どうするの?
―――カチャッ。
ドアを開けると、廊下があった。
階段と、いくつか部屋のドアが見える。
「ほんとに結構広いなぁ...メガネの言った通りだ」
「だろ...手伝ってくれてありがとう。助かるよ。」
そして、メガネと一緒に一つ一つ部屋を回り、リビングに集まるように声をかけてパニックになっている人を落ち着かせていった。
「これ一人でやっていたのか...疲れたんじゃないか?」
「......なんでかはわからんが、別になんともない。」
ならよかった。
一通り声はかけた。
あとはみんな起きてリビングに集まれるかどうかだが。
―――...。
めちゃくちゃ静かだな...
みんな二度寝しているのだろうか。
うむ、なぜだか寝るにはとても心地いい場所だったからな...気持ちはわからなくもない。
僕も自分のいた部屋に戻ってゴロゴロしようかな。
―三十分後―
少し騒がしくなってきただろうか。
みんなちょくちょく部屋を出ていってるし、そろそろリビングに集まらないとって感じだな。
とりあえず行ってみようか。
―――ガチャンッ。
うわっ結構人数多いな...
まだ全員いないはずなんだけどな。
ざっと30人ってところか。
なんでかはよくわからないけど人の多い場所は苦手だ。
うぅぅ...気まずい。
「お前も来たか。人数が多くてびっくりするよな。まぁ広いもんなこの家。」
メガネだ。ぼっちに話しかけてくれるなんて、優しいなぁ。
「だよね。ほんとにびっくりしたよ。それに、まだ来てない人もいるだろうし...」
「もう一度家全体を回って、次は無理やり起こしてくることにする。」
あぁぁ...行っちゃった。
無理やりは可哀想じゃないか...?
というか、同い年ぐらいばっかりだと思っていたけど、自分より全然大きい人もいるなぁ。
一回り...いや二回りぐらいの人もいる。
高校生かな。制服着てるし。
いや、大学生の可能性も...
―十五分後―
メガネが女の子と一緒に戻ってきた。
ってあれ、みんな急に静かになったなぁ。
しかもメガネの方見てる...
合わせようっと。
「みんな、集まってくれてありがとう。今、俺たちがどんな状況に置かれているかわかるやつは、多分いないだろう。だから、今わかっている情報をみんなで共有していこう。いいか?」
「うっす。」
「了解。」
「わかった。」
―――...。
「えーっと、私からいいかな?まず、色々調べてみたんだけどこの家には...」
―――......。
―――...。
「...ということぐらいしか今の僕にはわかりません。」
「なるほど。では俺が、今聞いた情報を少しまとめてみる。」
メガネすげぇなぁ...みんなを自然にまとめあげてる。
「よっし。今わかっていることを言っていくぞ。
1.この家には食料がない。
2.この家の窓からは真っ白な景色しか見えない。
3.トイレや浴室、洗面所からは水が出てそれらを使うことはできるが、飲むと変な味がする。
4.玄関のドアは、木の板で頑丈に固定されており開けることはできない。
5.ここにいる全員が、ここに来る前のことを何も覚えていない。
で良かったか?」
―――...。
「...。じゃあ次はこれからどうしていくかを考えよう。なにか、考えがある人はいるか?」
「はい。」
「どうぞ。」
「まず、玄関のドアを開けてみてはどうでしょうか?確かに木の板で頑丈に固定されていて、簡単に開けることは難しそうですが、力の強そうな方もいらっしゃいますし...」
僕よりも二回りぐらい大きな筋肉質の人をちらちら見ながら女の子が言った。
「それに、こんだけ人数もいますし、みんなで押したり蹴飛ばしたりすればいけそうじゃないですかね?」
それは流石に無理があるのでは...
「そうだな.........物は試しだ。とりあえずやってみよう。力に自信がある人、少し玄関に来てくれないか。」
...僕には関係ないな。
―数分後―
―――ドォンッ、バタンッ。
うわぁっ、びっくりした。
めちゃくちゃでかい音が玄関の方から聞こえた。
みんなが急いでリビングを出て様子を見に行っている。
「...まじかよ。」
そこにはさっき力に自信があると言って出ていった人たちと、押し倒された玄関のドアがあった。
流石にこれは...。
絶対に敵に回したくないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます