第4話 私の勇姿をしっかりと目に焼き付けろ

うちの学校の生徒は向上心が無さ過ぎる。


今は卓球部の副顧問をしているけど、学生時代は合唱部で色んなコンクールに出て、入賞を逃したことが無かった。

帰ってから夜遅くまで勉強もしていた。


これからのど自慢に出て生徒たちに私の歌を聴かせ、思いっきり気合を入れてやる。


本番が始まった。

練習し過ぎて普段のように声が出ない。

緊張して声が裏返ってきた。

歌詞も間違えた。

そして鐘が鳴った。

生徒たちに合わせる顔がない。


次の日、恐る恐る教室に入ると、歓声が聞こえた。

生徒の一人が目に涙を浮かべて言った。


「感動しました。失敗してどんなに恥をかいても良いから、どんどん挑戦しろ!ということを先生が身をもって教えてくれたのですね」

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