いざという時に役立つもの

いざという時に役立つもの

女1「なんか今日、髪綺麗だね。美容室に行ってトリートメントでもしてもらったの？」

女2「いや、行ってないよ。私、髪切る以外で美容室になんて行かないし」

女1「そうなの？それにしても、今日は特に綺麗だね」

女2「そういえば、久しぶりに実家に帰ったらさ、家のドライヤーが変わってたの。なんか髪に優しいドライヤーに」

女1「マイナスイオンドライヤーとか？だから、髪の毛が綺麗になったんじゃない？」

女2「いや、そういう種類はよくわかんないんだけど、なんか変わってて。それがめちゃくちゃ風量が弱くて、全然髪の毛が乾かないの。お父さんは、ハゲてるからすぐに乾くかもしれないけど」

女1「急にお父さんディスるのやめなよ。お母さんが買ってきたかもしれないじゃん」

女2「いや、うち父子家庭なんだよね」

女1「……なんか、ごめん」

女2「別にいいよ。それで、髪の毛が全然乾かないから、イライラしてバリカンで丸坊主にしたんだ」

女1「マジ？じゃあ、今の髪ってカツラなの？」

女2「うん、そうだよ」

女1「でも、どうやって買いに行ったの？髪は丸坊主なわけじゃん」

女2「カツラは持ってたから、それを被って買いに行ったの」

女1「なんで持ってたの？お父さんのやつ？」

女2「いや、そんなの被るわけないじゃん。私、高2の夏に千円カットで切ってもらったら、普通にショートの写真見せたのにベリーショートにされちゃったの。それで、ショックだったから、ダイソーでコスプレ用のカツラを買ったの。でも、似合わなかったら1回しか被らなかったけど、本当捨てなくて良かったよ」

女1「すごいね。あのカツラ、コスプレ以外で需要あるんだ。私、今まで余興で被る人しか見たことなかったよ」

女2「カツラは、家に1個は常備した方がいいよ。いざという時に役立つだから」

女1「いやでも普通の人は、急に丸坊主にしようとはしないでしょ。そんな短絡的に行動しない。もっと理性で動いてるよ」