第2話
「1つ気になったのですが、体を作りかえないと魔法もスキルも使えない別世界の者をわざわざ召喚するメリットは何なんでしょう?
作りかえるのは神様が行うのですよね?
なら作りかえずに送り出して魔法もスキルも使えない役立たずだと認識させたら、それからは召喚なんてしなくなるんじゃ無いですか?
召喚が続いてるのは神様のせいとも言えるのではないでしょうか。
干渉したくないと言うのであれば、そうするのが今後の為に良かったのでは?」
『残酷じゃのお主。
、、、まぁ確かにワシが魔法を与えずに送り出してたなら召喚が続くなんて無かったかもしれんなぁ。
ただのぅ、誘拐同然で拐われた者たちをどうにか死なない様にするには魔法が必要だと思ったのじゃよ』
「すみません。神様の思いも知らずに酷い事を言ってしまいました。
それならもう召喚が出来ない様にそれだけでも干渉してはいかがですか?」
『そうするとの、この世界は駄目になってしまうのじゃ。
神が手を加えた駄目な世界にの』
「そうなんですか。何かあるんですね。
分かりました。もう言いません。
それにそうなってしまったら私が魔法を使えない事になってしまいますし』
『現金じゃのお主、、、』
「それでいただける魔法とスキルは選べるのでしょうか?」
『本当に現金、、、。ま、本当はランダムじゃよ。
それに そもそもこうやって召喚者と会うなんて事もしないしの』
「え?では私は何故ここに?」
『お主は巻き込まれての召喚なので、時間がほんの5分ほど遅くズレてしまったのじゃ。
それでな魔法とスキルを与える場に居なくて、与える事が出来なくなってしまつたのじゃよ』
「ええぇぇぇーーー!?
遅れたらもう貰えないのですか?!」
『そうなのじゃよ。ランダムで与える事が出来ないのでワシが直々に与えるためにここに連れてきたのじゃ』
「あ、ちゃんと貰えるのですね。
直接?」
『うむ。もうその場所は閉じてしまったのでの、巻き込まれたお詫びにお主が欲しいと思った能力を与えてやろうかな。と思ってな』
「ありがとうございます。
何でも良いのですか?」
『突拍子も無いもので無ければな。この世界にある魔法ならな。まぁスキルは融通してやろうかの』
「それで魔法はどの様な種類があるのでしょう?」
『ん〜、、、。なるほどの。適当に与えないという事は説明しないといけないのじゃなぁ。』
「適当って神様、、、」
『まぁそうは言っても何十人と説明するのは大変じゃし、能力が偏るのもな。
なのでランダムじゃ、ランダム。
適当では言葉が悪いのぅ』
『お主の脳に直接 魔法の種類を送るので、それから選んでくれ』
「ちなみに1つと言わずに何個か貰えると言うのは?」
『1つの魂には1つしか扱えないのじゃよ。
まぁ、とある能力を選んだり芽生えたりしたらその限りではないがの』
「後から使える魔法が増えるようには出来るんですね」
『そうじゃの』
『それでは情報を送るとするかの。ほれ!』
「ぐわあぁぁぁぁ! 痛ってぇぇぇぇぇええ!!!!」
なんだか途轍もない大きなモノに繋がった途端、もの凄い量の情報がインストールされてきて頭が割れるような痛みが襲ってきて気を失ってしまいました。
どれぐらい経ったたろう、、、
気が付いてもそもそと起き出した途端に神様から謝罪されました。
『すまんのぅ。魔法の種類だけを送るつもりが、種類だけじゃなくいろいろな情報にまで繋がってしまったようじゃ。初めての事なので調整が上手く出来なくての。
頭は大丈夫か?
大容量の情報のせいで脳がパンクしそうになったので脳を亜空間に繋げてそこに情報を流したから障害は出てないはずじゃが、意識はハッキリしてるかの?』
「自分は香田太郎。人付き合いは悪く女房も友達も居ない50歳で、趣味は手広くディープに」
なんだか自分の自己紹介は落ち込んでしまう内容だなぁ、、、
「はい。意識はハッキリしてるので大丈夫みたいです。脳は後から障害が出そうなので怖いですけど。」
『ま、大丈夫そうじゃの。じゃが念のため強化しておこうかの(ボソっ!と)』
「ところで私はもう新しく作られた体なのでしょうか?」
『そうじゃよ。そうでなければ魔法とか与えられないしな』
「そうですか、、、
新しく作るなら若返らせてもらおうかと思ってましたが、、、」
『そうなのか。それは悪い事したのぅ。でもそれは魔法で出来るだろうし、色んな情報与えてしまったからそこから若返り出来そうな魔法を探して挑戦してはどうかの?」
「あの情報を見ることが出来るのですか?」
『お主の脳に直接繋がってる空間なので、思い出すような感じで接続できるはずじゃよ。脳を強化したのでな、情報の検索も出来るようになったはずじゃ。
で?魔法はどれにするのじゃ?』
「強化!
私は強化人間になったのか!
ニュータイプの方が良かったけど、強化人間ってパワーワードも良い響きだな!
『クッ!頭が!』とか『私の頭の中から出ていけ!』なんて厨二病遊び出来る。
50のオッさんだけど」
『おい!何を1人興奮しとる?
それで魔法はどうするのじゃ?』
記録空間の魔法データを確認してみる。
いろいろあるなぁ。確かにこれを全部説明するのは面倒だろう。
光魔法取ったら「勇者」と言う称号が必ず付くようだし、みんな「勇者になりたい」なんてなったら能力が偏る。と心配する神様の気持ちも分かる。
死ななくさせてあげたい。と言いながらランダムに魔法をあげるのも仕方ないのかもしれないな。
しかし使える魔法を増やせるようになる能力というのはなんだろ?
一つの魂には一つしか与えられないのならどうやって使える魔法が増えるんだ?
能力を奪う「スキルテイカー」みたいなのは・・・、無いのか。
コピーは?・・・
これも無し。
ラノベ知識にあるのは「並列思考』ってのが濃厚なのだが・・・お!スキルで「並列思考』ってあるのか。同時に考えられる事が増えるなら別の種類の魔法を使うなんて事も出来そうだな。
でもスキルはアレが欲しいしなぁ。他に魔法で可能性があるものは・・・
再検索・・・・
・・・良いのがあったな。これなら確実に魔法を増やせるだろう。
「どうじゃ?決まったかの?』
「はい。闇魔法にしたいと思います」
『え?それかの?』
「何か問題でも?」
『それは人間には不人気での〜。魔族でも持ってる奴が少ないのじゃ』
「不人気って言っても魔法は選んで手に入れる訳では無いのでは?」
『そうなんじゃがの。その魔法が発現した者は一生隠すようにして使わぬのじゃ。
この世界の民は自ら作り上げた「光の神」と「癒しの神』を信仰してるのでな。
「闇」が付いた魔法は穢れたもの。と思ってるのじゃよ。
しかも吸収が得意な魔法なのでな、鑑定やらステータスボードへの情報を読み取られそうになったらその魔力を吸収して読み取らせないようにしてしまうのじゃ。なので持ってるのも知られないようになるのでな、隠そうとする者は隠し通せるのじゃよ』
「ですが、いただいた魔法の情報からすると、これが全ての魔法を使うための近道なんですよね。なのでやはりこの闇魔法にしようと思います。
パッシブで隠蔽してくれるのならそれに越した事は無いですし」
『お主がそうしたいのなら構わんよ。
それでは ほれ!
与えたぞ』
やった!これで私も魔法使いなのか!
どうやって使うのだろう?
詠唱式なのかイメージで使えるのか?
こんな情報も検索で拾えるのかな?
検索・・・なるほと、イメージがしっかり出来てるなら詠唱はいらなくて、そのイメージに魔力を送れば発動するのか。
なになに?ただしイメージが出来ない者は詠唱による魔法構築を行い発現させる。と。
言葉で形を作って言葉で行動を指示して。って事かな。
イメージで発現するって事は、夢の中でイメージしてそのまま夢と分からずに魔力を送ったら、寝てるのに魔法を使ってしまう。なんて事もおきてしまうのかな?
それは怖いなぁ。
キーワードとなる言葉は言うようにした方が良さそうだ。
なんか必殺技を使う時に叫ぶヤツのようでカッコいいしね。
「バスタァァァァァア ビィィィィィッム!!!」とかね。
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