五分もたずして、ぞろぞろと風格ふうかくのある者たちが、二階の会議室につどい始めた。


 最終的に、巨大きょだいまるテーブルを取り囲んだ者たちは、ぼくとウミをふくむ七名で全員だった。


 個性的こせいてきな五名をじーっと見つめながら、事前じぜんにウミが教えてくれた情報を頭の中で整理する。

 一人は、よろいを身に着けた屈強くっきょうな鳥人間。役職やくしょくは、国防大臣こくぼうだいじん

 一人は、たけぼうきをかかえたとんがり帽子ぼうし魔女ウィッチ。役職は、教育大臣きょういくだいじん

 一人は、ぼくの世界にもいるような黒い毛並みが良く似合う可愛い子猫こねこちゃんにしか見えない、ケット・シーという猫の妖精ようせい。役職は、財務大臣ざいむだいじん

 一人は、これまた普通の愛くるしい白の子犬こいぬさんにしか見えない、クー・シーという犬の妖精。役職は、司法大臣しほうだいじん

 一人は、背中にはねたずさえた、てのひらサイズのフェアリー。役職は、厚生労働こうせいろうどう大臣。

 言うまでもなく、五名とも初見しょけん種族しゅぞくだ。そして全員、ぼくが大好きなライトノベルに頻繁ひんぱんに登場するキャラクターなだけに、内心ないしんはすぐにでもサインをもらいたいくらいテンションフルマックスだっ!

 

 だけど! ぼくが少しでも甘えたようなことを言ったり、弱気よわき発言はつげんをしたら、とがめられること間違いなしだろう。


 そんな状況をみずから作ったのだから、一言ひとことだけ言わせてほしい。

 怖すぎィ……。


 ぼくがビビりたおしていると、ウミはぼくの方を見てから、胸の前で両手をぎゅっとにぎった。

「リクさん、ファイトです!」


「う、うん、まかせてよ」


 そう言って、ぼくは五名をずらっと見回みまわす。やばい、早くも前言撤回ぜんげんてっかいしたい……。


 ……って、おいおい! 毅然きぜんとしろ、リク! ぼくがこの国を引っ張っていくんだろ!


 コホン。


 わざとらしくせきをしてから、ぼくは言った。


「それではこれより、閣僚会議を始めますっ!!!!」

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