Part5

ペットボトルは屋上に着いた。やはり魔王がいた。しかし、出入り口がペットボトルが登ってきた方向と真逆で、魔王は後ろを向いていた。


「あのすみません」


「うわぁ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎……え?どこから来た⁉︎」


「そっから来ました。うわあと20分しかない!!!!!!早く戦闘開始すっぞおい」


「え⁉︎ああわかったわかった」


ついにラスボス戦!どこからともなくBGMが流れてきた。


「魔王戦BGMはなにかと人気が高いですよね。ですが今回は時を止めて聞いてる暇はありません。時間が止まることは一生ありません!!!!!!」


「(何言ってんだこの人?まず人なのかこいつ?)」


「メッセージウィンドウをスタートボタンでスキップしちゃってください。それでは戦闘開始!!!!!!」


魔王はめちゃくちゃ人外で、さらに訳の分からないことばかり言うペットボトルに、興味を持った。


「面白い……。ではこの攻撃を避けてみるがいい!!!!!!」


魔王は手から巨大な針を左右4本ずつ出した。


「喰らえ!アスベスト!!!!!!」


針はペットボトルに向かって1本ずつ猛スピードで飛んでくる。


「アスベストは動き続けていれば当たることはほぼありません。ここは範囲攻撃の噴水で、逃げながら魔王に攻撃していきましょう」


ペットボトルは回転しながら水を撒き散らす。


「あんだけ言っていた割には、ウザい攻撃ばかりするな。それでも勇者か!!!!!!」


ペットボトルは針が全て飛んできたのを確認すると、ペットボトルロケットのごとく、水を噴射して、一瞬で魔王の目の前に飛んでいった。


「ここは即席チャージ砲でゴリゴリ体力を削っていきましょう!はいここでストップ!相手がオゾンを繰り出してくるので、すぐにロケットで逃げる!」


ペットボトルが飛んでいった直後、魔王から毒の霧が出てきた。


「チクショッ、なんで俺の思考を読み取れるんだ!まさかスキルはテレパシーか⁉︎」


「いいや水です」


「(怖っ)………へぇ。と見せかけて!喰らえ!オキシダント!!!!!!」


魔王は屋上を離れ、浮遊すると手からビームを出した。


「逃げられたか…。まあなんとかするしかないですね。このビームも動き続ければいいので。戦闘が長引きそうですね。あと15分…」


魔王が屋上に戻ってくると、ペットボトルはチャージ砲を発射した。魔王は手を巨大化させ、パンチや薙ぎ払いを繰り出す。


「ここでバグ技を使います。魔王の当たり判定は凸凹しているため、たまに引っかかることもあります。そこでホバーで浮遊しながらそこに引っかかることで、浮遊するために垂らしている水で連続攻撃できます」


ペットボトルは空中で逆立ちすると、水を勢いよく垂らして浮遊した。


「させるか!液体魔め!こっちも液体を使うぞ!ジクロロメタン!!!!!!」


魔王も手から毒の水を勢いよく噴射して、ペットボトルを撃墜しようとした。


「え⁉︎」


ズドォォォォォォオン


















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