第73話 シーサーペントは、とっても危ない。滋養強壮剤

 村へ戻ってきて、家に帰る。


「貰って来たついでに、良いものを取って来たよ」

 そう言いながら、家に入る。

 その時。俺は、やばい物だと。思っていなかった。


 中へ入ると。すでに、囲炉裏のある居間に、皆が集合して一杯やっていた。

 灰に長方形の五徳を突き刺して、上に網を乗せる。


 網をあぶっている間に、台所へと行き。素材を洗う。

 シャコは、塩ゆでにして。こんもりと盛る。


 ほかの物も、ざっと洗う。

 ざるに乗せて、居間へと配達する。


 もうすでに、皆は酔っ払い状態。

 ワイワイ言いながら、サザエとかを並べている。

 シーサーペントのブロックを、豚バラの様に。バットが無いので、深めの皿に入れて塩コショウを振る。もう半分は、照り焼きのたれを作って漬け込む。


 こそっと、居間へと持ち込む。


 うん。水希さんも、楽しそうで何よりだ。



 ホタテ用に、バターも出しておく。

 こんな物かな? 俺も座り込んで。飲み始める。

 烏賊を炙り、マヨ唐辛子でいただく。うんうまい。


「そう言えば。これ、お土産にどうぞ」

 そう言って、神崎さんにシーサーペントの魔石を渡す。


「これは?」

「シーサーペントの魔石です。結構立派でしょう」

「これは、すごいね」

 しげしげと、魔石を見ている。


「それなら、しばらく魔道具の連続運転ができますよ」

「そりゃそうだろう。いや。預かって、勝政さんに渡してみようか」


 そして、時間が進み。ある程度したところで、異変が出始める。


 神崎さん夫婦は、少し前に、風呂へと行った。

 残っているのは身内のみ。

 気のせいか、みんなの距離がおかしい。


 元気なのは、柳瀬さんだが、何か首をひねっている。


「ねえ。この豚肉みたいなの、何の肉?」

「うん? シーサーペント。今日捕ったんだ」

「これって、おいしいけれど。危ないよぉ」

 看護師の佳代が、そんな事を言ってくる。


 横で、久美も頷いている。

「どうしたの?」

「さっきから。むらむらが収まらないの。きっと、みんな同じなのよ」

 そう言われて、海辺の村へ置いてきたことを思い出した。

 やばいかな? 



 その晩は、大変だった。

 詳細は言わないが、大変だった。なぜか、柳瀬さんも。香織に連れられてやって来た。

 後で聞いたが、海辺の村も大変だったようだ。


「いやあ。まいったよ。昨夜、何を食わされたのかな?」

 朝食時。神崎さんに、こそっと聞かれた。

「たぶん。シーサーペントの肉ですね。男にはどうと言う事は無いんですが。女性には、媚薬効果があるようですね」

「やっぱり。奥さんが、とっても積極的でね」

 そう言われて見ると。水希さんが、上機嫌で朝ご飯をぱくついている。


 当然うちの女性陣も、満足そうだ。


「危険ですね」

「封印します。今晩お披露目と、祭りをするつもりだったのですが、辞めます」

「うん。その方が良いよ」




 私は、柳瀬瑠衣。

 この村に来て、3日目。

 お客さんが来て、海鮮の御馳走が出て来て、思わずぱくつき。お酒も飲んだ。

 途中で、徐々に体が熱くなってきて、気が付けば、股間が濡れている。

 どうしてそうなったかを理解できず。トイレへ行って拭うと、その刺激でひどくなる。


 ある程度で、食事はお開きになり、お風呂へと入る。部屋に戻ったけれど。収まらない。

 ダメだと思いながら、自分で色々したけれど、どんどんひどくなる。

 そうしていると、委員長。香織ちゃんがやって来た。

 私の状態を見て。

「やっぱり。行くわよ」

 そう言って、手を引かれて佐藤君の部屋へと突入した。

 中では、皆が来ていて…… マッサージの内容を理解した。


「ずるい。私も」

 そう言って、香織ちゃんも突入した。

 呆然と私も見ていたけれど、もう自分も、ひどいことになっているのが分かる。


 ふらふらと、私も混ざる。

 初めてだったけれど。最初っから、恥ずかしいくらい乱れた。

 佐藤君が慣れているのか、私がおかしいのか。周りを見ていると、気にするのがおかしいと理解した。もう恥ずかしいなんて言う言葉は、どこかへ行っちゃった。


 誰かが言う。

「みんなで、朝食の当番ね」

「その位するわよ」

 そうだったんだ。

 エッチをすると、当番なのね。


 あの時、皆がいやそうな顔をしていたけれど、これで私も仲間ね。

 この人数を、平気で相手をする。佐藤君の相手は、絶対一人じゃ無理よ。

 好きな人を、独占したい。そんなもの当たり前。

 でも、絶対死んじゃうわ。

 日本の常識なんて、だめよ。


 そんな事を考えながら、皆の絡み合いをぼーっと眺める。

 彼が空いたわ。ふふ、もう一回お願い。


 そうして、私は彼に抱きつく。

 周りでは、みんな倒れ込み。気を失っている人もいる。

 今だけは、彼は私の物。だけど……。 すぐにやって来る自分の限界。

 私は、意識を手放した。



 朝。この部屋で寝ている人間は、強制的に起こされる。


 朝食の準備を始めると、各自が周りの動きを見て、メニューが決まって行く。

 誰かが、焼き物を始めると、誰かがお味噌汁。そして別の所で、和え物だったり、サラダが作られていく。今日は、さすがに人数が多いから、食卓の準備とかも始める。


 佐藤君は、ご飯を炊いている。

 彼自身が、炊飯器を作ったが、炊き上がりの味が、気に入らなかったらしく。お釜で炊いて。いまは、保温のためだけに、炊飯器を使っているみたい。

 聞いたところ。便利そうなものは、すべて彼が作ったと、久美さんが胸を張っていた。


 やっぱり彼はすごかった。妙に能力を押さえる事をしないと。こんなことになるんだ。私の、人を見る目はすごかったのね。

 この世界。最高。

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