ルルーナガー7
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へえ。
魔法が使えるのって面白そう。
それじゃ、10年ぶりに祈ってみようかな。
「明日も世界が穏やかに続きますように」
ベッドの中でそう祈ってから、目を閉じた。
おやすみ人類。遠くで悲鳴が聞こえた気がした。しゃりん。
私は……私はなんだっけ。ああ、そうそう女子高生なんだった。どこの高校? 趣味は? 将来の夢は? 家族は誰で、友だちは誰なんだっけ。まあいいや、そんなこと。
それより、あたし、魔法が使えるらしい。
ためしに火の魔法を使ってみた。あたり一体が火の海になった。
炎で道路が溶け、ビルが溶け、車が溶けて、見渡すかぎり溶けて液体になった後、柔らかな草の茂る湿地となった。火が水を産み、水が緑を産んだのだ。あたしの魔法すごすぎ。
「いまので3人」
次は、氷の魔法を使ってみた。湿地が凍り付いて、歩きやすくなった。
「これでまた3人」
なかなか楽しい。さて、次はどんな魔法を試そうか。
「素敵な音楽を奏でる魔法はいかがです」
振り返ると、黒くてまっすぐな長い髪をしていて、背中に白い羽が生えていて、頭の上に白いわっかのある人が、宙に浮いていた。緑色のワンピースを着ていて、緑色の石がついたイヤリングをしているが、女性には見えない。かといって男性とも思えなかった。天使には性別がないというから、天使なのかも。
「あなたの魔法で、世界中に響き渡る交響曲を聞かせてくれませんか」
あたしは頷いて、青空いっぱいに音楽を響かせた。
「今ので10人の命が捧げられました。生け贄がランダムに選ばれ、その額には印が刻まれたことでしょう」
天使は微笑んだ。
「おかげで少し元気が出ましたよ」
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