第4話 こぎつねこん
だらだら歩く、デレデレ歩く、ふらふら歩く、前のめりになったり、左右にふらふらしたり~
「keiさん、しっかり歩いてください!だらだら歩いても疲れるのは同じですよ。」
ふたたび、丸山に向かう平らなファミリーゲレンデにいます。
猫猫コーチを運んで、魔法が疲れてしまいまった。
MPが無いので飛べません(*- -)
歩く歩く歩く….
keiはだらだら歩いたほうが疲れないと思うけどなぁ。。
でも、今度はスノーシューがあります。
コーチに借ました。
コーチはスキーセンターで看護師さんに手当を受けていました。
ぐったりとしながら、keiに「ありがとう。」って言ってました。
なので「スノーシューを貸してね。」って言ったら、うんって頷いてたよ。
「さめがみたところ、意識を失って首がガクってなっただけのような気がしますが?」
「いいのっこんなときにダメって言う人じゃないから~」
コーチはパウダースノーを求めて、このスノーシューで雪山に入っていくんです。
スノーボーダーって、ほんとパウダーが好きだね~。
keiはまだゲレンデでいいと思ってる。
まずは技能検定1級とインストラクター資格がほしいんでっす。
いつだかね。
今から向かう丸山ゲレンデに新雪がいっぱい積もっていたときがあったの。
きれいに圧雪されたゲレンデに本物パウダースノーが60~70cmも積もっていたよ。
もうスゴイの~
入道雲の上を滑り降りてくるみたぁい。
笑いが止まらない、感動して涙が出ちゃいまった。
keiだってパウダーが嫌いなわけじゃありません(^▽^)
ミクロファインスノーは猫猫だけっ!
猫猫スキー場はパウダースノーの宝庫です♪
でも、今は新雪を楽しむ時では無いと賢明なkeiは感じているのです(^ ^)v
「あっ!なにか足に引っかかった~」
前に進めない~
「あっkeiさん、これリフトのケーブルですよ。」
えっ!
「察するところ5mくらいの積雪があるようですね。」
あらっ、吹雪きだしたのが10時くらいでしょお。
今が午後3時ですよ。
きゃーっ、5時間で5メートルもつもっちゃったの~
そうそうスノーシューをはいていても、ぱふぱふ足がうずまっちゃうのね。
でも、雪が軽いからなんとかここまでやってきたよ。
「スゴイね。1時間で1メートルも積もっちゃったの。てか、午後3時だし帰りましょう。」
MPが回復してきてるし、飛んで帰れば、あっと言う間です~。
「何を言ってるんですか、keiさん!猫魔王の調査が、まるで終わっていません!」
調査をするって、猫魔王なんて調査していったい何になるというのでしょお?
「今日はどこかでビバークする必要がありそうですね。」
きゃーっ!
<第一夜丸山ビバーク地>
カリカリカリカリっ
「keiさんっ何をやってるんですか?」
「スマホっ充電してるのぉ~」
おうちを出てくるときにいつも小物入れに使っている、100均で買った非常持ち出し袋が見つからなくて、役場からもらった非常持ち出し袋にお菓子を入れてを持ってきたよ。
大震災後に支給された非常持ち出し袋です。
手で回すスマホの充電器まで入ってまった。
「19時にはスタートレックエンタープライズが更新されるでしょお。」
カリカリカリカリっ
「ネットで動画を見るために電池を使わないでくださいね!」
え~~~~っ
「今じゃなくても、いつでも見られるじゃないですか!」
更新されるのを、ずっと楽しみにしてたのになぁ。。
もうね、大変だったんだよ。
丸山ゲレンデのいちばん急なところは2時間もかけて登りまった。
距離にしたら200mもありません!
魔法を使ったり、ずぼずぼのぼったり~。
前が見えないくらいに暗くなったら、ビバークしようって言っていたのね。
雪明りに照らされて、真っ暗にはなりません。
18時に休むことにしまった。
ところがビバークするにも、シャベルが無いので穴がほれません。
猫猫コーチのスノーシューをシャベル代わりに掘ったけれど、雪がさらさらでぜんぜん掘れませんよ。
魔法を使った~(^^ゞ
雪の中は結構あったかです。
たぶん、お外はマイナス20度くらいになってます。
疲れてすぐに眠くなっちゃいまった(ρ_-)/
食べるものはエンゼルパイとカントリーマームしかありません。
飢えと疲労で、うとうとしてきたのね。
「寝てはダメ、寝てはダメ。」と凍死を心配する自分の声が聞こえてきます。
でも、状況はそんなに大変なことになってなnikan~
スヤ~(ρ.-)oo
そんなときです。
風の音でうるさかったお外が静かになりました。
そっと雪をどけて、外をのぞいてみました。
風は止み、雪も降っていません??
ほらぁ~見上げると満天の星空です~☆
「さめぇ見てみて~お星様いっぱいだよ。」
冬の天の川って、淡くて細くてよく見えないのね~
でも今日の丸山からはクキリと見えています。
ほらっオリオン座の上のところだよ
「さめぇ~あのごちゅごちょって星が集まっているところが、プレアデス星団。」
(さめ:なんかkeiさんの天体観測会が始まりました。)
「三ツ星の下の小三ツ星のところ、オリオン座の大星雲が目で見てもまばゆくぼんやりと光っているでそ」
(さめ:星空を写すかのようにkeiさんの瞳がきらきら光っています。憎めない人ですね。)
「見てみてぇ。。東の空にはプレセペ星団が昇って来てる。」
(さめ:keiさんの子供のころの夢はプラネタリウムの解説のお兄さんになることだったそうです。)
「あ~ほんとですねぇ。(なんて、協調してみたり)」
わぁ。。keiてば、すごいものを発見しちゃいまった!
木立の中にキラキラの光が並んでいるんでっす
「さめぇ~見て見て!森の中に光が並んで動いているよ!」
「あっkeiさん…」
沈黙しているのね…
「keiさん見ちゃダメです!」
なんで、キレイなのにぃ~。
「あれは狐の嫁入りです。見ていたら命を奪われますよ!」
狐の嫁入りですかぁ。。
たぶんね、kei地方の冬は特別に乾燥してるんでっす。
だから、さらさらのミクロファインスノーが降るですよ。
狐さんのしっぽが光るのは、乾燥した空気でしっぽの毛に静電気が発生しているからだと思った。
つまり~妖しい現象ではないのね。
「なにを科学的に検証してるんですか!?光るのが静電気としても、狐が一列に並んで歩きますかぁ??」
確かにっ!
光の列の中から一粒だけ光が離れて、keiたちの方に向かってやってきます。
雪明りにぼんやり小さなきつね君が見えてきまった。
「わぁ~。子ぎつね君っ!」
ほんとアニメの子ぎつねのようにかわいいんだよ。
keiん家に時々やってきます。
「なにかを訴えているようですね。」
子ぎつね君てば、近づいては離れ、近づいては離れの繰り返しです。
「こっちにおいで。って事かな?ちょっと待っててね。非常持ち出し袋を持ってくるね。」
「keiさん、あちらに行くのはあまりお勧めではありませんが!きつねは妖怪ではありませんが、物の怪や獣の類です。」
子ぎつね君はこっちを振り返ってkeiたちをみつめてるの。
「ほらぁ~、さめもポッケに入って、早く行くよ!」
「ですからkeiさん、あれは物の怪の類です。」
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