第6話 大島の過去
聞けば大島自体は不良行動で補導されたり現に捕まったりしたそうだ。
俺はその事に驚きを見せる。
そして大島を見る。
大島は酒を飲みながら顔を赤くしつつ俺を見てくる。
「.....まあ私もかなりやんちゃだったからねぇ」
「.....そうは言えど驚きだわ。お前がまさか」
「金髪にした。それにピアスも開けた。.....滅茶苦茶だったよ。母親から、産まれて来なければ良かった、って言われるぐらいに虐待されていたから」
「ああ.....そうなのか」
俺もちびちびと貰った酒を飲みながら大島を見る。
大島はニコッとしながら、でもこうして好きな人も出来て今が一番幸せだね、と言ってくる。
おいコラ俺には彼女が居るっての。
「好きな人である事は変わりないよ。.....私は君が好き」
「だから俺には彼女が居るっての。お前な」
「結婚してない限りはチャンスがあるよね。だから君を奪うよ」
「そんな滅茶苦茶な事が許されるかよ」
俺は盛大に溜息を吐きながらほろ酔い気分で目の前を見る。
するとスマホに連絡が入った。
その連絡主は凛だ。
今は落ち着いた、とコメントが来た。
良かったわ。
「.....取り敢えずは安心した、と」
「.....ああ。凛ちゃん?」
「そうだな。.....凛だ」
「しかし君も大変だね。.....同情している訳じゃないよ?.....妹ちゃんが」
「.....何故あんなに性格が歪んだのか分からない」
そもそも何がきっかけだったのだろう。
あんなに性格が歪んだのが、だ。
俺は考えるが.....答えは出ない。
酒で頭が回らない訳じゃないが.....分からないのだ。
「取り敢えずは凛の作った回復施設で何とか過ごしてほしいって思う。俺的には」
「.....まあそうだね。.....凛ちゃんは何だか大きく成長したねぇ」
「そうだな。.....かなり大きくは成長したと思う」
何処が、と言われれば性格だな。
そして何かが大きくなった気がする。
俺は思いながら窓から外を見る。
夜空を見ながら顎に手を添えて撫でた。
〜〜〜〜〜
結論から言って失敗した。
何がと言えば私の脱走計画。
凛という女を殺してでも逃げたかったが。
そんな事をするとまた捕まる。
しかも今度は少年院行きでは済まなくなるだろう。
それは私の目的に反している。
その為に私は殺さず脱走したが。
それが間違いだった様だ。
お兄ちゃんに見つかって直ぐにこの場所に戻された。
最悪の結果になってしまった気がする。
「.....」
目の前の凛とかいう女。
私を見ながら笑顔が絶えない。
正直私はこの女は苦手だ。
そして私は絶対に許さない。
お兄ちゃんと引き離した分だけ罪は重い。
「咲ちゃん」
「.....何。黒崎」
「.....ご飯食べないの」
「.....食べない。.....何が混ぜられているか分からない」
私は言いながら目の前の凛を見る。
凛は私に対して、食べて、と言ってきている。
この女昔より威勢が良くなっている。
昔のあのビクビクした感じが無くなっている。
「そんなんじゃ駄目だよ。咲ちゃん」
「私は私自身の個人の自由がある」
「あるけどね。.....確かに。.....でもこの場所では指示に従って」
「.....私の身を心配しているの」
「心配に決まっているよね。.....私は貴方が。だって私が何の為に社会福祉士になったか知っているでしょ?」
目の前のメニュー。
つまりカレーライスを見ながら私は眉を顰める。
そして盛大に溜息を吐きながら、分かった。食べるけど、と言う。
それから食べてみると。
かなり美味しい。
「.....毒とか入ってないから。.....私はそんな真似はしない」
「.....」
「.....毒が入ってない分食べてね」
「.....分かったけど」
私は頷きながらご飯を食べる。
とっととこの場所では無く自宅に帰りたいのもあって、だ。
そして私はカレーライスを完食してから。
そのまま私の部屋に戻ろうとした。
「.....咲ちゃん」
「.....何?黒崎」
「.....私.....えっと。一緒に遊ばない?」
「.....何故それをしなくちゃいけないの?逆に聞くけど。意味が分からない」
すると背後から、遊ぶのも時には大切だよ、と声がした。
凛の声だ。
私は額に手を添えてイラつきながら。
何をするの、と言ってみた。
すると黒崎は、グループワーク的なお話を交える事、と話す。
一番.....気に入らない事だった。
(シン)ヤンデレブラコンの妹(改訂) アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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