第2話 出会った7人
(場面:惑星エルザス)
そびえ建つ、中央管理センター。
辺りは、静まりかえっている。
外壁の至る所に、GUYBACK襲撃の痕跡が残されている。
入口扉の横には、数字入力キーが設置されている。
(場面:中央管理センター内)
入口扉が開き、ラルフ・JJ・ルイーズが姿を現す。
三人、銃を構えたまま、中を覗き込む。
ラルフ「認証キーもパスワードも無く、フリーパスか…」
ルイーズ「防御システムも効かなくなっているみたいだね」
JJ「中は全滅だろうな…」
3人、陣形を組みながら、中に突き進んでいく。
廊下には、人間とGUYBACKの死体が多数横たわっている。
ラルフ「………」
ルイーズ「気をつけないと…」
「まだ、奴等がどこかに潜んでいるかもしれないよ!」
JJ、苦笑いを浮かべ
JJ「そりゃあ~ねぇな!」
「
い、決まった時間に帰っていく…」
「俺達の軍より規則正しいぐらいだぜ」
ラルフ「確かに、JJの言う通りだ。この星に来てから例外はなかった」
「
そして待機していると思われる時間は3時間…」
「その待機時間は、どこで何をしているのかは、まだ解明されていないらし
いが…」
ルイーズ「だったら何で、二人共銃を構えてるんだよッ!」
ラルフとJJ、顔を見合わせる。
JJ、バツが悪そうに
JJ「念には念を入れるってやつだ…」
ルイーズ「ほらみろッ!」
3人、監視カメラの前を通り過ぎる。
(場面:センター内・管制室)
ラルフ・JJ・ルイーズの姿がモニタに映し出されている。
それを見つめる、4名の人影。
(場面:センター内・廊下)
ラルフ・JJ・ルイーズ、更に奥へと進んでいく。
ラルフ、ルイーズに向かって
ラルフ「ところで、まだ名前を聞いてなかったな」
「俺の名は、ラルフ・ロレンゾ…」
ラルフ、JJを指し示し
ラルフ「こいつは、ジャック・ジェーキンス」
「みんな、JJって呼んでいる。俺達は同期入隊で、古くからの友人なんだ」
JJ「階級は、随分差が付いちまったがな…」
ルイーズ「ルイーズ・ギャレット…」
JJ「ルイーズ…ギャレット…?」
JJ、思い出したかのように
JJ「お前が、あの噂に聞くワイルド・キャットならぬ
〝ワイルド・ギャレット〟か?」
ルイーズ「何かそんな風に言われているみたいだね」
JJ「敵でも味方でも、噛みつくって…」
ルイーズ「アンタだって〝クレイジェイ〟って呼ばれている、
上官を殴り飛ばした暴れん坊だろ?」
JJ「ケッ!どこが美貌の女神様だよ」
ルイーズ「何かいったか!?」
JJ「(おどけた顔で)いえ、別に…」
ラルフ、JJとルイーズのやり取りに苦笑い。
3人、廊下を突き進むが、突然
ラルフ「待て!」
JJ・ルイーズ、立ち止まる。
ラルフ「今、正面で何かが動いた…」
「あの角を曲がったところにいるぞ!」
曲がり角。
3人、一気に踏み込み、銃を構える。
パトリックが立っている。
パトリック、あわてて両手を上げ
パトリック「ま、ま、待ってくれ!」 「撃たないでくれーっ」
ラルフ・JJ・ルイーズ、顔を見合わせる。
(場面:管制室)
ラルフ達とパトリックを含めた生存者3人が対面している。
1人だけ離れた所で、スクリーンパネルに向かい、作業をしている男がいる。
ヤン・コーウェンである。
パトリック「俺は、パトリック・ディロン。エンジニアだ」
「あとは…」
パトリック、エレンとポールの方を見る。
エレン「エレン・ブリーム。看護師です」
ポール「ポール・クレメンスだ」
「この状況下では一番の役立たずかもしれんが、一応生物学者の肩書きを
貰っとるよ」
ラルフ「俺達は、コマンド部隊のラルフ、JJ、ルイーズだ」
「君達は、最初からここにいたのか?」
パトリック「いや。俺達3人はそれぞれのいた場所から、襲撃の合間を見て、
ここに避難してきたんだ」
パトリック、ヤンの方を見て
パトリック「あいつは、ずっとここで働いているコンピュータープログラマー
らしいぜ」
ヤンが向き合う、スーパーコンピューター〝
ヤン、黙々と作業を続けている。
ラルフ「………」
パトリック「さて、自己紹介も終わったことだし、さっさと救助艇に行こうぜ」
「幸いにもバギーが1台無事なんで、それで移動しよう」
ラルフ「?」
パトリック「あんた達も
「もう戦おうなんて考えは捨て、とっととおさらばするに限るって…」
ラルフ、軽くため息をつくと
ラルフ「残念ながら、その術は無い…」
パトリック「(焦りの表情で)えっ!」
「助けに来てくれたんじゃないのかよ…?」
JJ、苦笑いを浮かべ
JJ「途方に暮れているって意味では、俺達もあんた等と同じさ」
エレン「じゃあ、救助は来ないの?」
ラルフ「俺達の救助のために来るかどうかは分からないが、
地球に次なるコマンド部隊の増援を依頼したことは確認している」
「この状況では、それを待つしかない…」
ポール「待つって、どれくらいだね?」
ラルフ「新たに部隊編成し、色々な準備や整備をし、
向かう…」
「おそらく…早くて3日後…」
パトリック「3日―っ! 冗談だろッ!」
「そんな次の襲撃の2時間だって持ちこたえられるか
どうかもわかんねぇぞ!」
「いや!ほぼ絶望的だ…」
パトリック・エレン・ポールに絶望感が漂う。
ラルフ、意を決した表情で
ラルフ「戦うしかない!」
パトリック「戦うってどうやって?」
「あんた達3人だけで耐えしのげるのかよ…」
ラルフ「違う。ここにいる7人で戦うんだ!」
「少数兵力で大軍を相手にするには、ろう城戦がセオリーだ」
「ここに立て籠もって襲ってくる
次の襲撃までに準備を整える」
「それを繰り返していく…」
ラルフ、一点を見据え
ラルフ「いいか! 俺達は絶対に生きて地球に帰るんだッ!」
<つづく>
【参考資料01】企画書・簡易版
https://drive.google.com/file/d/1FqEFjRaCUX7nAdkCCszB7fNvrilw2OVT/view?usp=sharing
【参考資料02】企画書・完全版
https://drive.google.com/file/d/1z8rwhQLt5_Sofmo3KMhOklpfB2YmOyDf/view?usp=sharing
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