A Red Bud

A

ここはどこ?

「―――ん...。」


目を覚ますと、そこは全く見覚えのない部屋だった。


窓からは暖かい光が差している。


辺りを見回すと、同い年ぐらいだろうか......見たことのない顔が並んでいる。


すやすやと気持ち良さそうだ。


「んぁぁぁ...」


「ぐおぉぅぁぁぁ!」


「んにゃ...へぁ...ぐがー」


びっくりした。起こしてしまったかもしれない。ごめん...


―――バタンッ。


今度は何だ。


やばい、見えない。視力が。


やっぱり深夜に暗い部屋でスマホを見るのはやめたほうが良いのだろうか。


目を凝らして見ると、そこにはメガネをかけた人物が立っていた。


「おはよう。起きれるか。」


なんだか偉そうだな。


「とりあえず起きたら一回のリビングに集まってくれ。」


なんか急だな。飲み込みづらい...って


あれ...待てよ...僕、何してた?


どうしてここにいる?


というか、さっきからずっと当たり前のようにしてたけど...


「ここは一体どこなんだ...?わからない...わからない......」


―おい。おい、大丈夫か?


んぇ...


「しっかりしろ、大丈夫か?」


「え?あぁ、うん...ありがとう、大丈夫。えっと...」


「俺の名前か?わからない。何も、思い出せない。お前は?」


「僕は...ごめん、わからない。思い出そうとすると頭が痛くなる。」


「そうか...お大事にな。」


「うん...」


―――...。


「お前、歩けるか?一緒にこの家を回ってくれないか。案外広くてな。」


「どうして回る必要があるの?というか家って?」


メガネがこの部屋を見渡しながら言う。


「あぁ、実はこの建物、普通の家みたいな感じでな。それぞれの部屋に、こんな感じで結構ぎゅうぎゅうに人が寝ているんだ。」


「そして、お前みたいにパニックになるやつがちょくちょくいるんだ。だから様子を見に行く。」


「そういうことかぁ...(汗)」


うぅぁぁ...


「あと、リビングに集まるように声もかける。」


「そういえばメガn...あっ...。君、さっき言ってたね。それはどうして?」


危な。メガネって言うところだった...


「よくわからない状況の中、まずはみんなと顔を合わせて話すことが大事かなと思っただけだ。」


「そっか、確かにね......手伝うよ。」

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