第14話状況整理とヤンデレヒロインの心境

佐伯進が人気な理由をここで話すとして。

性格が良いとか一匹狼でミステリアスだからとかそういうものは理由の一端でしか無い。

端的に言うと佐伯進は圧倒的に顔面偏差値が高い。

本人にその自覚がなく、その顔面偏差値ならウェーイ系になってもおかしくないのに一匹狼なのだ。

お高く止まっていると感じる女子生徒も居ると思う。

しかしながらそんな女子生徒も一度話せば彼に好意的になる。

別にお高く止まっているわけではなく、ただ少し不器用なだけでそんなところも母性本能をくすぐるだろう。

そんなわけで佐伯進という人物は女子生徒に人気なのだ。

男子生徒に人気の聖女様こと不破聖と女子生徒に人気の佐伯進が付き合うのは必然的だったと言える。

女子生徒に人気ということは生徒会長の清涼院雅や派手な見た目のダウナー系の後輩、瀬谷真琴が初めから佐伯進に好意を抱いていてもおかしくない。

だが皆、上手いこと気持ちを隠して彼に接していたのだろう。

多くの女子生徒が佐伯進を狙っている。

現在の状況はその様な感じだ。

最強お助けヒロインの清涼院雅。

不破聖はこの人物を一番警戒している。

成績優秀で容姿端麗。

加えてお金持ちだ。

自分には持っていない要素を一つ以上持っていて不破聖は若干の焦りのようなものを感じていた。

なので佐伯進が清涼院雅と接触することを恐れているだ。




佐伯進の家から帰宅すると清涼院雅にメッセージを送る。

「私の恋人に接触しないで」

不破聖は正直な気持ちを送ると清涼院雅も事実を突きつけてくる。

「振られたのだろう?」

「今でも繋がりはあるの」

「強制的にだろう?」

「そんな事は無い。一般的な恋人のような関係なの」

「そう思いたいだけだろう?」

「平行線ね。とにかく私は言ったからね?私の恋人に接触しないで」

「困ったな。彼の連絡先を聞こうと思ったのに…。仕方ないから白に頼むとする」

「ちょっと!」

そこまでメッセージのやり取りをしたが相手は返事を寄越さなくなった。

(最悪…!進くんは誰にも取られたくない…!)

そんな思いを抱くと不破聖は考えを改めるべきか考えていた。

(普通の恋愛にシフトしたほうが良いのかな…)

そこまで思うが自分の信念を曲げたくなくて頭を振った。

(ダメね…。私は私の思うように彼を手に入れて飼い続けるのよ…)

そこまで考えると益野白にメッセージを送った。

「清涼院雅に進くんの連絡先を教えないで」

するとすぐにメッセージが返ってくる。

「教えるわけない」

その端的なメッセージに眉をひそめると返事をする。

「わけない?」

「ん。私も佐伯進が気になりだしてきた」

「なんで?恋愛感情がわからないんじゃないの?」

「このままいけば分かるかも」

それを目にして不破聖はスマホを投げつけたい衝動に駆られる。

しかしながら実際にはそんなことはせずに机の上に置くとこれからの計画を練るのであった。

(誰にも渡す気ないから…!)

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