『Pixiv』を使ってみた感想
『Pixiv』
現在倉庫的に使っており、一次創作界隈では馴染みがないため入れるか迷ったのですが、私が初めて小説を投稿した投稿サイトでもあるのでご紹介。
最近になって突然ブクマが増えたので、その辺も絡めて若干追記しました。
全体的に小説界隈に限って言うと女性向け(体感)。
【良いと感じる点】
・機能面は使いやすく個性的です。表紙の種類が多くて選ぶのが楽しいです。
・一覧表示でPV、お気に入り、いいね、コメント数、ランキング最高順位などが一括で見られます。通知も逐一来ますので、ベルが赤くなってるとテンション上がります。
(通知は一定数に到達すると、十の単位、百の単位での通知になっていきます)
・「単語変換機能」という変わった機能があります。
これはPixiv小説で一番人気の夢小説(二次創作)に対応するための機能ですが、あえて「名前変換」としていないところがニクイところです。
簡単に言うとゲームでプレイヤー名を決めるのと同じ機能です。
例えば、冒険ファンタジーの主人公の名前が「アーサー」だったとします。
単語変換機能で「アーサー」を設定しておきます。
ユーザーは単語変換機能に「タロウ」と入れます。
すると、文中の「アーサー」が全て一括で「タロウ」に置き換わった状態で読むことができます。
つまり、主人公の名前を自分の名前に設定して、まるで自分が冒険しているかのような没入感を得ることができます。
勿論機能を使わなければ、作者が設定した「アーサー」で普通に読めます。
シリーズごとに設定できますので、一話ごとに設定する必要はありません。
・「アンケート機能」が存在します。キャラの人気とか、展開とか、取りたければアンケ可能。
・「pixivFACTORY」という機能で、投稿した小説を本の形にすることができます。
かつて紙の本にするということは結構ハードルが高かったものですが、スマホひとつで手軽にできます。機械オンチに優しい!バンザイ!
私も実際に作成してみました。
その時の近況ノートがこちら
https://kakuyomu.jp/users/yuki_taniji/news/16817330654051945275
・オリジナル作品専用のランキングを作る、オリジナルのおすすめ作品をやたら推してくる(編集部推し、人気推し、おすすめ推し、リクエスト推し、などでTOPを埋めている)など、オリジナル作品を読ませたい気概は感じます。
ブラウザ限定でアプリには対応してませんが。
Twitterを眺めていても、気合を入れたいのが見えます。頑張れ。
・↑に関連して、作者の短編
「先生、見てる?」
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18968960
編集部のおすすめに掲載いただきました。これの驚いたところは、投稿三日程度、ブクマ0いいね0、PV10くらいで連絡が来たところです。編集部の方がマメにオリジナル作品を読んでいるんですね。
特集掲載後に「載せたよ!」じゃなくて、事前に打診のメールが来る(辞退もできる)ところも好感度高いです。
・体感、古のオタクが多いです。そのため、昨今の流行以外の「小説という媒体を読むことに慣れている」人達がいます。
どういうことかというと、二次創作がメインのサイトですので、二次創作を楽しむためには原作を読んでいる必要があります。特に年齢層の上がったオタクは、小説や洋画などを嗜んでいる確率が高く、小説作品の二次創作を行っています。漫画ファンですら、スピンオフの小説を追っています。コアな人が多いです。
そのため、長文を苦としない、起承転結がしっかりしている物語を好む人たちが存在します。
私は三万文字を越える文章を1ページに載せるという暴挙のまま長らく放置してましたが、それでも読んでブクマしてもらえました。ありがたいことです。谷地さん反省して。(改ページ入れました)
私は二次創作界隈の空気に慣れ過ぎているので、「スクロールなんて長ければ長いほど嬉しい!」みたいな意見を信じており、web小説界隈に馴染むのに時間がかかりました。
・ランキングにそれほど左右されません。
何故か言うと、後述しますが「人気順」ソートが課金のため、他サイトに比べてランキングの意識が薄いです。(無料で見れるデイリーランキングは存在します)
更に古のオタク=猛者というのは、サーチとかでちまちまと砂漠に落ちた砂粒を探すがごとく好みの作品を探し求めてきた輩です。ランキングなんかで甘やかされてきたお嬢ちゃんたちとは面構えが違う。(過言)
誰かの性癖にぶっさされ!! という感じのものは多分誰かに刺さります。タグの工夫は必要かも。
・語彙力死んでるオタクがいっぱいいるから直球の愛情表現がもらえます。
なんかうまいこと褒めないと……という作家コメント欄とは全然違います。好き! って言っとけば大丈夫。
・度量が広い。(カオスとも言う)
【ちょっと気になる点】
・一次創作の読者がほとんどいません!!
昔は「ピクシブ文芸」という文芸特化のサービスも存在したのですが……。
とはいえ、私個人の数字だけ見るとPVの低さはエブリスタとそう変わらないです。
いかにもなラノベ作品はきっかけが不明ですが、載せて結構経った頃に突然ハネました。
また、一次創作者がほとんどいないということは、競争相手が少ないということでもあります。
あまり知られていませんが、漫画原作や書籍化のコンテストもたまにやってます。
参加者数が(他と比べれば)少ないため、受賞常連者もいるみたいです。穴場といえば穴場。
受賞者の作品にほとんどブクマついてなかったりするので、人気は関係なさそうです。そもそもの読者が少ないので、人気で足切りするのがむしろ難しいのだと思います。
→と、ちょっと前まで思っていたのですが、最近はこの穴場知られてきています。
明らかにコンテストのためにユーザー登録したであろう、「コンテスト参加作以外が存在しない」作者が複数現れ、更に受賞もしています。
布教するんじゃなかったぁ……。(自意識過剰)
・プロフィールやアイコンに写真の利用は禁止です。
著作権は関係なく、自分で撮影した被写体が何もない風景写真でもNGです。
AIが許可されているサイトなのに……? 絵が描けない文字書きは大抵写真では……?
などと思いつつ、そういう規約ですので新たに参入される方はお気をつけください。
・一部の優秀機能は課金制です。(アクセス解析、ソートなど)
とはいえ、無料でも十分使えます。私が良い点に記載した機能は全て無料です。(「pixivFACTORY」は本の形になるからさすがに現物有料)
・人気順の並び替えが有料です。ここに関しては、人気作を辿るために「usersタグ」というものが存在します。一定数ブクマを獲得した作品につきます。
ただこれ、ついてる場合とついてない場合があり、自分でつけると負けた気分になるというなんとも厄介なシロモノです。
オリジナル作品ではR-18を除きついてない確率が高いです。
・治安が悪い。(正直この一点がたくさん並べた良い点を全て掻き消している。投稿サイトの責任とも言えない部分がなんとも。)Pixivはいきなり書く方で参加しようとせず、古の「半年ROMれ」じゃないですが、読み手としてある程度空気を把握した状態で参加されることをおすすめします。
【傾向と所感】
・二次創作がメインでやってきたPixivならでは、企画も機能もユーザーが「楽しむ」ことに重きを置かれている気がします。
定期的に公式が行っている「執筆応援プロジェクト」「スキイチ」も、作品の優劣を決めるものではありません。抽選でプレゼントが当たります。
私も貰ったことあるんです、やったね!
ランキングやコンテストで神経ギスってきた作者さんはここで遊ぶのもいいかもしれません。
創作が楽しかった頃の原点に返ろう。
・PixivはR18強いです。
そして特徴的なのが、「課金への誘導」です。
元々漫画の方で「商品の告知」などに使われることが多く、大人オタクすぐお金払いたがるので、宣伝に嫌悪を示すような人はそうそういません。
小説の方でも「サンプルをチラ見せ」して「続きは有料で!」としている作品があります。
営利不可の投稿サイトが多いので、これは珍しいと思います。
ただ前述したように通常の一次創作ほぼ読まれませんので、私の知る限りでは一次創作だとR18のみで使える手法です。
出版社から書籍を出したいわけじゃない、しかしお金を稼ぎたい、という層はR18でそれが叶うかもしれません。
一応商業利用に関する規約は存在します。
アフィリエイトやマルチ商法、自作と無関係な営業行為は禁止……という風に読み取れますが、気になる方は利用規約 第14条 禁止行為 15項 あたりをお読みください。
・良い点にも記載しましたが、古のオタクが多く、ヒロインの好みもひと昔前の傾向が人気あるように思います。
ここから、女性向けに限った話をします。そなたは森で、私はタタラ場で暮らそう。棲み分け大事。
令和女子は自己肯定感爆上がりです。一部オタクの間では「え?」って顔されるかもしれませんが、全体で着実に「私可愛い!」の人口、増えてます。
これはSNSや少女漫画アプリのコメント欄などからも推察できるのですが、基本的に自分に自信があるので、うじうじヒロインは嫌われます。コンプレックスを抱えた人間の心理状態が理解できず、叩く対象にすらなります。
読者だけでなく作者についても、女性向け作者はなんとなく既婚であったり恋人とうまくいっていたり、リア充の傾向があるように見えます。
ひと昔前は「幸せな人間が書いた話なんてつまらない」みたいな風潮もありましたが、今は逆です。満たされた人間が書いた、幸せいっぱいの話の方がむしろ共感できるようです。
自分に自信があって、可愛くて、当然のように人に愛される。それがリアルの自分に近いのです。
そんな陽の者に追いやられた陰の者。(すみません主観です)
昔ながらの、ぱっとしないけれど、一生懸命困難に立ち向かっていく普通の子。或いは、傷を負ったネガティブヒロインを、颯爽と救うヒーロー。
そんなヒロインは、もうどこにもいないのかしら……と思いきや。Pixivではまだ現役でした。
「私なんて死んじゃえばいいんだ」ぐらいのネガヒロインがランキング上位にいたときの衝撃よ。今もウケるのかこの作風。
勿論、Pixivでも流行の作風はウケますが、まだまだ古き良きオタクの作風も生き残っているということです。懐古厨上等。
話がシリアスに寄りがち、ネガティブになりがちな作風の方は、もしかしたらPixivで読者ができるかもしれません。
ただしここは魔窟である、ということを念頭に挑んでいただきたい。
ざっくり包括するなら、Pixivは「何がウケる」じゃなくて「何でも受け入れられる」と捉えた方が正しいかもしれないです。
ようこそカオスへ。
・一次創作者には全く響かないことを承知で最後にちらっと書くと、人気ジャンルの二次創作はまず間違いなく読まれます。
ランキングとかに載ってほしくないので、作品を示すタグ(※公式名じゃないやつ!)一つのみ固定。更に、タイトルやキャプションのどこにもキャラ名を入れない。(分かる人にしかわからない匂わせ)
つまり、辛うじてジャンルがわかるのみで、誰が出てくるのかも中身がなんなのかも全然わからない状態で、深夜の投稿。
爆速で閲覧とブクマつきました。人気ジャンル怖い。
初手一次創作で全く陽の目を見ることがなく、まず人に読まれると言う経験をしたい、感想というものをもらってみたい、という方は二次創作も一つの手です。
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