第5話 狐の嫁入り

狐の列に近づいてみたらね。

光の列は意外と長く続いていまった。

こぎつね君は首を振って、ついてくるようにkeiたちにうながします。

きつね達は尻尾というより、体全体が光っていて、とってもキレイっ˖✧°☆

「さめぇ~不思議におもわなぁい。」

「なにがですか?」

見渡してみると、嫁入り行列の周りだけ天気がいいのです。

上を見上げると細長い楕円型に雲が開け星空が見えています。

魔法の壁で守られているみたいですよ。

「不思議ですね。でも、さっきはかなり広く晴れ渡っていたような気がしましたが?」

「keiたちを誘うために、魔法で晴れ間を広げてくれたんじゃないかしら~?」

keiはこぎつね君の後ろを歩き始めまったよ。

「keiさんに晴れ間を見せて安心させ、どこかに連れさらうつもりではないでしょうか?」

「嫁入りでしょ!さめ~、お嫁さんはどこかなぁ~?」

列の先頭のほうを見てみるんだけれども、きつねたちの光が雪に照り返してまばゆいです。

「B級といっても魔法使いです。ふつうの人と比べれば、keiさんは魔力を持っています。」

お嫁さんはどこに嫁ぐんでしょお?

「きっと、花嫁衣裳できれいに着飾ってるんだとおもお~。」

「keiさんをだまして、その魔力を悪よう...聞いてるんですか!」

「聞いてるよっ。ばんだいきつねの嫁入りだから白無垢のお着物だよね。」

(さめ:keiさんはきつねの邪気にやられておかしくなってしまったようです)

あっ、なんかさめが静かになった。


keiは魔法を使っていないのに、きつね達もkeiも雪の上を浮かんで歩いている感じ。

行列の周りは風が無いからかなぁ?なんか、あったかい。

「さめぇ~なんか暖かいね。風が無いからかなぁ?狐火が暖かいのかなぁ??」

そうそう、ほんわりと光っている狐火にも癒されます~

「keiさん、見てください!嫁入り行列の周りに、壁のようなものがあって吹雪を遮っています。」

吹雪の日に車を運転していると、雪がズンズンとフロントガラスにぶつかってくるでしょ。

正面からだったり、右や左だったり、雪が吹き付けフロントガラスに遮られ流れていきます。

周囲は壁は、あんな感じっ。

目まぐるしく雪の渦が動き回って模様になってるんでっす。

「やはり怪しいですよ。かなり強い妖力が働いていると思います。」

「そうなの?」

嫁入り=結婚式

美味しいお料理とか振舞われるのかしら。

「keiさんも気づいているように、keiさんもきつね達も雪の上にうかんでいます。」

「妖力ですかぁ~?」

また、さめの心配性が始まったみたい(-_-;)

ただの魔法だと思うけれどなぁ。

「keiさんの魔法力で、なにかを感じませんか?」

「そうだなぁ。。なんか優しくて暖かくて癒されちゃう感じかなぁ~♪」

あっ、いけない!

なにもお祝いを用意していません('◇')ゞ

「...。」

さめの心配性は終わったみたい。

静かになったよ。


しばらく歩いていたらね。

ずっと前の方から狐火が消えていくよ。

どんどんと嫁入り行列が短くなってく。

嫁ぎ先に着いたのかなぁ??


んっ!

岩の中に、嫁入り行列が吸い込まれているんです。

「ほらほら~keiさん、怪しげなことになってきたじゃありませんか!」

「きっとホログラムだとおもお~あの岩の壁は光子で出来てるんだよ~、きっと。」

「keiさんはスタートレックの見すぎです。どうみてもあの現象は妖力だと、さめは思いますが!」

ふ~ん、また妖力ですかぁ。。

「なんでこんなところに光子を使ったカモフラージュ装置があるんですか?」

またさめの心配性が始まってうるさくなりました。

「だから。確かめもせずに入っちゃダメ!」


中に入ると、おっきな雪の空洞でした。

狐火が雪の壁に反射して、空洞全体がキラキラ金色に光っていまったよ。

見たことも想像も出来ない、美しい光景でった!

「きれいですね。」

懐疑心でいっぱいの、さめまで感動してる~。

でも...

「keiさんっ逃げる準備をしておいてください!危険です。狐たちが人の言葉をしゃべってます。」

さめが耳元でささやいているのね。

そうなの、ここではきつね達が人の言葉でしゃっべっているのが聞こえます。

お話を聞いてみると、みんな猫魔王に困らされているらしいです。

食べ物を食べつくされてしまったり、しまっておいた食べ物が大雪で掘り出せなかったり、いろいろ~。

「猫友のミーも連れさらわれちゃったんだ!」

「なになに~どおしちゃったの?」

きつね君が心配そうに困った顔をしています。

「あっ、実は猫友のミーが化け猫に連れさらわれちゃったんです。」

猫が猫をさらうのぉ~??

「keiさん、大丈夫なんですか?親しく話してないで逃げる準備をしましょう!」

さめがまた耳元でささやいてる。

「さめは化け猫にさらわれた猫より、きつねにさらわれたkeiさんのほうが心配です。」

でもね~みんな困っている様子ですしっ。

「きっと、オサキさまが助けてくださいます!」

えっ、キュッピいるの~?

「オサキ様は奥のほうで休んでおられます。」

「ねぇねえ~、さめぇ。"きゅっぴ"いるんだって!」

聞けば、きゅっぴはお疲れの様子!

どおしたんでしょう⁉

「だれですか、それっ?」

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