第10話雑談とケンの幸せ(閑話)

 

ー ガルベラ女王国,ゴゲラート領主邸 ー


 ガルベラ女王国ナトルア市で火の海大災害があってから,数日が経過した。


 フララはダンとともに,ゴゲラート領主とタルベーラ夫人と面談をもった。


 ゴギラート領主「ダン,わかっているように,今は,お前に家庭教師もアレンジできない状況だ。私は,立場上,ナトルア市の救援活動に専念する必要がある。そこで,女王様と相談した結果,王都の国立魔術アカデミーに編入してもらうことになった」


 ダン「え?でも,魔術アカデミーは,13歳からではなかったのですか?」


 ゴゲラート領主「確かにそうだが,魔術アカデミーには,予備科というものがある。そこでは,12歳からでも入学が可能だ。そこには成績さえよければ,王族,貴族,平民,奴隷問わずに,だれでも入学することができる。だが,王族だとバレると,誘拐などのターゲットにされてしまう。今から,お前は,護衛隊長の養子となり,平民の身分で,編入してもらう。編入試験はあるが,定員に空きがあるので落ちることはない。付き添いの使用人はひとりまでは認められている。そこで,フララにお願いしたい。フララ,一緒に行ってくれるか?」


 フララ「はい。問題ございません」


 ゴゲラート領主「そうか。良かった。尚,注意事項がある。転移魔法でそのアカデミーに行くことは禁止だ。転移魔法は,危険な魔法なのは知っていると思う。近年,この新魔界の上空では不穏な磁場荒らしが時々発生している。S級以上の魔法士なら問題ないようだが,上級クラスの転移魔法では,失敗する事例が報告されている。申し訳ないが,ダンとフララの2名で,王都まで陸路で移動してほしい」


 ダン「え?そんな危険な道を陸路でいくのいですか?」

 

 ゴゲラート領主「ダン。これも,お前の修行の一環だ。危険を察知する能力も大事だ。移動が日中なら,かつ,乗り合いの馬車なら,まず安全上,問題ないだろう。フララ,万一,強盗に遭った場合,自分の命を最優先にしなさい。ダンが連れ去られようが,殺されようが,フララの責任できはない。ダンは,決して無理しないように,確実に安全な道を選んで行動しなさい。フララに危険な目に遭わせないようにしなさい」


 ダン「でも,どの道を選んだらいいのか,経験なくて,,,」


 ゴゲラート領主「今からお前は平民だ。一般人だ。一般人が,どのようにして安全に遠出するのか,よく勉強しなさい。出発は1週間後だ。出発してから15日目の午後5時までに,アカデミーに到着しなさい。そこでは,親係の護衛隊長が待っているはずだ。質問は受け付けない。話は以上だ」


 ダン「・・・,まだ,納得できませんが,,,わかりました。出発の準備をします。フララ,旅支度を手伝って!」


 フララ「ダン様,わかりました」


 ダンとフララは,その場を後にした。タルベーラ夫人は,夫のゴゲラート領主に,納得はしつつも文句を言った。



 タルベーラ夫人「あなた,今でも私は反対です。なんで,女王様の要求を受けいれたのですか?いくら,ダンには危害を加えないと言われても,万一ということはあるでしょう。それに,ほんとうに盗賊が現れたらどうするのですか!!あのフララは雪生と同じように,町を歩くだけで,男どもにレイプされてしまいます。ダンさんが巻き添えを喰うのは当然ありうるはずです!!」


 ゴゲラート領主「私は,北部防衛の最前線にいるケンは,雪生の2重人格などではなく,まったくの別人で,フララこそ雪生ではないかと思っている。そうでないと辻褄が合わない。この屋敷が火の海になったとき,なんで,メイドたちの部屋がすぐに分かったのか?そして,あの透明な滑り台,,,コードネーム『チユキ』である雪生ならば,すべて合点がいく。そうなら,たとえメランブラ女王国の刺客がいくら強くても,盗賊がいくら攻めてこようが,フララに勝つことはできないだろう。フララこそ最強の戦士だ。それに,彼女は仲間思いだ。娼婦の仲間の後見人をしているのもその性格のためだろう。そんな彼女なら,ダンを見捨てることはしないと思う。ダンにとって最高の護衛ということができよう。妻よ,私の判断を信じてくれ」


 タルベーラ夫人「・・・,わかりました。もう,この件では文句をいいません。もし,ダンに何かあったら,一生,あなたを許しません。それだけです」



 ーーーー


 ー ダンの部屋 ー


 ダンの部屋では,ダンが,荷造りのリストと,旅の工程を考えた。出発まで1週間しかない。アカデミーに必要となる備品の購入もしなくてはならない。それに,フララを連れていくので,フララに必要な備品も必要となる。することが山ほどできた。


 この奇妙な王都への旅,かつ陸路という条件付きに,ダンだけでなく,フララも違和感を覚えた。フララもバカではない。これが罠であることは,フララでも容易に類推できた。フララは,戦闘になれば,自分がさほど強くないのはよくわかっている。でも,ダンという『弱虫』を守りつつ,敵と戦うのは避けたい。せめて,ダンに自分の身は自分で守らせるようにしたい。そこで,フララは,即席の霊力使いにすることに決めた。


 フララ「ダン様,ご相談があります」

 ダン「ん?何だ?」

 フララ「今回の旅は,私を殺すことが目的だと思われます。ですが,ダン様を守りながら戦うのは,私にとって不利です。せめて,ダン様の身は自分で守ってほしいです」 

 ダン「なんでフララが殺されるの?」

 フララ「ダン様は,すでに,雪生様がコードネーム『チユキ』であると知っていると思います。私も,その『チユキ』の仲間です。すでに,隣の国でフララという名前で事件を起こしてしまいました。私の望まない事件でしたが,仕方ありません。たぶん,襲ってくるのは,隣の国からの刺客でしょう。なにせ,亡くなったのは,隣国の女王の甥なのですから,,,」

 ダン「・・・,そうか,,,でも,私は,基礎魔法程度しかできない。とても,自分の身を自分で守ることなどできない」

 フララ「ダン様,今から,私と一緒に訓練してもらいます。身を守るパワーは,私がダン様の体の中に注入します。そのパワーを自在に扱えるようになってください」


 フララは,ダンの手をとって,そこから,素の霊力を流していった。


 フォー--!!フォー--!!フォー--!!


 ダン「うっ!!体が熱い!!!焼けるようだ!!」


 フララ「我慢してください。このパワーは,千雪様からいただいたパワーです。『霊力』というものです。自分で生み出すには,10年以上の歳月がかるそうです。でも,霊力を操作するだけなら,さほど時間はかかりません。ダン様は,私に生きてほしいのでしょう?私といつまでもエッチしたいのでしょう?もしそうなら,この1週間,寝る暇も惜しんで修練してください!!毎日,ただでこの体を30分抱かせてあげます。それを励みにして,頑張ってください」


 フララからそう言われて,ダンはその申し出を断る理由はない。すでに,ダンの体の中に霊力が大量に注入されてしまった。操作できないと,自分の体に異変をきたしてしまうのは目に見えていた。


 ダン「うん。わかった。その霊力というものを,がんばって操作してみる」


 それから,フララの指導の下,ダンは,瞑想によるイメージトレーニング,48式の動作を基本メニューとして修練を始め,さらに,食事は,すべてフララの母乳で賄うことになった。というのも,フララは,千雪様が毎日,母乳をハルトに与えているのを間近に見ていたからだ。もっとも,千雪とフララでは,肉体の構成がまったく異なるのだが,ダンを即席で強くさせるという点については,フララの母乳のほうが優れていた。というのも,千雪は奪った精力や寿命エネルギーを霊力の核に蓄えることができるのに対し,フララはおっぱいで蓄える。そのため,フララの母乳には,精力や寿命エネルギーが,千雪のそれよりも何十倍も多く含まれていた。


 1週間が経過した。その間,ダンは,毎日,睡眠時間は1時間だけだった。フララも同様に1時間だけですごした。フララは膨大な精力と寿命エネルギーを持っているため,ほとんど寝ずにダンの修行に付き合うことができた。


 ダンは,フララの40kgにもなるおっぱいと直径7cm長さ7cmもの巨大な乳首を吸いながら性行為をするのを楽しみに,最大源の霊力の修行を行った。その結果,ダンは,加速3倍速,防御では,高度7程度までの硬さにすることができた。かつ,多重防御の構築も高速にすることが可能となった。


 それ以外の大きな変化として,ダンの体自体が何倍も健康になり,体の回復力が異常に高くなった。例えば,簡単な切り傷なら,瞬時に回復してしまう。かなり,大きな切り傷でも,あたかも回復魔法をかけているいかのように回復していまうのだ。端から見れば,ダンの体は,常時回復魔法が活動しているような錯覚に覚えてしまう。


 この1週間で,ほかに大きな変化といえば,フララのおっぱいが,35kg,乳首も直径6cm長さ6cmに若干,縮小したことだろう。それでも,病的に大きいのだが,,,


 ダンとフララは,旅経つ前に,ゴゲラート領主とタルベーラ夫人に別れの挨拶した。その際,ゴゲラート領主は,ダンにお守りを渡した。


 ゴゲラート領主「ダンよ。このネックレスを常に首にかけていなさい。お前の身を守るお守りだ。決して外してはならぬ。わかったな!」


 ダンは,受け取ったネックレスを首にかけて言った。


 ダン「わかりました。常に首にかけておきます。では,出発いたします。お父様,お母様,お元気で!!」


 ダンは,フララを連れて,ゴゲラート領主邸から出発していった。


 ダンとフララの後ろ姿を見ながら,タルベーラ夫人は,涙を少し流しながらゴゲラート領主に言った。


 タルベーラ夫人「ダンは,あのネックレスの意味を理解できるのかしら?」


 ゴゲラート領主「ダンは気がつかないと思うが,フララは,すでに分かっているだろう。でも,この旅で,フララの強さが証明されることになる」

 

 タルベーラ夫人「そうだといいわね。フララの弱さが証明されないことを祈るわ」


 タルベーラ夫人は,ゴゲラート領主に皮肉を言って,この場を去った。



ー メランブラ女王国,女王の執務室 ー


 メランブラ女王の執務室では,3名の戦士がメランブラ女王と打ち合わせをしていた。3名の内,2名はフードを被っていて,顔を隠していた。残り1名は女王の甥だ。セダルだ。


 女王は,3台の羅針盤を一台ずつ渡して言った。


 メランブラ女王「その羅針盤に映っているのは,ダンという少年です。12歳になったばかりです。その少年と一緒にいるのがフララ。コードネーム『チユキ』です。ダンには,決して傷つけてはなりません。ただし,不可抗力であれば止むないでしょう。私の甥もそれでフララに殺されました,,,では,フララを襲う順番を決めます。一番手の希望者は誰ですか?」


 その問いに,フード姿の一人,モゴルダが声をあげた。


 モゴルダ「では,私が一番手を引き受けよう。お二人さん,異論は?」


 フード姿のもう一人ゾベルダとセダルに異論はなかった。


 メランブラ女王「わかりました。では,一番主は,モゴルダにしましょう。モゴルダは,魔法剣士だから,魔法士10名,録画担当を3名つけます。よろしいですか?」


 モゴルダは,この国の地図を開いた,そして,ダンとフララを迎える村を指さした。


 モゴルダ「私は,このナメイラ村で,フララを迎える。デラブラ市から40kmほど離れているので,今から,2,3日後には,フララに遭遇するでしょう。まあ,お二人さんの出番はないと思いますけどね」


 メランブラ女王「モゴルダさん,確認ですが,1週間前に隣国のガルベラ女王から送られてきた霊力を見分ける方法は,マスターしたのですか?」


 モゴルダ「大丈夫だ。識別可能のはずだ。だが,こんな情報,よく手に入ったな。どんな取引をしたのだ?」


 メランブラ女王「あなた方には,言ってもいいでしょう。今,隣国のガルベラ女王国は,北部領域の魔獣の襲撃に遭っています。つい最近では,南部の都市が火の海にされました。たぶん,北部領域の魔獣だと推測しています。ガルベラ女王国は,飛行技術がありません。そのため,空対空の戦闘ができません。そこで,私どもの気球の技術と交換したのです。もっとも,気球の技術など,私どもにとっては,なんの価値もありませんが,ふふふ」


モゴルダ「なるほど,,,われわれは,今,飛行船を開発できるだけの技術があるからな。了解した」


 こんな雑談をしている一方,ガルベラ女王国,北部防衛前線では,ケンは,楽しい時間を過ごしていた。


 

ガルベラ女王国は,科学技術にでこぼこがある。医療技術では,メランブラ女王国に勝るものの,その他の科学技術では,見劣りする部分が多い。メランブラ女王国では,磁場荒らしが多く,転移魔法が使えない場合がいい。そのため,早くから飛行技術の開発に着手していた。そのため,今回ガルベラ女王国に提供した気球の技術は,もっとも低レベルの技術だった。


 この北部防衛前線に,女性戦士がどんどんと送られてきている。絶対的人手不足を補うためだ。彼女らの仕事は,気球を造ることだ。その作業に男手を裂くことはできない。


 ケンは,気球ができるまでは出番がない。彼のすることは,子犬の体に替わって,新しく来た女性戦士に可愛がってもらうことだ。いくら爆乳の体があるとはいえ,生身の人間に可愛がってもらうほうが,圧倒的にいいに決まっている。


 ケンは,可愛い犬の姿をして,彼女たちの働く場所の近くを散歩するだけでいい。


 「キャー!!見て見て!!可愛い子犬!!こんなところに,子犬がいるなんて。すてきーー!」

 「ワンちゃん!こっち来てちょうだい!!」


 ケンは,可愛いそぶりをして,おどおどしながら,彼女たちのそばに寄っていった。


 ひとりの乙女が,ケンを抱きかかえたら最後,ケンは,次々と乙女たちの手に渡って,完全にペット化されてしまった。でも,それこそがケンの狙いだ。仕事が終わって,風呂に入るほときも,ケンは,彼女たちと一緒だ。彼女たちに体を洗ってもらうのだ。


 彼女たちは,子犬の体が魔体だとは知らない。外見からは判断がつかない。ただ,彼女たちは,子犬がオスだとは理解した。


 「キャー!!この子犬,オスよオス!!ちっちゃいオチンチンしている!!かわいい!!」

 「ねえ,ねえ,それ,触らせて!!」

 「いあやー!!エッチ!!」

 「私も触らせて!!」


 かくして,ケンは,その後,彼女たちとベッドを共にして,彼女たちを日替わりで抱くという,男冥利,いや犬冥利につきた。


 ケンは,性行為をするとき,相手に目隠しをさせる。


そして,ケンが射精するときに人間の魔体にとってかわり,ケンの魔法因子を彼女たちの子宮に注入されて,彼女たち,総勢200名の乙女たちは,それから程なくして,全員が妊娠させられることになる。


 後に,妊娠した彼女たちは,注入された魔法因子は,人間のそれだと知り,愕然とする。犬の精子なら,どうしたって,妊娠することはない。妊娠したとしても,すぐに細胞分裂が止まって,定期的な月経となって体外から排出されるだけだ。でも,人間の魔法因子だと話は違う。あの犬には,人間の魔法因子があったのではにかと疑ってしまう。


 ケンは,乙女隊全員に標的魔法陣を植え付けていった。後に,正式なハーレムを造るためだ。


 ケンの一番幸せな日々だった。



 




 

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